2017.05.04

バス、ときどき地下鉄~英国ヴィンテージな旅へ パブへ行こう!食事にデザートに、コーヒー1杯でも。

3月下旬から4月半ばまで買い付け出張に行ってきました。今回もAirbnbを利用してロンドンに3週間滞在。昨年の「料理の楽しさ」に続き、今年新たに発見したことは「パブの楽しみ方」でした。

私は大のイギリス好きですが、イギリス通かというとそうでもありません。初めての渡英からずいぶん時間も経っているのですが、「こんなことも知らないの?」と思われることも多々あります。イギリス通の皆さんにとって当たり前のことも、今の自分にとって新鮮な発見としてお話したいと思います。「なるほど、そんな見方もあるんだね!」と思っていただけたらうれしいです。

今回はそんなイギリスを象徴する一つ「パブ」についてのお話です。

「パブ=お酒を飲むところ」、自分にはご縁がないと思っていたけれど

私はアルコールをほとんど飲みません。もともとお酒に弱いのです。それでも社会人になりたての20代の頃は、仕事帰りに飲みに行くことが結構ありました。しかも歓送迎会みたいな場となれば、飲めなくてもせめて1杯くらい飲むのが礼儀、というような時代です。30代後半になり開き直り、とにかく飲みの場では料理を食べることにしました。ウーロン茶だけ飲みながら。

そんなアルコール経験が影響していたのでしょう。イギリスのパブにも漠然とした苦手意識がありました。そのため私がこれまでパブに行ったのはたった一度だけ。知人にランチしましょうと誘われて、連れて行っていただいた先はピカデリー近くのパブ。私がオーダーしたのはフィッシュ&チップスでした。ただ、周りは昼間からアルコールを飲む人ばかり。

このとき、私はパブで普通に食事をしていたのに、やはり「パブ=お酒を飲むところ」という思い込みが激しく、それ以降も一度も行こうとは思いませんでした。なのに妻は、ことあるごとに「パブにランチ食べに行こう!」とずっと言ってまして。妻は私以上にお酒はダメなのに、なんで言い続けるのか分からないまま、曖昧な返事をしながらのらりくらりとしていたのです。

そして迎えた今回の出張。またしても妻はパブで食事しようと言って来たわけです。それならば、と私も今度ばかりは妻の言葉を受け、「じゃ、行ってみよう」ということになりました。

すると・・・手のひらを返したように印象が変わってしまったのです!
皆さん、パブにはぜひ行きましょう!(笑)
20170506_kidney 伝統的なイギリス料理も楽しめるパブ。「Steak and Kidney Pudding」を夕食に

飲まなくても楽しい、パブの楽しみ方

今回のイギリスではパブに5回も行きました。これまで10回くらいの渡英で、1回しか行っていないのに。食事とデザートを食べに、同じお店に合計3回。そして軽食で別の2店に。どのパブも滞在したAirbnbか最寄り駅近くにあるところです。

行って発見したことは、その時のおなかの空き具合に合わせて、どんなメニューでも選べる便利さだったのです。

パブでは食事もできる。
しっかりでも少しでも、好きな量を食べられる。
デザートでも、飲み物だけでももちろんOK。

さらに・・・

前払いだからチップは不要。だから気を遣わない。
オーダーを取りにも来ないから、のんびり長居できる。
いつ行っても人がいて、ほどよくにぎやかで安心。
20170506_drink ある日、食事とともに頼んだのカプチーノと、オレンジジュース。真鍮のテーブルナンバーが角に。食事を頼む時にこの番号を言うと持って来てくれました

家族の憩いの場所、それもパブ

パブに行って初めて知りました。お昼の時間帯にはランチを食べに来る人が多くて、それも家族連れ、お子さんも一緒のケースも結構見ました。週末になるとその傾向は更に高まり、これはもう日本のファミレス状態。そしてその需要にきちんと応えるかのように、店舗の規模にもよりますが、ドリンクのオーダースペースからやや離れたところに、区切られた感じで落ち着いて食事ができるスペースがあります。私達夫婦はこのスペースで食事をしていました。

