2015.05.01

イアンがお届けするBritish food 私の家族と私が料理を始めたわけ

祖母は素晴らしい料理人で、薪を使った鋳鉄製オーブン(AGAオーブン)で料理をする彼女を見ているのが、大好きな思い出です。

前回のブリストル編に続いて今回は私の家族と生まれた村「デヴォン」についてお届けします。
母と父は、イギリス・ブリストルの西部に位置するデヴォンのとても小さな村に育ちました。そこは農業が盛んな田舎町で、父の家族は酪農家で約100頭の乳牛を育て、牛乳を生産していました。
兄と私は、学校が休みになると祖父母や叔父や愛犬のボンゾ!とともに農場で過ごしていました。なかでも、私たちが農場に滞在中に生まれた愛犬ボンゾと祖父は、私たちが農場に滞在している間いつも一緒でした。

私とボンゾ、兄(1970年代に流行したベルボトムで!)
父と母
祖母は素晴らしい料理人で、薪を使った鋳鉄製オーブン(AGAオーブン)で料理をする祖母を見ているのが、大好きでした。AGAオーブンが常に点火していたため、こじんまりとした台所は家の中で一番暖かい場所となっていて、とても居心地が良い空間でした。
AGAオーブン(wikipedia)とは。

Swan&Lionのミートパイ

農場での1日はまず、早朝の乳しぼりを終えると朝食の時間。朝食はいつも英国式ブレックファーストでした。目玉焼きにベーコン、フライドポテト、フライパンで揚げ焼きしたパンも並んでました。昼食はパン、チーズ、ハム、サラダ、ゆで卵と農園の野菜から作る自家製のチャツネとピクルスと軽食です。

午後4時頃になると、2度目の乳しぼりの前に、みんなでアフタヌーンティーです。サンドイッチ、ケーキと私のお気に入りの新鮮なクロテッド・クリームと自家製ジャムをのせたパンをいただきます。クロテッド・クリームは祖母が農場の牛乳から毎日手作りしていました。 続いて夕食の時間です。サパー(夕食)と呼んでいたものは肉と野菜が中心でした。そして、決まって日曜日の昼食は、誰もが楽しみなロースト料理でした。

農園での食生活は、ビーフ、ポーク、チキンやラムをメインに、自家農園又は隣人の農園から提供された新鮮でおいしいものでした。スーパーマーケットへ行くこともほとんどなく、ローカルな材料を使用した正真正銘の家庭料理は伝統的な英国のスタイルでもあります。ここで私は、幼少時に旬の素材で地産地消の利点を享受されました。とても幸福な農場での日々こそSwan&Lionの重要な原則に他なりません。

フルイングリッシュブレックファースト。卵、ベーコン、ソーセージ、マッシュルーム、ミニトマト。
こちらはBRITISH MADE スタッフが出張時に食べた、ホテルのフルイングリッシュブレックファースト。

そんな私の料理の基礎能力は、台所で手伝いながら学んだものです。時には、学校の宿題を逃れるためでしたが(笑)。母はペーストリー(小麦粉を練ってつくるパイ類やパン類)作りが得意で、彼女が美味しいペーストリー作りの基礎を全て教えてくれました。母も良い料理人でした。

10代の頃から料理について興味を抱きはじめ、旅行や仕事で両親達が不在になると親友のナイジェとベンと家に集合しては料理して遊んでいました。 そんな時の食事はいつもシンプルではありましたが、友人達との料理は楽しいものでした。何度も失敗しながらも良く笑ったものです。

20歳の時にブリストルを離れ、法律学の勉強のためにマンチェスターに行った後も引き続き料理を続けました。その頃は、伝統的な英国料理から離れてインド料理やイタリア料理、メキシコ料理などのもっとエキゾチックな料理に関心がありました。
東南アジア諸国(タイ王国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン)とオーストラリアで大学卒業後の1年を過ごし本当の世界の食べ物を発見できました。アジア各地のストリート・フード体験で自身の目が開花しシドニーの多種多様な文化の中に住むことで世界の様々な地域の食を体験できました。

オーストラリア旅行からロンドンへと戻り、弁護士として2年間働き司法資格を取得しました。しかし、心はまだオーストラリアにありシドニーへの移住を決意します。オーストラリアの映画、テレビ業界でエンターテイメント専門弁護士として働くと同時に映画祭や映画マーケットの仕事を通じ、カンヌ国際映画祭やベルリン、ミラノ、香港、ロサンゼルスなどへ旅行ができるようになりました。

オーストラリアでは、幸運なことに広い庭があったため、独自に菜園で野菜を育てることができました。その経験から農作物が最も豊富に収穫でき、旬の美味しい時期に加工・製造することの大切さと、その味わいを1年を通していつでも楽しみ味わうことができる果実や野菜の保存方法に目覚めイングリッシュ・チャツネやピクルスやジャム作りを始めました。

姪とプラムジャム作り。Pibsburyにて

BRITISH MARKETで販売していたチャツネとジャム

その後、東京へと移住し日本の生産物を使いチャツネとピクルスを製造し続けることを決意。 2013年にSwan&Lionを設立、六本木のアークヒルズ・マルシェでの販売をスタート。Swan&Lion最初の製品は、チャツネ、ピクルス、ピカリリ、レリッシュ、オニオン・ジャムとマーマレードの英国の伝統製法に習った保存食品でした。

できるだけ日本の旬の食材のみを使用し、素材の味を生かす調理法を日々考案しています。


2015.5.1
Text by IAN Gibbins

plofile
イアン・ギビンス

イアン・ギビンス

イギリス西部の街ブリストル生まれ。10代の頃、母親の影響から料理に関心を持つ。ロンドンで弁護士として働いたのちオーストラリアへ移住。オーストラリアで自家製の果実や野菜の保存術に目覚め、イングリッシュ・チャツネやピクルスやジャム作りを始める。

Swan & Lion

イギリス人オーナー・イアンが手作りでお届けする色とりどりのチャツネやオニオンジャムやピカリリが並ぶSwan & Lionでは、香料や添加物、防腐剤を一切使用せず、野菜やフルーツ本来の風味を活かした贅沢な味わいの商品です。全ての商品が、日本の旬の食材を使い、英国伝統の製法で生み出されています。その中でも今年ヒットした「すだちクリームのニンジンケーキ」は、まさに日本とイギリスの融合!

そして、今年メディアも注目されているのがミートパイ。特に「ローストチキンパイ」はTVでも紹介されマルシェではとても人気です!サクサクの生地の中からは、ジューシーなローストチキンに日本のエリンギとシメジを使ったクリーミーでまろやかな味わいに。
新しいフレーバーや新商品も季節によって続々と登場します。素材本来の風味をぜひお楽しみください。
Swan & Lionの商品は、現在都内各地のファーマーズ・マーケットにて販売中です。----青山ファーマーズ・マーケット、中央区勝どき太陽マルシェ、赤坂アークヒルズ・マルシェ(六本木1丁目)、ワテラスマルシェお茶の水、その他のスペシャルイベントなど。店舗では、ナショナル麻布マーケット(広尾)で販売中。2015年にはキッチンとショップを完備したSwan & Lion Cafeを計画中です。これからも温かみのあるイギリスの伝統的な料理を、みなさまに笑顔でお届けいたします。

facebook.com/SwanLionTokyo

イアン・ギビンスさんの
記事一覧はこちら

RECOMMEND