2016.08.11

BM RECORDS TOKYOへようこそ 東京・上野でポール・スミスの足跡に触れる

『ポール・スミス展 HELLO,MY NAME IS PAUL SMITH』開催中

英国を代表するファッション・ブランドのひとつである“サー”・ポール・スミス。 2013年にロンドンのデザイン・ミュージアムで開催され、好評を博した彼の展覧会『ポール・スミス展HELLO,MY NAME IS PAUL SMITH』が日本に上陸。すでに京都での展示を終え、現在東京・上野の森美術館で開催中です。

ポール・スミスは1946年にイギリスで生まれました。16歳でノッティンガムの服飾倉庫で働き始め、建築やデザイン、ファッション、芸術にも親しむようになると、70年にノッティンガムの裏通りで小さな店を開き、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。そして今や約70の国と地域で展開する世界的なブランドへと成長を遂げました。

先日、東京での開催に先立ち、プレス用のプレビュー日にお招きいただき、展示を楽しんできました。
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会場を入ると、まずアートワークの壁が出迎えてくれます。彼のインスピレーションの源となった作品や、彼が手がけたキャンペーンの作品などが所狭しと飾られています。 個人的には英国の巨匠、デヴィッド・ベイリーが撮影した90年代のポールのキャンペーン写真が懐かしかったですね。私は出版社で勤め始めた頃、この写真がプリントされたポールのTシャツが好きでよく着ていました。

ポールの記念すべき1号店。彼のブレインストーミングの可視化。初めてのショールームとなったパリのホテルの寝室の再現。プロモーションやコレボレーションの記録など、展示は主に9つの要素で構成されています。なかでも私が興味深かったのは、ポールのオフィスと彼のデザインスタジオを忠実に再現した展示でした。
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ポールのオフィスの机には、彼が世界を旅して集めた雑貨や書籍などで埋め尽くされています。オフィスと言いつつも、彼はほとんどこのデスクの椅子に座ったことがないという解説にはクスッとさせられました。一方デザインオフィスの再現では、ブランドを代表するストライプ柄について、日々丹念な研究が重ねられている様子が伝わってきました。
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ポールは日本で年に数回行われる展示会の度によく来日し、私も過去に一度インタビューをしています。顔を合わせる度に(こちらの顔を覚えていても覚えていなくても(笑))気軽に挨拶をしてくれ、ジョークを言ったり、コミカルな動きをしてこちらを楽しませてくれる、ユーモアのかたまりのような人なのです。展示ごとに設けられたキャプションやイヤホンガイドなど、彼のバイタリティは展示の随所に反映されていました。このキュレーションの的確さと行き届いたホスピタリティには本当に感心させられました。

“サー”の称号をもらっているのに。ドリス・ヴァン・ノッテンやアレキサンダー・マックイーンをデビュー時からバックアップしていたような人格者なのに。そしてもちろん他にも数々の偉大な功績があるのに。決して偉ぶることのない彼の人柄が、この展示にはそのまま反映されているなあと感じられました。
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誤解を恐れずに言えば、ポールはデザイナーというよりも、むしろディレクターでありプランナーの要素が強い人物です。そんな彼の多才な引き出しを作った多彩なアイデアの源を、この展示では一気に堪能することができます。
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展示のなかには、今年初頭に急逝したデヴィッド・ボウイとの親交の証もありました。アルバム『ザ・ネクスト・デイ』の オフィシャルTシャツです。ボウイは過去ポールの服を度々着用していました。ポールはボウイのラストアルバム『★(ブラックスター)』のオフィシャルTも手がけ、彼の急逝に際し、鋤田正義氏が撮影した写真によるトリプルコラボのTシャツも制作していました。
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私事ですが、つい先日、雑誌の取材で初めて鋤田さんにお会いしました。彼がボウイについて語った模様は、現在発売中の雑誌SWITCH8月号(表紙・木村拓哉)で書きましたが、その際、すでにポールのサインが入っていた私物のトリプルコラボTにサインをしていただきました。以前ここで紹介しましたが、私は昔フィレンツェで偶然ボウイに会ってサインをもらったことがあったので、心のなかで三者のサインが揃ったことは、それぞれのファンとして感無量でした。
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ちなみに展示の出口にはミュージアムグッズショップが設けられています。数あるグッズのなかで私が購入したのは、ポールの1号店のマネージャー氏のポートレイトTシャツ(笑)。ユーモアのセンスと写真に一目惚れでした(笑)。
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またイヤホンガイドで使ったオリジナルイヤホンのプレゼント(名古屋は先着1万名)やSNSと連動したフォトカードのプレゼントも行われています。
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ポール・スミス自体はBRITISH MADEの取り扱いブランドではありませんが、英国カルチャーや英国ファッション、そして英国音楽好きなら、必ずや楽しめる展示ですので紹介させてもらいました。手持ちのブリティッシュプロダクトを活用したコーディネートの新たなヒントにもたくさん出会えると思います。
東京の展示は8/23まで。その後は9/11から10/16まで名古屋で開催されます。ぜひ足を運んでみてください。
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『ポール・スミス展 HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH』
・東京……上野の森美術館
2016年7月27日(水)~8月23日(火)
・名古屋……松坂屋美術館
2016年9月11日(日)~10月16日(日)
(※京都はすでに終了)
公式WEBサイト:http://paulsmith2016.jp/index.html
Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽、ファッション、演劇、映画、フードと様々な分野におけるインタビューや編集制作全般に携わる。編著書に『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。サンデー毎日で「恋する音楽」を連載中。NTT DOCOMO『dヒッツ』にてプレイリストを月2回提供中。テレビ朝日の配信チャンネル「LoGiRL」ではシンガーのハナエとともに毎週木曜日の生番組にレギュラー出演中。

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