2016.10.28

THE AUTHENTIC UK vol.1 脈々と流れる、英国のオーセンティシティ

長年愛用してきた一着の、袖の部分に入った皺や自分の体に馴染んできたシルエット、生地の風合い……。そういった変化を目にするたびに、英国製のアウターはヴィンテージになる服なのだと、僕は思うんです。
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その代表格が、オイルドコート。日に何度か雨が降ったり止んだりするイギリスならではの気候に即した、とても実用的なこのアウターは、ヘビーユースに耐えうる生地と作り、そしてタイムレスなデザインを備えています。そういったひとつモノとしてのクオリティや厚みのある存在感があって初めて、服はヴィンテージになり得る。何度も着込んでなお、ヘタりやヨレにならず奥行きのある味わいとなって、その後さらに育てていくという楽しみを持ち主に教えてくれるというわけです。

そもそも僕自身がイギリスの文化に目覚めたのは、セックスピストルズをはじめとする70’s パンクとの出会いがきっかけでした。そこから視野が広がっていくわけですが、どのシーンのファッションを見ても、伝統的なイギリス紳士の着こなしのコードが根付いていて、そのコードに則ったうえでハズしを加えていたりするのがまたカッコいい。ネオモッズの青年たちが着ていた、ラベンハムのキルトジャケットなどがいい例です。それまで主流だったモッズコートに取って変わり、粋なモッズたちはラベンハム派へ。アイテムはオーセンティックだけど、スタイルは新しい。そんなセンスが何とも鮮烈で、僕の中でのラベンハムのイメージは、このモッズカルチャーとリンクしています。

そう、オーセンティックであることも、英国のアウターの大きな魅力。バックグラウンドにはモノとしての豊かなストーリーがある格式の高いアイテムが多いからこそ、今リアルに着こなすなら、自由な発想を大事にしたい。肩の力を抜いて、時には着こなしのコードを軽やかに飛び越えて、その持ち味を楽しみたいものです。


Text by スタイリスト 丸山 晃
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丸山 晃さん

1977年、長野県生まれ。スタイリスト馬場圭介氏に師事し、2007年に独立。雑誌やCM、ミュージシャンやタレント等のスタイリングを手掛けている。

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