2017.12.28

ブリティッシュ“ライク” ヨーロッパ満喫日記 ストーク・オン・トレント篇

前回前々回に引き続き、イギリス縦断の旅の続篇である。湖水地方を出発し、我々が目指すのはイギリスの首都ロンドンだ。湖水地方から最終目的地ヴィクトリア・コーチ・ステーションまでは約300マイル(480 キロ前後)。直行するには長過ぎるため、休憩とガソリン補給を兼ねてストーク・オン・トレントに立ち寄った。この地は陶磁器の生産地として知られていて、数々の著名な陶磁器メーカーがある。我々が訪れたのは、1851年に創業したBurleigh社の工場だ。
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敷地内にはオフィス、アトリエ、ミュージアム、カフェ、それから巨大な窯がある。もちろん陶磁器等々の販売も行われており、その価格の手頃さには驚かされた。日本ではあまりお目にかからないムスタッシュマグカップを発見し、抜け目なく購入した。長い髭をたくわえていると飲食の際にちょっとしたテクニックが必要になるのだが、このマグがあればそんなモノは無用の長物だ。
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Burleigh社は、2014年にチャールズ皇太子が代表を務めるプリンス・トラストの傘下になっている。殿下のファンで、“HIGHGROVE”を愛飲している自身にとっては嬉しい偶然だった。

そういえば、敷地内のカフェで昼食を取った際、サンドウィッチだけでは佗しいのでスープも注文した。そうすると、スープの付け合わせには冷えた食パンが別に出され、サンドウィッチ+スープ+冷えた食パンという、一風変わった献立になった。これも旅の愉快な思い出だ。
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わずかの休憩のつもりが思いのほか時間を食ってしまい、再びロンドンへの旅路へ。せっかくの機会なのでコッツウォルズにも足を伸ばしたかった。しかしながら、車輌の返却が遅れてはならないため口惜しいが断念した。

ロンドン中心部へ近づいてくると、さすがに東京を走っている感覚とまったく違わない。慢性的な渋滞や、クレイジーな運転をする輩は万国共通のようである。スコットランドはエディンバラからスタートし、イングランドはロンドンまでの縦断もここで一度終止符を打つ。最終目的地ヴィクトリア・コーチ・ステーションに到着したころ、日はすでに傾きかけていた。

余談だが、イギリスではガソリンはPetrol、ガソリンスタンドはPetrol Stationとなる。普段耳にする、レギュラーやハイオクという呼称はこの国では見当たらないので注意が必要だ。レギュラーはUnleaded、ハイオクはSuperないしはUltimate、ディーゼルはそのままDieselである。これらを明確に伝えなければならないため、武者震いしながらドライブインしたが、その心配は無用だった。なぜなら、イギリスでは基本的に給油はセルフサービスで行うからだ。給油した後に売店などが併設されている店内にて停車した番号を申告し、ガソリン料金を支払えばそれで終了だ。実に単純明快なシステムにもかかわらず、レギュラーでいいものを誤ってハイオクを給油してしまった。なんとも無駄な出費である。

さて、車の返却を時間内に済ませ、いよいよロンドンを満喫するため意気揚々としていたが、ここで重大事件が発生した。車輌返却の際にガソリンがやや減っていたが、付近にガソリンスタンドが見つからなかった。不足分は返却時に支払えばいいと安易に考えていたのだ。返却後にクレジットカードの明細書を見ると信じられない額が記載されていた…これがイギリス流のブラックジョークだと思いたかったがしっかりと請求された。レンタカーを借りる際は、ガソリンを満タンにして返却するか、満タンにせずに返却しても良い(事前にデポジットを支払う)かの選択を必ず問われるので、よくよく気にかける必要がある。

まさに天国から地獄へ突き落とされた我々はこの日の宿The Goringへ。赤い燕尾服を纏う素敵なドアマンのもてなしを受け部屋へ案内された。ドアを開けるやいなや寝室で健気に待つ“彼”と対面したのである。

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車での失態に消沈した僕の愚痴をただただ無言で聞いてくれた。この羊を抱きかかえながら一人枕を濡らしたのは言うまでもない。ちなみにこの羊は宿泊者にプレゼントされる。現在“彼”は遠い祖国を離れ、我が家の寝室に鎮座している。

The Goring http://www.thegoring.com

本来、ここでこの旅日記を完結するはずだったが、記載したいことが増えてしまい、次回に持ち越すことになった。もう少々お付合いいただけたら幸いだ。

Photo&Text by Shogo Hesaka

関連リンク
ヨーロッパ満喫日記 湖水地方篇
ヨーロッパ満喫日記 エディンバラ篇


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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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