2016.08.21

BRITISH NOTE 10 LAVENHAM/ポリエステルキルティングジャケットに見られる正統と革新

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ラベンハムのキルティングジャケットは、イングランドのサフォーク州サドバリーにある自社工場で生産されています。その歴史からキルティング生地やステッチに対するこだわり、カラー、シルエット、素材バリエーションにいたるまで、魅力を紐解いていきます。

馬具からはじまり、世界中の紳士と淑女を虜に

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1969年、ラベンハムはホースブランケット(馬の体を寒さから守るためのナイロンキルティングブランケット)の生産からその歴史をスタートさせました。従来のホースブランケットはジュート麻で作られていたために保温性が悪く、雨に濡れると重くなるという弱点があったといいます。そんな問題点を軽やかにクリアしたホースブランケットは、英国王室やベルギー王室でも使用されて乗馬用具業界でのラベンハムの地位を揺るぎないものにしました。その後、1972年には乗馬愛好家からの熱烈な要望を受けてキルティングジャケットを発表。80年代になるとファッションアイテムとしても人気を確立していったのです。今や、貴族が嗜む乗馬というルーツを彷彿とさせる品位ある装いから普段のカジュアルスタイルまで、ラベンハムのキルティングジャケットは世界中の紳士・淑女に愛されています。

オリジナルのキルティング生地はパターンが豊富

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ラベンハムは、ジャケットに用いるキルティングの生地から自社で生産しています。定番のダイヤモンド・キルト(写真中央)は、1970年代より採用されており、後にバーティカル・キルト(縦キルト/写真左)やホリゾンタル・キルト(横キルト)を採用したモデルも登場。ラベンハムの工場で稼働しているキルティング・マシーンは、様々なキルティングのパターンに対応できるように特注されたものです。波型のアーミー・キルト(写真右)を採用したモデルもあり、バリエーション豊かな表情がブランドの魅力のひとつに。

新素材のラブンスターで強度・撥水性・運動性が躍進

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ラベンハムが日本上陸20周年を迎えた2014年からは、キルティングの表地に使われるポリエステル素材が「ラブンスター」という名称のものに変更になりました。従来よりも細い糸を使用して、さらに高密度に織り上げることで強度をアップさせています。また、従来にはなかった撥水加工が施されたことにより、雨などの水分がジャケット内部に染み込むのを防ぎます。水分だけでなくシミや汚れをバリアすることにも効果的です。生地の裏面には、中綿がジャケット外部に吹き出してしまうのを防ぐための特殊な加工をプラス。かつては吹き出しを防ぐために、スクリームと呼ばれる別素材を裏面に当てていたわけですが、これが不必要になりました。そのため、着る人の姿勢や動作にもっと柔軟に対応できるジャケットへとアップデートを果たしました。この秋冬シーズンには、フェアリーピンクとウォーターファウンテンというふたつの新色が登場し、レギュラー展開が11色となっています。

最大の効果を発揮するためにステッチにもこだわりを凝縮

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ラベンハムが目指す品質を満たすためには、細部に対するこだわりも必須の条件となります。たとえば、キルト・ステッチに使用する糸。キルティング生地の表側に出る上糸には収縮性のあるナイロン双糸、生地の裏側にくる下糸には縮みの少ないポリエステル糸を使っています。この組み合わせによって、ほつれにくくて耐久性のあるキルト・ステッチに仕上がっているのです。ラベンハム独自のダイヤモンド・パターンの特長といえば、縫い上げるピッチを限界まで細かくしていることとに加え、もしステッチがほつれた場合でもダメージが最小限にとどまるようにステッチの角を交差させているところ。また、身頃のパーツとパーツを縫い合わせる糸には、キルティングの糸とは違うものを採用。堅牢にしてストレッチ性のあるポリエステル双糸を使うことで、ジャケットの運動性を高めています。

軽さや温かさをあらゆるシーンにもたらすための着丈バリエ

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写真のモデルは、左からラムジー、クレイドン、ブランドン。ラベンハムのキルティングジャケットは、着丈のバリエーションがミドル、ショート、ロングと揃っていて、お好みのスタイリングや着用シーンに合わせてシルエットを自由に選択することができます。より優美に見せたい時にはロング丈、子供と外遊びする際には動きやすいショート丈(サッと脱いで車の後部座席に置いておくのもスマート)、ヒップ周りまでが隠れたスタイリングを狙うならミドル丈といった具合に、その日の気分次第で変幻自在。

異素材とのマッチアップによってラベンハムの魅力が深化

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ラベンハムは、異素材の組み合わせにおいても変幻自在っぷりを楽しませてくれます。写真のクレイドン(左)は、裏地が今季登場のジョッキー&ホースプリント。新型であるヒントン(左中)は、縦キルトのラブンスターにヘビーウールをミックスした姿。裏地全面にファー素材をあしらったラムジー(右中)、表地にツィードのヘリンボーン柄を使ったクレイドン(右)といったバリエーションも取り揃え、実に魅惑的なコレクションとなっています。

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Photo by Katsunori Suzuki / 鈴木克典
Text by Kiyoto Kuniryo / 國領磨人


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