2017.08.24

ブリティッシュ“ライク” 夏のリゾート気分が味わえるイギリス映画

盆が過ぎ、いよいよ夏が終焉に差しかかる。僕のように夏が苦⼿な⽅にはもう少々の⾟抱だろう。今回は、そんな⽅々でも室内で容易にリゾートやバカンス気分を味わえる映画「地中海殺⼈事件」を紹介したい。
原作はアガサ・クリスティの「⽩昼の悪魔」。⼩説の舞台はイギリスだが、映画ではアドリア海に設定が変更されている。1982 年に製作された本作。監督は、このコラムで何度か扱ってきた、”007 シリーズ”や”ハリー・パーマーシリーズ”、さらには”アガサ・クリスティシリーズ”でも指揮を執り、惜しくも昨年⻤籍に⼊ったガイ・ハミルトンだ。主演は、エルキュール・ポアロシリーズで名⾼い英国⼈ピーター・ユスティノフ、さらにジェーン・バーキン、ジェームズ・メイソン、マギー・スミス、ダイアナ・リグと、そうそうたる顔触れである。
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内容についてしばし⾔及すると、⼤陸から離れた孤島のホテルでばったばったと登場⼈物が殺害されていくといった展開ではなく、被害者は⼀⼈だけだ。事件が発⽣するまでの時間経過もわりかしにゆるりとしている。容疑者とされる客達にはアリバイがあり、名探偵ポアロがそれを崩しにかかるところからリズミカルになり、事件を解決に導いていく展開が⼤変⾯⽩い。本作の⾐裳も秀逸だ。まずは、主演のピーター・ユスティノフ扮するエルキュール・ポアロだ。初登場のシーンでは、オルタネートストライプのダブルのスーツを着⽤し、8つボタンの4つ掛け、浅めのV ゾーン(というよりほぼ皆無)にドットのボウタイという強烈なスタイルから⽬を奪われる。
続いて注⽬したいのは、彼の⽔着姿だ。本作では、男⼥含めて⼤変多くのスイムウェアが登場する訳だが、彼が着⽤しているのはワンピース型のベルト付きの⽔着。胸にはポケットチーフまで挿⼊しており、劇中で最もラヴリーだと⾔わざるを得ない装いだ。話の鍵になってくるアイテムがスイムキャップ、バングル、時計、パイプと、ファッションとは切っても切れない縁があるのもポイントである。本編の⾐裳を担っているのは、アカデミー⾐裳デザイン賞を3度も受賞している英国⼈アンソニー・パウエル。緻密な計算によりキャラクターの魅⼒を底上げし、⾒事に引き⽴てている。あっという間に物語の世界に引き込んでしまうたくみな職⼈芸だ。

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さて、今回は結びに⼀つクイズを出してみたい。以下の写真をご覧いただいて何か気付くことはないだろうか?
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ヒントは⼀⾒何てことのない写真に⾒えるが、何かが普通とは異なっている。じつは何故そうなっているのかは僕にも解明できていない。もし真相をご存知の⽅がいらしたら是⾮とも教⽰いただきたい。

Photo&Text by Shogo Hesaka

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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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