2018.05.18

イギリス建築を愉しむ。 ザ・ロイヤル・クレッセント・ホテル

ロイヤル・クレッセントに泊まる

前回ご紹介した、イギリス・バースに三日月状に建ち並ぶ「ロイヤル・クレッセント」は合計30軒のテラスハウスです。今回はこのロイヤル・クレッセント内にあるホテルをご紹介致します。
20180518_2016bath1 「Royal Crescent(ロイヤル・クレッセント)」の全景。
20180518_2016bath2 一番手前の住居がNo.1で、奥に向かって番号が続きます。

「ザ・ロイヤル・クレッセント・ホテル」

ロイヤル・クレッセントのちょうど中央にある「No.16」のドア。なんとここがホテルになっているのです。
20180518_2016bath3 ホテル名が記された大きな看板はありません。玄関ドア上の「16」が目印です。
20180518_bathroyalc1 こちらは玄関ホール。黒と白のチェッカー模様に貼られた床石は、ジョージアンスタイルのデザインで、写真のように斜めに貼られることが多いです。廻り縁には「Modillion(モディリオン)」と呼ばれる大振りの装飾材が付いています。大きな歯型をベースに装飾要素が加えられた装飾材で、華やかで凝った印象です。
20180518_eg14-main_2 廻り縁「Modillion Cornice」
20180518_2016bath4 玄関ホールの左にあるドローイングルーム。淡いミルクティー色のペンキの壁と各部のモールディング(装飾材)が素晴らしいです。
20180518_bathroyalc2 こちらは階段です。マホガニー色の手摺りに、ペールブルー色の子柱、そして階段中央部に敷かれたブルーグレー色のカーペット・ステアランナーの組合せが何ともお洒落です。
このカーペット・ステアランナーは、色柄のアクセントはもちろん、空間に重厚感とクラシカルなイギリスらしさを加えてくれる、演出効果抜群のアイテムです。
20180518_bathroyalc3 天井を見上げると、芸術的な装飾がご覧いただけます。ウェッジウッドのジャスパーウェアを彷彿とさせる色使いで、繊細な塗り分けが施されています。正面の窓は18世紀に流行したヴェネチアン・ウィンドウと呼ばれる窓で、階段にたっぷりの光を運んでくれます。

ジョージアン・マスター・スイート

私の専門は建築です。イギリスのホテルを選ぶ際は、外観はもちろん、インテリアも事前にウェブサイト等で調べ、自分好みの部屋を吟味してから予約をします。このロイヤル・クレッセント・ホテルで私が選んだ部屋は「Georgian Master Suite」、以前から泊まりたかった憧れの部屋です。
20180518_IMG_1909 左右対称を基本としたデザインです。この上品な色使い、モールディングのバランス、家具、小物、照明器具の配置など、すべてが参考になります。
20180518_IMG_0435 スモーキーピンク、ベージュ、グレー、そして淡いグリーンを使って塗り分けられた石膏装飾の天井。ため息が出るほど美しい。
20180518_royalchbr1 ベッドルームは天蓋付きのベッドが置かれ、背の高い天井を活かしています。
淡いサーモンピンク色の壁紙は甘すぎず、エレガントな印象を与えてくれます。
裏庭に面した窓から見える、潤いのある緑と光も大きな魅力です。

インテリア空間を見る、触れる、探る。

私のイギリス建築の愉しみ方のひとつは、「インテリア空間を見て触れて探ること」です。
旅行時にはいつも、ペンキのサンプル帳とメジャーを必須アイテムとして携帯しています。使われている色を照らし合わせたり、各部のサイズを測っておくことで、自分自身の愉しみでもありますが、知識を蓄えています。このようにペンキの色の品番や床石のサイズ、造作家具のサイズ等を測定します。もし仮に私にご依頼されるお客様が、「バースのロイヤル・クレッセント・ホテルのジョージアン・マスター・スイートと同じインテリア空間に仕上げて欲しい!」とリクエストされれば、忠実に再現できるほど念入りです。
20180518_thum 気に入った部屋は、ペンキの色や床石のサイズ、造作家具のサイズに至るまで測定しておきます。
20180518_rchres1 裏庭には別棟のレストラン「The Dower House Restaurant」があります。 朝の気持ちの良いお庭を通ってこちらの建物へ入り、美味しい朝食がいただけます。
次回もお楽しみに。

The Royal Crescent Hotel
住所: 16 Royal Crescent, Bath, BA1 2LS
URL:https://www.royalcrescent.co.uk
Photo & Text by Koichi Obi

関連リンク
ジョージアン様式の街「バース」
コッツウォルズに誘われて


plofile
小尾 光一

小尾 光一

工学院大学工学部建築学科卒業後、輸入住宅会社、リフォーム会社勤務を経て、「地面から生えたような」と形容されるイギリスの家に魅了されて渡英を繰り返し、デザイン・知識の習得とともにイギリス建材の開拓を重ね、2000年にコッツワールドを設立。イギリスであれば何処のエリアの建物も、そしてインテリアも実現するイギリス住宅専門の建築家として活動中。日英協会、イギリスを知る会所属。
著書「英国住宅に魅せられて」

ホームページ:
www.cotsworld.com
ブログ:
cotsworld.blog136.fc2.com
Facebook:
www.facebook.com/cotsworldltd

小尾 光一さんの
記事一覧はこちら

RECOMMEND