2017.03.14

Food For Thought 気軽にいける美味しい隠れ家的、お洒落スポット『PRIMEUR』

出張や観光で、ロンドンに来て週末何処か軽く友人や同僚と会って、気軽に食事やワインを楽しみたいけど結構予約が取りにくいという話を良く聞く。昔みたいなロンドンは食後進国というレッテルはもはや存在しないので当然の状態ではあるが‥‥。週末に行ける手頃で美味しくて、お洒落なレストランを探すのは簡単そうで、結構難しいのも事実。『PRIMEUR』は、まさしくその全てのハードルを超えているレストラン。
カーガレージを改装したオープンスペースで、ネオインダストリアルでミニマムな内装と楢のコミューナルテーブル(テーブルの相席)を主体にしたモダンヨーロピアンレストラン。人気で慌ただしいエンジェルやストークニューイントンから15分ぐらい離れた皆がハイドアウト(隠れ家)として使う存在。ロンドンの有名レストラン、『HIX』『Bistroteque』『The Wright Brothers』等でキャリアを積み、快適なスペースとゆっくりした雰囲気、『Savoy Grill』で使用されていた1930年代製の椅子を使うなどセンスが良く、ワインのセレクションも多くは無いがエクレクティックな品揃え。

そのセンスがそのまま料理にも反映されている。『En Primeur – アン・プリムール』がレストランの名前の由来。アン・プリムールとは、瓶詰され市場で売り出される前のワインを購入する取引(先物取引)の事を言う。将来的に良いワインに変化を遂げて行く夢と信念、そして経験による判断力で勝負をするらしく、その精神を顧客にも解ってもらいたいと思って名付けた名前らしい。
住宅街にあり、歩いていて見つかるような場所には無い。あまりプロモーションも皆無に近いが、必然と知る人は知る場所になっている。イタリアン/フレンチスタイルをアクセントに、イギリスの季節感のある素材を使用。ワインもインディペンデントのサプライヤーから尚且つあまり人間の手を加えていない自然に近いワインを選び、種類こそは少ないがその都度新しい種のワインとの出会いを楽しめる。

僕もかなりお気に入りで、頻繁に行くレストランの一つである。今回も、実は昼と夜両方とも行くなど、最も安心できて信頼できるレストランの一つである。あまり多くの人には知って欲しく無いと内心思っている場所です。(写真が昼と夜で混ざっているのは、勘弁してください!)
20170314_primeur_outside 旧ガレージのサインが見える
20170314_primeur_inside2 コミューナルテーブル
20170314_primeur_inside ネオインダストリアルな照明
料理は、基本的にスモールディッシュで構成されている。興味のある小皿を頼み、それでもお腹が空いていれば、ランプステーキやレモンソールのソテーなどをメインのがっしりした一品をオーダーするシステム。約11〜12種類の単品から選び、ワインはその都度仕入れにより変わる。ハンガリー産の白ワイン『Tokaji』やシリア産の赤ワイン『Bargylus』を初めて飲んだのもここだったと思う。今やお気に入りのワインだ。
20170314_primeur_food1 イカ、レモン&ケイパーの蒸し煮。甘酸っぱい酸味と蒸し煮された柔らかいイカがワインに合う一品。
20170314_primeur_food2 サーディーン、ブラックオリーブ&ケイパーのソテー。南イタリアのシシリア料理のブラックオリーブ詰めのサーディーンを思い出す一品。
20170314_primeur_food3 パンプキン、マッシュルーム、パルメジャーノチーズとカリカリに揚げたセージにパンプキンのリダクション(凝縮)された南瓜のピューレソース。
20170314_primeur_food4 ピーナッツ&キャラメルを塗したチョコーレートポット。ギルティープレジャー的な(罪悪感を覚えさせる)、ピーナッツバターを瓶ごと食べている様な濃厚さとスムーズなチョコレートポットとの相性が抜群。
ワイン Dolcetto D’Alba DOC 2014、手頃で美味しい安定感のあるワイン
20170314_primeur_food5 猪ソーセージ、蕪とレンズ豆。臭みは無く、野生肉類は冬に食べる事が多い。シチューの様に長い時間煮詰めた旨味のつまった一品。
20170314_primeur_food6 ヘイク(白身魚)、バターソース、ラッテポテト。ラッテポテトは、育つ土壌の関係でよりナッティー(ナッツ風味の強い)なフレイバーを持つ今が季節のジャガイモ。
ワインセラー 地下のワインセラー
料理だけでなく、店内も可愛らしい。素材をイギリスの市場やパリの南部にあるランギス市場から厳選しており、新鮮な素材をコンテンポラリーなツイストとプレゼンで組み合わせをしているのが特徴だと思う。オーナー2人は、合わせて約30年以上レストランで勤めて来た経験がある。その経験と自分達のポリシーが全てに表れている。
手頃な値段とこのクオリティー、喧騒から離れた場所にありながら、心地よいスペース。隠れファンが多いと言うのも頷ける。『HARPERS BAZZAR UK』や『ANOTHER MAGAZINE』等のファッション雑誌でもレビューされたりと、イースト&ノースロンドンを拠点にするクリエイティブ層にファンが多い。席数も40席とあまり大きくは無いので、あまり混むレストランでは無いが、念の為に行く時は是非事前予約を。

PRIMEUR
住所:116 Petherton Road, N5 2RT
TEL:+44 (0)20 7226 5271
http://primeurn5.co.uk/
営業日/時間:
月曜日 定休日
火曜日〜木曜日 17:00〜22:30
金曜日〜土曜日 12:00〜22:30
日曜日 12:00 – 17:00
最寄り駅:オーバーグラウンド Canonbury駅から徒歩5分程
instagram
Text&Photo by Tatsuo Hino

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日野 達雄

日野達雄

英国在住歴16年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。

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