2015.12.27

イギリス王室も推進。暮らしに取り入れて豊かなハーバル・ライフを

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ハーブを“治療薬”として処方してもらう国、イギリス

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紀元前、移動手段の発達よりも古い時代から、薬草として世界中の人々に親しまれてきたハーブ。古来から現在に至るまで、人々はハーブを食べて、育てて、また精油などに成分を凝縮させ、その恵みを受け取ってきた。

ハーブの “薬効”は古くから知られ、中世以来ヨーロッパ世界ではメディカルハーブの知識が体系化されてきた。イギリスは、現代でも国が認定する資格を有した「メディカルハーバリスト」が存在し、人々の体調の不調や体質に合わせたハーブを“治療薬”として処方している国である。すでに処方箋が処方されていたり、病名が付くなどの場合を除き、風邪や心体のだるさ、喉の痛みなどのちょっとした不調に関しては、資格や知識を持つメディカルハーバリストに相談し、体質に合ったハーブを処方してもらうことが多いのだ。

ハーブを有効に使い、暮らしに役立てるすべを学ぶ

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日本では、医師法・薬事法などによりメディカルハーバリストが診察したりハーブを処方することはできないため、薬効についてはあまり触れられず、リラクゼーション効果を得るものとして広く知られている。イギリスではチャールズ皇太子をはじめ英国王室が代替補完医療を積極的に支持していることもあり、イギリスの国営医療サービス事業(NHS)では鍼灸やマッサージ、カイロプラクティックと並んで、該当すればアロマセラピーの治療を無料で受けることができる。つまり、日本で言う、漢方薬と漢方医のような代替医療として活用されているのだ。

冬の入り口の12月には、イギリスのハーブ薬局では喉の痛みや冷えなど、風邪の症状を相談しに訪れる人々が後を絶たない。そんな風邪の初期症状によくおすすめされるのが、エルダーフラワーというハーブだ。エルダーはヨーロッパの森林や川岸に自生する針葉樹で、成長すると10mほどの高さにまで成長する。鼻水、鼻づまり、喉の痛みなどの粘膜・粘液の浄化や呼吸を楽にするなど、風邪の諸症状からインフルエンザ、気管支炎の諸症状の緩和や花粉症、余計な水分や毒素の排出などにも効果がみられるといった、高い薬効が知られるハーブだ。

冬の体調不良には「万能の薬箱」エルダーフラワーを

201512_HE05エルダーフラワーコーディアルと、クリーム色の花を咲かせるエルダーフラワー

エルダーは初夏にクリーム色の花を一斉に咲かせる。日本ではまだ馴染みが薄いが、イギリス人はエルダーフラワーの開花に夏の訪れを感じると言われるほど、親しみのあるハーブだ。そのマスカットのような甘い芳香から、花をドライにしてハーブティーにするほか、柑橘やショ糖類と漬け込んだコーディアル(シロップ)にされることが多い。エルダーフラワーコーディアルは、イギリスでは水やお湯割りにしたり、ジンで割って飲まれている。お酒の苦手な人へのカクテルとして炭酸で割ったりと様々に愛されるコーディアルは、さわやかな香りとジューシーな甘味に心がホッとする味わいだ。もちろん美味しいだけではなく、薬草としての効用を期待して、冬の時期のイギリスの一般家庭で愛飲されている。

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エルダーの和名は「セイヨウニワトコ」。日本に自生するニワトコも小正月のお飾りに魔除けとして使われているというから、その“薬効”は古くから世界中で重宝されてきたのだろう。近年、エルダーフラワーコーディアルは日本にも一般的に輸入されるようになり、店頭でしばしば目にするようになった。ライフスタイルを大切にする人のための雑貨店やハーブ専門店などでは、オーガニックのものが買えるなど選択肢も増えている。この冬はあなたもイギリスの生活の知恵を取り入れて、寒い季節を豊かに乗り切ってみてはいかがだろうか。



Text by K.Tateishi / 立石 郁

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