2014.10.14

Short story of tea ほっこりスパイシー ~マサラチャイの話~

本場ではチャイにスパイスという意味のマサラをつけてマサラチャイといいます。

「Cafe nt」も参加している、年4回ほど西荻窪で開催されている西荻「夕市」。
次回のテーマ「カレーとピクニック」に向けて弊店では夕市限定メニューとして、マサラチャイとサンドイッチの販売を計画中です。 そこで今回は僕が以前アルバイトしていたスタ?バックスでも見かける、意外と身近な「チャイ」についてお話ししたいと思います。

そもそもこのチャイというのはヒンディー語、ロシア語、ペルシア語、トルコ語などで茶を意味する言葉で、日本などではチャイと注文すると甘くスパイシーなミルクティーのイメージですが、本場のインドなどでチャイと注文するとミルクで煮だした甘い紅茶が出て来て特にスパイスの味はしないものが多いです。 それでは、日本で飲まれているイメージのお茶はなんて注文すればいいかというと、チャイにスパイスという意味のマサラをつけてマサラチャイといいます。

チャイティーラテスパイスを感じるスターバックスのチャイティーラテ。

チャイ発祥については主に、中国起源説・イギリス発祥説の2説があるそうです。

1.中国起源説
チャイの歴史をたどると中国に行き着きます。お茶の発祥地である中国は、今はお茶に何も加えずに飲みますが、昔はネギや生姜を入れて煎じて飲んでいたという説があります。今のチャイとはまったく別ものです。それがチベットを経てインドに伝わり、これが原型となりチャイへと進化したものと考えられます。

2.イギリス貿易発祥説
もう一つにはイギリスがインド植民地化して以来始まったという説です。イギリスは昔、インドで紅茶を栽培しそれをヨーロッパなどで高く売ることで利益をあげていました。当時良質の紅茶はヨーロッパへ、それ以外のものがインドで売られていました。くず茶はあまりにも苦く、ミルクを入れないと飲めるものではなかったそうです。安い茶葉しか手に入らないインドの庶民が、安い茶葉でもおいしく飲む方法として考えられた飲み物がチャイと言われています。
水とミルクで煮込んでしっかりと茶液を抽出した後、たっぷりと砂糖を加えて味付け。より美味しく衛生的に水分や栄養を摂るために、こうした飲み方が考えられたということです。だから、あんなにどっしりとした風味を楽しめるのですね。
さらにチャイとは、茶=チャがなまったもので、そのルーツは中国・雲南省あたりに辿ることができます。つまり、中国で生まれた“チャ=cha”が、チベットを経由してインドにたどり着いたときチャイという名前になったわけです。通常チャイとは、チャイ=煮出したミルクティーのことをさしていますが、国によってはミルクをいれないチャイというのもありまして、茶の伝わった地域の事情によってさまざま飲み方があるようです。

チャイは東南アジア地域から中東、アフリカはモロッコ、トルコまで広く飲まれていますが、主流はやはりインド・ネパール・スリランカの西アジアです。インドでは長距離列車に乗ると片手に大きなヤカン、片手に素焼きの茶碗を入れたバケツを持ってチャイを売りにきます。町中いたるところでチャイを飲むことができるといいます。いろいろな香辛料を混ぜて粉末にしてあり、ミルクに砂糖とお茶を入れて煮込めばすぐに飲めるように準備されています。コップの底にはジャリジャリと粉がいっぱい残るそうです。インド・ネパール人にとってはチャイは生活の一部で1日に6~7杯位飲むのは普通のことのようです。

ちなみにミルクティーとチャイの違いは、前者が「お湯に茶葉を入れて紅茶を作りそこに後からミルクを足す」のに対して、後者が「水とミルクに茶葉を入れて煮込む」という作り方をするという点です。

チャイインドカレー店でもよく見かけるチャイ。

以上のような、文化と歴史をもつチャイ。因みにこのマサラチャイの方もスパイスの種類や配合、ミルク、砂糖分量など地域や家庭で様々なバリエーションがあり冒頭でも言ったように次回の夕市に向けてウチのお店オリジナルのマサラチャイを鋭意製作中です。
ベースにしようと思っているレシピを以下に掲載しますので、皆様も色々アレンジして、これからのシーズン体も温まるマサラチャイでほっこりしてみてはいかがでしょうか。



マサラチャイレシピ

材料
水:200cc
紅茶(茶葉):大さじ山盛り1
生姜すりおろし:小さじ2程度~(たっぷりめがおいしいです)
砂糖:好みの量
塩:ひとつまみ
牛乳:800cc
スパイス
・シナモンスティック:1/3本
・ブラックペッパー:小さじ1/2
・クローブ:5本程度
・カルダモン:5個ぐらい
・ジンジャーパウダー:小さじ1/2
・スターアニス(八角):3個ぐらい

仕上げ用
・パウダースパイス(小さじ1~好みで)
・紅茶(小さじ1~好みで)

※パウダースパイス配合比
シナモン=3、カルダモン=2、ブラックペッパー=2、クローブ=2、ナツメグ=0.5
材料をすべてミルサーにかけて細かいパウダー状にします。

作り方
1・スパイスを用意する。カルダモンは包丁の側面でつぶして香りを出やすくしておく。
2・鍋にお湯を沸かし、紅茶、スパイス、おろし生姜をいれて煮詰める。
  かなりしっかりとした紅茶の色が出るまで(2~3分)。
3・牛乳をいれてさらに煮込む(5分~10分)。
  煮込んでいると色が濃くなるので、色で煮込み具合を覚え一つの目安にするとよい
4・砂糖と塩をいれて一煮立ちさせて火から下ろす。
5・仕上げ用のスパイスと紅茶をいれて蓋をし、2~3分蒸らす。
  この一手間でより香り高いチャイに。
6・茶こしで濾しながら器に注いで出来あがり。



2014.10.15
Text by T.Nogami

plofile
野上富巨

野上富巨

紅茶のカフェ「nt(ニト)」店主。幼い頃から紅茶が好きで、様々な飲食業を経て2013年3月紅茶のカフェ「nt(ニト)」を東京西荻窪で開業。日本紅茶協会認定ティーアドバイザー。

Cafe nt(ニト)
東京、田園都市線駒沢大学駅より徒歩3分。
紅茶がメインのカフェです。日常に紅茶を…カジュアルにポップに楽しんでほしい、そんな思いから2013年3月に西荻窪でオープンしました。
沢山の笑顔が自然と集まるそんなほっこりとした場所を目指しています。
十数種類の紅茶、そして数種類のスコーンやご飯などのメニューでお迎え、お近くにお越しの際には是非足を運んでみて下さい。
イベントスペースとしてのご利用も大歓迎、お気軽にご連絡下さい。
https://www.facebook.com/NtNito

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