2018.09.11

Food For Thought 結構相性の良いロンドンのビルマ料理

ロンドンの食の盛り上がりの立役者は、ずばりストリートフードシーンである。近年その傾向は強くなる一方で、それに合わせて新しい物/味/食感を求める消費者がコンスタントに増えている傾向も今のロンドンなのだと思う。よく、9時から17時のフィアナンス、マーケティング、テック会社を辞職し、新しいフードベンチャーを起業するという話はざらに聞くようになった昨今。初期投資もそんなに必要ではないし、マーケットのストールを借りて起業し、様子を見ながら成長しレストランをオープンしたという話を良く聞くようになった。
『PIZZA PILGRIMS』もマーケットストールで始まり、今や8店鋪、台湾の有志『BAO』も同様に3店舗と急成長しロンドンの多民族/多文化フードシーンに貢献をしているし、異文化フードが受け入れられている良い証拠だ。特に今は、昔みたいに郷土料理をするだけだと限界がある。インドカレーの地方の特産物で、他と異なる手法や食材でその店の代名詞となる一品の存在が必要とされる時代。消費者の知識も膨大で、料理のルーツや歴史を知っている、所謂わかっている層が増えている。

今回紹介する『LAHPET』は、あまり馴染みのないビルマ料理。2016年に南ロンドンで有名なフーディーなストリート『MALTBY STREET MARKET』のストールから始まり、多くの人気店のポップアップ、レジデンシーを運営してきた『Climpson Arch』と並びで、中長期のポップアップレストランをオープン。タイの有志『Som Saa』『Smoking Goat』も同様に中長期的なポップアップレジデンシーを行なったイーストロンドンの隠れ家的なストリートの出身。ビルマ料理は、タイとインド料理の間の子で、ココナッツ、香りの良いハーブと温かいスパイスをふんだんに使用した料理というイメージしかないが、初挑戦。そういえば、この前九州にいる叔母が、最近よく使い残した茶葉を良くおひたしとして食べるというのを言っていたが、お店の名前『LAHPET』は茶葉の意味らしい。ビルマは、お茶を飲んで食べるのが風習らしい。
平日の19時でかなり混んでいる店内
メニュー
ビルマ料理が初めてならば、これは絶対にと勧められた一品。酢漬けされた茶葉サラダ。 ちょっと苦味のある大きな茶葉と魚油に旨味が凝縮されたブラウンシュリンプ(小エビ)。茶葉の栄養価も高いらしい。これでご飯が何杯も行けそうなぐらい
その茶葉より個人的に美味しかったのは、この一品。歯応えのある干瓢みたいな食感のある魚ときつね色になるまで炒めた甘い玉葱とシャキッとしたキャベツ。噛めば噛むほど美味しい。
もっと面白い感じは、生姜のサラダ。香りのあるドレッシングとパンチのある生姜。パリッとしたレタスの上に、トマトとシャロットをピリッと辛いレッドチリとナッツで混ぜた甘辛い一品。
ポークカレーはメニュー上の数少ない肉料理の一つでお勧めの一品。豚の塊肉自体絶品だが、よく煮込まれていてホクホクでありながらかなり軽い。通常のカレーと比べるとスープっぽい薄さだが、味は濃くて柑橘類のような酸味や生姜、マスタード、黒胡椒の風味があり、味わい深い美味しさがある。他の国カレーとあきらかに違うが、食べやすくて実に美味しい。
ビルマを代表する麺の一つシャンヌードル。薄くて乳白色の麺と酸っぱい汁と旨味が凝縮したミンチのお肉、ナッツ、酸味のあるきざまれた漬物が、結構油っこくて苦戦した一品。これだけでお腹一杯になるぐらいのボリューム感。
まだ未開拓なビルマ料理。何か新しい食事を試したい人にはお勧めです。こう言ったあまり知られていないエスニック料理を楽しめるのもロンドンの醍醐味。この店舗以外に、人気のストリートフードのストールが集まった『Old Spitafield Market』にも出店をしているので、マーケットの雰囲気を楽しみたい人はそちらへ足を運んで見てください。

LAPHET
住所:58 Bethnal Green Rd, London E1 6JW
最寄り駅:地下鉄Liverpool駅から徒歩15分/Shoreditch High Streetから徒歩3〜4分程
lahpet.co.uk
Text&Photo by Tatsuo Hino


plofile
日野 達雄

日野達雄

英国在住歴16年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。

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