2018.01.19

知恵の結集。ラベンハムのイーストブリッジが生まれるまでのプロセスとは。

20171201_topics1
昨年よりご好評いただいているラベンハムのステンカラーコート”イーストブリッジ”。 ブリティッシュメイドがラベンハムへ別注制作を依頼したコラボレーションモデルであることは恐らく周知されているだろう。 それでは、一体どういった思いの元に生まれたのか? 本日は生産に至るプロセスを商品開発の一人である岡本氏に伺ってみた。

20171201_topics1

ーそもそもイーストブリッジはどういうキッカケで別注に至ったのでしょうか?

第一に店頭でお客様の「こういうのがあればいいな。」という声をいただいた事がキッカケでした。 その声というのが「3シーズン着れるラベンハム。」 ラベンハムと言えば”軽く暖かい実用性に優れた冬用のコート”というのがまず頭に浮かぶように、春での着用シーンは想像しにくいと思います。 反面、春夏シーズンでラベンハムの魅力をもっと引き出せないかと思っていました。

ー確かに、春のラベンハムというとあまりイメージは湧きませんね。

今までの春夏モデルはキルティングがあることを前提に清涼感のある生地を採用したり、中綿の量を調整するなど、メーカーとも試行錯誤を重ねてきました。 それを気に入ってくれる方もいれば、見え方が冬っぽくて気になるという声も実際にはありました。 しかしラベンハムの象徴であるキルティングはどうしても外せないので、長年の課題となっていました。

そんな中、ラベンハムをシーズン問わず必要としてくれる人の声があったことを受けて『皆で長年愛される一着を作ろう』と一致団結したわけです。 本当に今必要とされているものは何か?と改めて皆で知恵を出し合い生まれたのが、このイーストブリッジでした。

20171201_topics1 イーストブリッジに関する岡本氏の原案。日を追いメモが増す毎にその形が具体的になってくる。

ーお客様の声を元に、スタッフ同士が手を取り合ったと。

その通りです。デタッチャブルライナーという仕様もシンプルですが、思いつくまでには時間が掛かりました。 「こういうのはどう?」とスタッフが持ってきたヴィンテージのオフィサーコートがキッカケの1つですね。 そして脱着可能なライニングを採用したラベンハムは、このイーストブリッジが初めてです。 この新しい試みは長い歴史があるメーカーとのやり取りも困難を極めました。 なにしろ今までにない仕様ということもあり、当初はステッチの縫い合わせにもバラつきが出るほどでした。 納得の行くクオリティになるまでサンプルを幾つも作り直しました。 それでもメーカーが前向きに取り組んでくれたお陰で全てクリアーとなり、ブランドイメージを保ちつつも、自信をもって勧められる今までにない別注モデルに仕上がりました。

20171201_topics1

ーステンカラーコートというデザインには何か理由があったのでしょうか?

まずコンセプトに長年愛されるというキーワードがありました。 ユーティリティ(Utility)というキーワードも出ていましたね。 男性女性問わず、カジュアルからビジネスまでシーンや季節に左右されない。 それでいてイギリスらしさを感じさせる。 となるとオーセンティックなステンカラーコートが候補に上がりました。 今も昔も変わらないまま、幅広い層に愛され続けている完成形です。 実はラベンハムのステンカラーモデルは過去にも存在しましたが、冬物というイメージを拭いきれないまま定着はしませんでした。

20171201_topics1 手が入れやすい程よい大きさのポケットにはLAVENHAMのタグが。表地がキルティングじゃなくても分かるように、と付けられている。

ーそこでキルティングを無くしてみる、という逆転の発想に繋がったのですね。

ある意味、腹を括るというか思い切った判断でした。 キルティング=ブランドといっても過言はありませんからね。 このデザインでラベンハムらしさをどう伝えるかが鍵となりました。

20171201_topics1

ー改めて、どのようなポイントにラベンハムらしさが残っているのでしょう?

例えばライニングには秋冬のラベンハムでお馴染みのキルティング、ラブンスターというポリエステル素材と保温性のある中綿を使用しています。 そしてパイピングはコーデュロイ。中を開ければひと目でラベンハムだと分かるようにしています。

20171201_topics1

あえて袖裏には同じくラブンスターを採用し、ライニング単体は袖抜きにしています。 これは袖のすべりを良くする為です。 例えば女性なら着用シーンはカジュアル使いが多いと思います。 冬場、ニットなどを中に着ても摩擦で袖が突っかからないよう快適な着心地を目指しています。 もちろん男性がスーツの上から羽織ってもをストレス無く袖が通せます。 動きやすく着ぶくれしないのもポイントですね。

