2017.05.17

イギリスの名門タンナーが生み出すブリティッシュコードバン

20170516_IMG_0250_2 工場の外観
ジョセフチーニーやグレンロイヤルのコードバンコレクションに使用されているブリティッシュコードバンを生み出しているイギリスの老舗タンナー・クレイトンを訪ねた。

ロンドンのセントパンレス駅から約2時間電車で北上すると着くチェスターフィールド。
この街にイギリスの名門タンナー・クレイトンはある。
街の象徴はセント・メアリー・アンド・オール・セインツ教会。特徴はねじれた尖塔。この美しくねじれた塔の先端は工場からもよく見える。
セント・メアリー・アンド・オール・セインツ教会セント・メアリー・アンド・オール・セインツ教会
イギリスで175年以上の歴史を重ねてきたクレイトン社。
現在はクレイトンレザーグループとなっており、その中にクレイトン、セドウィック、ウィリアムクラーク、サミュエルシャープと4つのタンナーが所属している。
クレイトンスタッフ
クレイトンには現在26人のスタッフがおり、平均年齢は42歳。
主に皮から革に鞣す(なめす)作業が行われており、鞣す原皮は大きく分けて牛、バッファロー、馬の3種類。
鞣したレザー アルミニウムで鞣されたレザーは白くなる(ベジタブルタンニンは茶、クロムは青)
鞣す方法も大きく分けるとベジタブルタンニング、クロム、アルミニウムの3種類だが、それらを混合して鞣す方法もあり、500種類を超える革を生産している。
原皮 塩漬けされ輸送されてきた原皮
その中でも一際希少性が高い革がコードバン。
コードバンはそもそもの原皮が希少であり、さらに鞣すのが難しく、生産に長い時間を必要とするため、現在世界でも数社しか鞣していない革である。
クレイトンではコードバンの原皮に北米とヨーロッパ産のものを使用している。
コードバン層 中央の薄い層がコードバン層
馬の臀部の分厚い皮に守られたコードバン層を丁寧に削り出し、膨大な手間をかけて仕上げられた革がコードバン。その工程が宝石採掘のようであることと、繊維が大変緻密で高い強度を持つことから革の宝石とも称されている。もともと馬一頭から採れる量が靴1足分程度というごくわずかな量であり、近年では原皮用の馬の生産量が低下していることも希少性に拍車をかけている。
ベジタブルタンニン 鞣し剤として使われる樹皮の粉
コードバンの原皮はベジタブルタンニングという方法で鞣していく。 チェスナット、ミモザ、ケブラッチョといった自然植物の樹皮が使われている。
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ピット槽と呼ばれるタンニンを含む溶液が入った槽に皮を浸し、革に変化させていく。 濃度が違うピット層に何度も漬け込み、時間をかけて鞣していく。
20170516_IMG_0441 鞣し工程を経て染色前のコードバン
クレイトンは、ブライドルレザーのタンナーとして広く知られているが、ヨーロッパで何世紀も昔から行われてきた伝統的な工程を継承し、全ての工程を現在でも手作業で行うことで、コードバンにおいてもクオリティの高さを誇っている。
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工場の長い歴史の中で420ものピット層を構え、100名のスタッフが従事していた時代もあれば、火災によって工場が燃えてしまうという災難に見舞われた時代もある。しかし、常に変化に対応し続け、作られてきた革は工業用革、靴、鞄、馬具、クリケットボール、ファッションアクセサリー、首輪、アーチェリー用品、楽器、インテリア用品等、実に多種多様に及ぶ。そんなタンナーが新たな挑戦として生産するブリティッシュコードバンの新たな可能性に、世界中が注目している。

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Text by BRITISH MADE

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