祝・来日!デュラン・デュランの5曲 | BRITISH MADE

BM RECORDS TOKYOへようこそ 祝・来日!デュラン・デュランの5曲

2017.09.14

UKが生んだ美しき獲物たち、そのキャリアを振り返る

いよいよ来日します。そう、デュラン・デュランです。
私、チケット買いました。業界経由だろって? いえいえ、普通にチケットぴあですよ。
(ライターやってるからってそう何だって取れるってもんでもないんです(涙))

そこで今回は私的デュラン・デュランの5曲をピックアップします。

彼らについては、これまでもざっと紹介してきましたが、あらためて。ダンサブルできらびやかなポップスが売りの彼らは1978年、イングランド中部はバーミンガムで結成されました。
80年代前半の、いわゆるニューロマンティックといわれるムーブメントの火付け役となりました。バンド名は68年ジェーン・フォンダ主演のSF映画『バーバレラ』に登場した悪役“デュラン・デュラン博士”から拝借して命名されました。当時のバンドの登竜門となっていた、バーミンガムのクラブ『バーバレラ』が、同じ映画から命名されていたため、そこで演奏するんだ!という意気込みを冠したものだったそうです。
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メンバーチェンジを繰り返した現在のデュラン・デュランは、サイモン・ル・ボン(Vo)、ニック・ローズ(key)、ジョン・テイラー(Ba)、ロジャー・テイラー(Dr)です。人気のあったアンディ・テイラー(Gt)が06年に脱退(しかも再脱退(笑))してしまったのは残念ですが、バンド本来のオリジナル性はきちんと保たれた布陣だと言えますね。

では曲の紹介に移りましょう。まずは81年の『グラビアの美少女』です。
バンドにとって3枚目のシングルとなったこの曲は、まあ日本でも流行りました。カメラのシャッター音が印象的です。ビデオはいま観てもだいぶナゾな演出です(笑)。
オールナイトフジとか、バラエティ番組でもオネエちゃんがわいのわいのと出てくるシーンではよくこの曲が流れていたものです(笑)。

続いては82年にリリースされた5枚目のシングル『ハングリー・ライク・ザ・ウルフ』です。
彼らはマイケルジャクソンやマドンナたちと並んで、MTVの登場という時代の波にうまく乗ってブレイクしたバンドでした。そのためビデオも結構凝った作りでした。でもいま観ると演出も微笑ましいというか、やはり時代を感じさせます。まだアイドル感も否めませんね。この“アイドル感”というのが、日本での彼らの人気に火を点けた理由でもあり、同時に長い間、その音楽性がいまひとつ正統に評価されなかった要因でもありました。

ここで本来なら『リオ』をセレクトしてもいいのですが、前々回のUK懐メロでも紹介しましたので敢えて割愛します。『リフレックス』も『007 美しき獲物たち』も敢えて割愛します。

で、3曲目はこちら。86年の『ノトーリアス』です。
ここから彼らは本格派のアーティストとして脱皮をはかります。ところが、コアなファンほど、この頃から暫くのデュランって、あまり評価が高くないんですよねえ(苦笑)。ちなみに私はこの曲が大好きです。いま聴いてもクールだなあと思います。小林克也さんのベストヒットUSAでこのビデオを観てものすごく痺れた思い出があります。思えば中期INXSも好きだったので、軽めだけどクールでダンサブルな16のギターカッティングが入ったポップスが好きな傾向だったのかもしれません。

てなわけで『ノトーリアス』は結構売れたんですが、これ以降、彼らは暫くチャート的に不遇の時代を迎えます。でもどっこいこのバンドはしぶとさも売りでして(笑)、またもやヒットを飛ばします。

それが4曲目、93年リリースの『オーディナリー・ワールド』です。
そしてざっとワープして現在のデュランです。15年にリリースされた現時点での最新アルバム『ペイパー・ゴッズ』が好評を博し、現在ツアーを回っています。
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今回の来日もこのツアーの日本公演となります。その中からシングルカットされた『プレッシャー・オフ(feat.ジャネール・モネイ)』をどうぞ。
初期の軽やかさと昨今のEDM風味とみんな大好きディスコティックの絶妙なブレンドがニクい一曲です。 ビデオにも登場しているのはシックのギタリストにして名プロデューサーのナイル・ロジャース。そう、今回の来日は日本武道館公演のみ、フィーチャリングでシックも演奏するのです!

いかがでしょうか。ざっと駆け足で彼らのキャリアをめぐりました。
実はタネ明かしをすると、この5曲は、現在のツアーのセットリストを参考にして組み立てました。つまり、来日公演で演奏される可能性が極めて高い5曲でもあるのです。

メンバーの加入や脱退を繰り返し、創作的にキツい時期はカバーアルバムでしのいでもみて、不遇の時代も乗り越えて要所要所でヒットも飛ばしてきました。
なんだかんだいってもコンスタントにアルバムを作り、デヴィッド・リンチにライブ映画を作ってもらったり、ダフト・パンク『ランダム・アクセス・メモリーズ』で再評価された前述のナイル・ロジャースや『アップタウン・ファンク』でその名を世界に轟かせたマーク・ロンソンをプロデューサー&ギタリストに迎えるなど、実はかなりタフにサバイブしてきたバンドなのです。

というわけで日本武道館はまだチケットも間に合うようですし、当日券も出るような気もしますので(保証はないので詳しくは調べてくださいね!(汗))、気になった方はぜひライブに足を運んでみては。ではまた!

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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