パブでなくても、私たちにはファーストフードや軽食のレストランという選択肢もありました。けれど、今回最初に行ったパブの居心地がとても良かったのでしょう。まるでオセロの黒が一気に白に変わってしまったようにイメージがガラリと変わりました。思い込みが激しいのも困りモノですね。

実は今回行ったパブはいずれもセントラルからは電車で20分くらい離れた街にあります。もしかすると私たちが出会ったピースフルな光景は、そんな土地柄も関係していたかもしれません。そして何と言ってもリーズナブル。これも大きな魅力でした。
20170506_paffe となりの老夫婦が食後のデザートに頼んでいたパフェ「Knickerbocker Glory」を注文。そのボリュームに満面の笑み!でもカロリーは796kcal

私たちが行ったパブと食事

「The Red Lion & Pineapple」
最初に泊まったActon(アクトン)という街で見つけました。Acton Townという地下鉄の駅から歩いて7~8分くらいのところに。店内は結構広く、昼間から来る人が絶えません。中央のドリンクを作るエリア周りにお酒を飲む人が集まります。そして奥に食事をゆっくり楽しめるスペース。ファミリーが集まります。

店内はダークブラウンの木で造られた椅子やテーブルが置かれ、テーブルには必ずブラスのテーブルナンバーがついてます(これがカッコイイ!)。壁にはアンティーク調のランプが点いていて、とても落ち着いた雰囲気です。そしてイギリス陶器「Burleigh(バーレイ)」などの青い花柄プレートを使っているところがとてもお洒落。そしてメニューを見るとすべての料理にカロリー表記。これは驚きです。
20170506_stickey これもイギリスの伝統菓子「Sticky Toffee Pudding」
ここにいる人達の様子が実に様々で。

・ボックス席で行儀よくディナーを楽しんだあと、しっかりパフェも頼んだ老夫妻
・仕事帰りにビールを一杯、静かに新聞を楽しむスーツ姿の若い男性
・誕生日パーティーに、巨大なケーキを持ち込んで3テーブル分の席を占領する家族連れ
・チップス(ポテトフライ)を2倍頼んでおいて、1人分残していった屈強な男性

見ていてとても楽しい光景です。
20170506_bagle Avocado, Salmon & Cream Cheese Bagel
私が今回の滞在で、初めてパブで夕食をとった日は少し軽めに食べたくて、ベーグルを選びました。チップス(ポテトフライ)のつけあわせもあって量的に丁度よく、大好きなアボカド入りのベーグルサンドはルッコラの香りもよくて、好印象でした。パニーニやサンドイッチ、それに日替わりスープのパン添えなど、「少しだけ食べたいんだけど・・・」という時に気軽に頼めるメニューもいろいろありました。
20170506_breakfast All-day Breakfast
イギリスの朝食「イングリッシュブレックファースト」はとても有名ですが、その朝食を一日中提供しているパブも多いようです。私のベーグルに対して、妻はしっかり食べたいとこれを注文。目玉焼き、ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ、トーストはなくてチップスが添えてありました。ベイクドビーンズとはトマト味で煮込んだ甘い豆で、缶詰はどのスーパーでも必ずおいてある国民食です。
妻は滞在中、この「朝食」を午後に3回食べていました。よほど好きなんだなとびっくりしました。
20170506_chill Chilli Con Carne
もはや日本でもポピュラーですね。ひき肉と玉ねぎ、トマト、チリパウダー、いんげん豆を煮たピリ辛料理。妻が涙を流さんばかりに喜んで食べていました。聞くと、大学時代に大好きなパブランチだったので、食欲がなかったけどおいしく食べられたとか。
20170406_apple Apple Crumble with Custard
イギリスのパブではデザートやお茶も楽しめます!しかも自分にとって斬新だったのは「あたたかいデザート」。
これがいわゆる “イギリスの母の味”なのかと思うような、素朴なあたたかいデザートに今回病みつきになりました。
アップルクランブルとは小麦粉とバターと砂糖をポロポロにしたものを、煮たりんごにトッピングしてオーブン焼きにしたものだそうです。たっぷりのあつあつカスタードクリームがかかって出てきました。玉子の風味が甘すぎずとても美味しかったのです。デザートをスプーンですくって、ふうふうと冷ましながら食べるのは初めての経験でした。

