BRITISH NOTE 02 JOSEPH CHEANEY / ジョセフチーニーの1886コレクション

2016.03.26

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靴の聖地と謳われるイギリス、ノーザンプトン。1886年の創業からその地にて英国式の本格革靴を作り続けてきたジョセフ チーニー(以下:チーニー)。ファッションが時代とともに変遷しようとも、紳士の足元を飾るのは常にトラッドスタイルの革靴であることに変わりはない。なかでもチーニーは伝統的なグッドイヤー製法を守りつつ、時代に即したエッセンスを取り入れる名手。古くて新しい、そして長年愛用できる魅力に満ちた靴を作り続ける“進化する老舗”なのだ。

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1886年、英国靴の聖地にて創業

日本で伊藤博文が初代総理大臣の任に就いたその翌年。1886年に英国にてチーニーは誕生する。創業地であるノーザンプトンはその昔から豊富に革材が得られる土地ということもあり、1600年代から革靴が作られていたという。職人であったジョセフ・チーニーは、そんなノーザンプトンのデズバラーにブランドのオリジンとなる「J.Cheaney,Boot&Shoemakers」を設立。
そして1896年には工場を同じデズバラーの現在の場所に移すこととなる。以来、革材をカットする工程からグッドイヤー式の底付けなどを含む縫製、最終的なポリッシングに至るまで、一貫してひとつの工場にて行うスタイルを堅持している。グローバル化が進んだ昨今では、手間の掛かるアッパー製作をアジアで行い、ソールの縫い付けや仕上げなどをノーザンプトンで行うメーカーもあるという。しかしチーニーは創業以来変わらず熟練職人による自社一貫生産を行い、「Purely Made in England」を続けており、本当の意味での英国靴ブランドなのである。

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ジョセフ チーニーの魅力を詰め込んだ万能木型

その時代や用途に応じて多彩なラスト(木型)をリリースしてきたチーニー。なかでもブランドの創業年をネームにした「1886」は特別なもの。長すぎず短すぎない絶妙なノーズと英国的な丸みを湛えたラウンドトゥがひとつの特色だ。どんな装いにもマッチしやすく飽きのこない形という意味では、チーニーの魅力を凝縮させたモデルともいえる。そして卓越したはき心地もまた「1886」の特色。ボールジョイント部分に僅かなゆとりを設けており、幅広な日本人の足型にも馴染みやすいフォルムとなっている。また、絞った土踏まず部分にて足を支えるフィッティングにより、疲れにくくはき続けられる工夫なども込められている。本格革靴の愛好家にはもちろん、ビギナーにも奨められる万能ラストなのである。
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英国本格靴の次世代定番

「1886」コレクションの中核となるのが、アッパーにブラックのボックスカーフを使用した各モデル。そのレザーはドイツの名門タンナーとして知られるウェインハイマー製。キメの細かい滑らかな質感は、かつて世界一とも評されたカールフロイデンベルクのそれと匹敵するほどのクオリティ。さらにレースアップのシューズはすべて外羽根式のアッパーデザイン。日本人には嬉しい脱ぎはきしやすくフィット感の調整が容易な仕立てにも注目したい。なかでも汎用性の高さで人気を誇るのがパンチドキャップトゥだ。英国的なトラッドを感じさせるたたずまいは、本格革靴のアイコンといった端正な顔つき。ジーンズなどのカジュアルスタイルから普段のスーツスタイルにも合わせられる、使い勝手に優れた一足なのだ。
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ブランドの誇りを表す銀のスタンプ

ブラックのボックスカーフを使用した各モデルには、アッパーカラーと合わせたシックな黒色のソックが配される。そしてもうひとつの特徴がシルバーのスタンプ。特別感を煽ってくれる輝く紋章を伴ったロゴに、チーニーの自信がうかがえる。
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粗野にして品格漂うダブルソール

一般的なチーニーのドレスシューズがシングルソールであるのに対し、「1886」ラストの各モデルは、タフなダブルソール仕様。厚みはあるものの、アッパーと同色のブラックでコバだけでなく、アウトソールまで統一されているため、その横顔は実に品格溢れるもの。スーツスタイルからカジュアルな装いにも対応できる理由のひとつが、このディテールに隠されている。
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見逃せない希少なコードバンモデル

「1886」ラストを採用したモデルのなかでも、とりわけハイエンドなシリーズとなるのがコードバンを用いた限定コレクション。英国の実力派タンナーであるクレイトン社のコードバンレザーは、ややマットな光沢と優れた耐久性を兼備する高級品。はくだけで装い全体に深い味わいを添える効果を持つところも、このコードバン・コレクションのポイントだ。極めて希少な生産数のため、その展開は限定的なものとなる。

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Text by T.Hasegawa / 長谷川 剛

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