20171201_topics1

ーこれ、結構ありそうでない嬉しいポイントですね。

気の利く実用性もラベンハムの魅力の1つですよね。 それとイーストブリッジはコットン生地なので重くならないよう中綿の量も調整し、軽さにも拘っています。 生地には超高密度で織ることで撥水性を有するベンタイルを採用しています。マットな質感もイギリスの服が好きな方には魅力的に映ると思います。 また、ライニングにもセンターベントを入れ、動きやすさを確保するなど、イギリスらしい質実剛健さも備えています。

20171201_topics1

そして襟裏。 立ててみるとダイヤモンドキルトでステッチングされているのが分かります。 どれも細かなポイントですが着てみて随所にラベンハムらしさを感じ取ってもらえるように工夫しました。

20171201_topics1 レディースは34, 36, 38の3サイズ、メンズは34, 36, 38, 40の4サイズ展開。その人が好きなフィット感で選んでもらえるようにとの思いで幅広いサイズレンジを採用している。

ー今回特に拘った別注のポイントはどこでしょうか?

サイズですね。前回は英国的なスリムフィットを提案していましたが 今回はゆとりを持たせ、気軽に羽織ることのできるオーバーコートをイメージし、ザックリと着てもらえるよう作ってもらいました。 袖もラグランスリーブに変更し、腕周りの窮屈さを解消しています。 程よいゆとりのあるサイズ感はトレンドとしてもピッタリではないでしょうか。 とはいっても着こなしはそれぞれなので、レディースは3サイズ、メンズは4サイズと展開を増やしました。 しっくり来なければ1サイズ下を選んでスリムフィットな着こなしまで。 ブリティッシュメイドのお客様それぞれのスタイリングに合うサイズを選んでもらえるようにしています。

20171201_topics1 モデル身長: 153cm 着用サイズ38.
トレンドのオーバーサイズをイメージして仕上げた今回のレディースモデル。Aラインが美しい女性らしいシルエット。

ーサイズといえば今回のレディースモデルは以前よりも変わっていますね。

そうですね。特にレディースはサイズスペックを大きく変更しました。 より女性らしさを求め、ファッション性を意識しています。 ビジネスよりもカジュアルなスプリングコート感覚で着れるアイテムがお客様に必要されていた為です。 カラーからネイビーを省いたのも女性らしさを重点に置いた為ですね。その代わりオリーブをラインナップに加えました。 シルエットはレディースの中で最も人気のあるブランドンをベースに、裾に向かってフレアするAラインを採用しています。 着丈も膝に差し掛かるくらいのロング丈でトレンド性を加えています。 シンプルな見た目ですがデザイン、機能性、着回し面を備えた非常に良い仕上がりとなっています。

20171201_topics1 イーストブリッジを踏まえてメーカーが新たに提案する今季春夏の新作リバーシブルモデル。ポリエステル×レーヨンの清涼感ある生地といつものキルティングが1枚で楽しめる。

ー実際に反響などいかがでしたか?

今までの春夏モデルの中で最も反響がありましたね。 キルティングを無くす、この思い切りがお客様にも届き、メーカーとしても新しいアプローチを得る機会となりました。 ブリティッシュメイド定番アイテムとして沢山の人たちにイーストブリッジの魅力を知ってもらいたかったので、プライスもなんとか5万円台に収めたのも良かったのかなと思います。

ーやはり鍵はそこですよね。丁寧な企画が実ったわけですね。

そうですね。今までで一番良い別注に仕上がったかなと思います。 お客様の声を吸い上げて、実際にそれを製品に落とし込んで、各所で反響があったという一連の流れ。 モノを作る最初から最後まで、皆で話し合い作り上げたことで実った良い例になったと思います。 本当に沢山の人たちが関わって作り上げたので、ブリティッシュメイドが提案するラベンハムの春夏の新定番として、ぜひイーストブリッジを着てもらえると嬉しいです。

20171201_topics1

ーそんなイーストブリッジですが、別注以外の視点での強みは何でしょう?

やはり本場イギリス製、ラベンハムのコートというところですね。 自社工場で裁断、縫製など生産を行うメーカーが年々少なくなってきている中、一貫して伝統技術を守り通し、イギリスで作ることに誇りを持つブランドが作っているコート。それこそが最大の強みだと思います。 同時に、キルティングを代表とするラベンハムがそこ如何に負けずに、この価格帯で選んでもらえている人たちに向けて、 求められているクオリティを常に超え続けていかないと、と感じています。

ーありがとうございます。最後に、今後のモノ作りに対して一言いただければ。

やっぱり着て喜んでもらえるのが一番ですからね。 特にラベンハムは街中でも目にする機会が多いので。 個人的としてはそういう人たちにも、またリピートして買ってみたいと思ってもらえるようなモノづくりはこれからも続けていきたいと思います。 そしてなんといってもラベンハムは長い歴史のあるブランドなので、今までのモノづくりを大切にしつつも、メーカーと手を取り合いながら新しい事に挑戦していきたいですね。

アイテムをチェックする


おすすめ商品

RECOMMEND