2017.08.09

Food For Thought カルチャーと憩いの場『BARBICAN KITCHEN』

今回紹介するイギリス・ロンドンの『食』は、多様なサブカルチャー(主に音楽、アート、パフォーマンスアート、映画等)を推進する複合文化施設『BARBICAN(バービカン)』内にある食堂的なレストラン。
バービカンは、1950年代から流行った建築ムーブメント、ブルータリズム建築として知られる代表的な建物である。冷酷で、荒々しく、打ちっ放しのコンクリートで知られるこの建築方法は、第二次世界大戦後、数々の建物が崩壊されたヨーロッパ各国で、早く且つ、コストがあまりかからない街の再建方法として用いられた建築様式である。一時期、醜悪だと世論からバッシングを受けてきた経緯もありながらも、歴史的な建築物としての重要性、日曜日だけ一般公開される都会のオアシス的なシークレットガーデンなど、アーバンライフを楽しむクリエイティブ層には人気の住宅施設として今は存在する。
20170809_outside ブルータリズムの語源は、フランス語の「béton brut(打ちっ放しコンクリート)」らしい。
20170809_livespace バービカン敷居内での住宅フラット。バービカンライフに憧れる人は多い。
20170809_nakaniwa バービカンの中庭
20170809_kitchenoutdoor この日も、キャンティーンのアウトドアスペースで夏日を楽しむ人達で賑わう
ブルータリズムの考えは、モダニズムとミニマリズムと組み合わさり、現代建築に大きな影響を与えているだけでなく、特にバービカンは複合施設として様々なサブカルチャーを推進するその姿勢にもファンが多い理由の一つである。
最近まで、第二次世界大戦後の日本建築に焦点を当てた『The Japanese House: Architecture and Life after 1945』、数年前には『Future Beauty: 30 years of Japanese Fashion』等の展覧会を開催したりと、日本文化への造詣も非常に深く、カルチャーとネイチャーを楽しむには、お薦めの場所だ。
見所が多いので、小腹が空いたら一階にあるキャンティーンスタイルの『BARBICAN KITCHEN』へ。リーズナブルな価格でホットフード&コールドフードを選ぶセルフサービス方式で、自分が好きな野菜を選び、メインを1つ選ぶスタイル。おまけに、大人と同伴の子供は、無料で食べられるというのも嬉しいサービスである。
20170809_kitchen 20170809_inside かなりゆったりとしたスペース。
20170809_coldfood 野菜3種類を選び、メインを一品選ぶ(本日は、ステーキ、チキンとサーモンからの選択)
20170809_coldderi スープやラップ、パニーニなど
20170809_hotfood0 チキン、鱈などの代表的なローストフード
20170809_hotfood1 ハンドメイドピザのセレクション
20170809_hotfood2 イギリスの野菜は、旨味がある。人参、ズッキーニ、ジャガイモ等の定番。
20170809_sweet ブルーベリーマフィン、ブラウニー、ビクトリアスポンジ、キャロットケーキ等のイギリスを代表するスイーツがお薦め
20170809_beer ロンドンピルスナー、ロンドンミーンタイムの地ビールがお薦め。
20170809_beef2 20170809_chicken サラダ、キノアとトマトをベースにしたチミチュリステーキとバジルチキンのバージョン
20170809_pizzaoption ピザのオプション
このボリュームと都会の喧騒を忘れさせる雰囲気で食べて、一人£7の良心的な価格。この都会のオアシスの楽しみ方は、様々。展覧会を見に来るだけでなく、天気の良い日はテラスでゆっくり仕事も出来るし、子供と一緒でも楽しめる場所。
今日は日曜日と祝日の12時〜17時迄の限られた時間だけ一般公開しているアーバングリーン温室に行くのが目的だ。南米やアフリカなどの原産種を中心に、約2,000品種の熱帯植物が育てられているキュー王立植物園に続くロンドンで2番目の規模の温室である。
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ちょっと変わったアフタヌーンティーを経験したければ、温室内のアフタヌーンティーがお薦め。価格も一人£27.50とリーズナブルだが、バービカンのウェブサイトから事前予約必要である。
ロンドンを観光する方は、是非訪れるべき場所の一つ。特に9月21日〜2018年1月28日までジャン=ミシェル・バスキアの展覧会が始まる。『Basquiat: Boom For Real』というタイトルの展示は、バスキアの作品と彼が影響を受けた音楽、映画、テレビとの関係と彼の作品へのアウトプットを紐解くという新しい視点による展示。一日ゆっくり、映画を見たり、図書館を使ったりと都会の喧騒から離れた貴重なスローライフが楽しめる場所です。

BARBICAN KITCHEN

住所:Barbican Centre, Silk St, London EC2Y 8DS, UK
TEL:+44 20 7382 6160
Opening Hours: 9:00 – 20:00(月〜土) 11:00 – 20:00(日)
http://www.barbican.org.uk/restaurants-bars/barbican-kitchen
最寄り駅:BARBICAN 駅から徒歩3分程
Text&Photo by Tatsuo Hino

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日野 達雄

日野達雄

英国在住歴16年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。

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