「The Tabard」
Acton(アクトン)の南、Chiswick(チズィック)という街にある地下鉄Turnham Green(ターナムグリーン)駅にほど近いパブです。午後3時過ぎに行ったところ、数人の先客。でも皆ひとりで来ているようで、静かな雰囲気でした。私たちが食事を終えて、店を出て行こうとする頃、10人くらいのグループが来て一気ににぎやかになりました。
20170506_potato Jacket Potato with BBQ Pork
「ジャケットポテト」は、皮がカリッとするまでオーブンで焼いた大きなじゃがいもに切り目を入れて、トッピングがかかった食べ物です。
「ベイクドポテト」がいわゆる一般的な名前なのですが、イギリスではポテトの皮を「ジャケット」に見立てて「ジャケットポテト」という名前だそうです。なんともイギリスらしい!
バターのみ、チーズ、ツナマヨ、コールスロー、チリコンカルネ、ベイクドビーンズなどが定番的ですが、このパブで選んだバーベキューソース味の豚肉トッピングはとても美味でした。奥は妻の2度目のイングリッシュブレックファースト。

「The Milford Arms」
Isleworth(アイズルワース)というロンドンの西にある街にあるパブです。調べるとここの建物は泊まれる場所のようでした。まだ明るい夕方に行ったところ、お酒を飲んでいる男性が数人という感じでした。店内には音楽がかかっていましたが、時間が経つにつれ人も集まってきて、やや場があたたまったのか、曲と共に歌声が!ちょっと調子っぱずれでしたが。(笑)
20170506_barger 6oz Beef Berger with Coleslaw and Chips
私は知りませんでしたが、ナイフとフォークで食べるハンバーガーもイギリスらしい食事なのですね。網焼きのビーフハンバーガーは、さすが牛肉の味がちがう!と驚くおいしさでしたが、つけあわせのチップスやコールスローはやや少なめです。でも、ブルーのバケツ型の器がとてもお洒落。手前は2度目のアップルクランブル。もちろんカスタードクリーム添え。すっかりハマっています。

「パブはアルコールを飲むところ」という見方を変えて、「パブは食事やお茶をするところ」となった時、イギリスのパブが一気に魅力的な場所となった今回の旅。掲載した画像だけを見ると「本当にパブ?」というものばかりかもしれませんね。

私にとっては「パブ=街の定食屋」的な存在、あるいは「パブ=ゆったりと寛げるカフェ」のような“大切な場所”になったことは間違いありません。

皆さん、ぜひパブで食事やお茶を楽しんでください!

■ お知らせ

昨年11月に続き、来る5月28日(日)開催の「BRITISH COLLECTORS MARKET」に出展させていただくことになりました。

BRITISH COLLECTORS MARKET 2
日程:5月28日(日)12:00~19:00
会場:BRITISH MADE 青山本店/隣接ショールーム
東京都港区南青山5-14-2 Kizunaビル1, 2F

メンズ・レディースファッション小物、ステーショナリー、乗り物系、その他。今回も私たちがこだわってセレクトした“よりイギリスを感じさせる雑貨”をご紹介いたします。そして今回のマーケットでは美味しいモノにもたくさん出会えるとのこと。食べながら飲みながら、ぜひ皆さんのイギリスへの思いをお聞かせください。
お会いできることを心より楽しみにしております。

Text&Photo by Toshihiko Tomizawa

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富澤利彦

富澤利彦

靴・服好きが高じ30代に初めて渡英。以来、会社員時代はずっとブリティッシュスタイル。ファッションから広告・雑貨にも興味は広がり、2016年から妻が始めた「Antiques Harmonics」に本格的に参加。新旧の英国モノを毎日楽しむ日々を過ごしています。

Antiques Harmonics
(アンティークス・ハーモニクス)

いつものファッションを“背伸びしないで新鮮に変える”Men’s/Ladies’アクセサリーをはじめ、企業ノベルテイ、ステーショナリー、レアな鉄道・Royal Mailグッズまで幅広くセレクト。「イギリスらしい/デザイン性がある/くすっと笑える」そんなココロを豊かに満たしてくれるアイテムたちを探し当てては、マーケットや蚤の市、イベントで販売しています。皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
http://aharmonics.exblog.jp/

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