2016.04.19

クラシカルなグルーミングで「英国紳士の嗜み」を(前編)

バッドナイス店内写真
毎朝のヒゲ剃りを日課にしている方は多いと思いますが、「サッサと終わらせたい」と面倒なオペレーション扱いしていませんか? かつて、服装や髪型、ヒゲなどの“身だしなみ”を整えることは、英国紳士には欠かせない条件でした。グルーミングについて学び、日々のお手入れタイムを有意義なものに進化させましょう。

グルーミングとは?

ハサミ
グルーミング=Groomingを一言で訳すと「毛づくろい」。動物が舌で毛並みを整える、清潔にする行為が本来ですが、転じて「身だしなみ」も指すように。最近では肌のコンディション、髪ヒゲ眉毛の形をケアするだけでなく、体臭やムダ毛に留意することまで含みます。特に男性においてはヒゲのお手入れを意味する場合が多いです。

英国紳士と英国でのグルーミングの歴史

グルーミングアイテム
実はジェントルマンが自らヒゲを剃ることは稀だったそう。なぜなら、彼らは上流階級であり貴族。身の回りの世話は、執事や各専門家の仕事なわけです。のちに増えた、上層中流階級の世話人を持たない紳士たちですら、自分では剃りません。週に数回バーバーショップへ足を運び、プロの手によって美しく整えました。

中世ヨーロッパでは理容師が外科歯科医も兼ねていました。階級制度のあるイギリスにおいて職業として法定化されたのが15世紀。ちなみに、エリザベス1世の治世時、2週間以上放置したヒゲは“まともな生活をできていない証明”とされ、余計に税が課せられたとか。18世紀になると理容術と医術が明確に分離し、現在とほぼ変わらないスタイルに。ロンドンに現存する最古の理容店「トゥルーフィット・アンド・ヒル」は1805年に開店しています。

サインポール
バーバーの看板であるサインポール。由来には様々な説が存在します。切開した患部から血を抜く際、患者に握らせた赤い棒に包帯が巻きつく姿から、という説が有力なよう。さらに外科がそのまま赤白をシンボルにしたため、理容師は青も加えたとされています。ほかにはワーテルローの戦いで、野戦病院の柱に巻きつけられたフランス国旗が元ネタだとする説も。

英国理髪店の魅力

現在、ファッション業界を中心に世界中で注目されているヒゲですが、ブームの火付け役といわれているのがロンドンのバーバー「マードック」です。“ヴィクトリア朝時代の英国紳士が嗜んだグルーミングを現代風に”がコンセプトで、2006年に1号店をオープンさせると、瞬く間に8店舗まで拡大。一般的なヘアカット、シェービングだけでなく、ヒゲのみトリムするインスタント系やシャンプーからリシェイプ、スタイリングまでじっくりヒゲと向き合うメニューなど、シェービングに特化したサービスが支持を得ています。また、ヘアケアからスーツのコーディネイト、シューケアまで行うフルコースも話題となり、多くのバーバーに影響を及ぼしました。
チェッカーの床
日本でも英国の伝統を意識したサロンが人気です。例えば下北沢の有名店「バッドナイス」。約30年前“ロンドンにあるバーバー”をテーマにオープンしました。ユニフォームはシャツ×タイを基本とし、市松模様の床に並ぶ理容椅子はヴィンテージ。クラシックを貫くグルーミングの技術も抜群に評価が高く、遠方から通うゲストだって少なくないそう。


※後編では「バッドナイス」の理容師、平垣内さんに「プロのグルーミング術」と「家でできる快適シェービングのコツ」を教わります。
http://www.british-made.jp/stories/fashion/20160426006450

バッドナイス外観
<SHOP INFORMATION>
BAD-NICE 下北沢店
http://bad-nice.net/
東京都世田谷区北沢2-37-16林ビル1F
☎︎03-3465-5004
10:00〜21:00
カット&シェーブ4600円、シェーブ2100円
Text by S.Kanai / 金井 幸男

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