2014.07.22

Little Tales of British Life 19世紀初頭のファッションリーダー

伊達男とダンディズムとは、語源の結びつきは全くありませんが、「洒落者」とか「めかし屋」という意味上の共通点はあるのですね。

現在のJリーグのチームのひとつ、「ベガルタ仙台」はかつて「仙台ブランメル」というチーム名であったことを覚えておいでの方も多かろうと思います。仙台を象徴する人物が伊達男であるならば、フットボール発祥の国、英国の伊達男として高名なブランメルに綾かって、チーム名に採用されたと聞き及びました。

伊達男とダンディズムとは、語源の結びつきは全くありませんが、「洒落者」とか「めかし屋」という意味上の共通点はあるのですね。

そのブランメルとは、18世紀終わりから19世紀初頭に掛けて、英国王ジョージ四世時代に、ダンディズムの始祖とも、男性プロトコル(儀礼典範)の美学者とも呼ばれた英社交界の中心人物でした。現在、男性ファッションの先駆者として、彼の銅像がロンドンメイフェア地区のピカデリー・アーケードの南側Jermyn Street沿いに設置されています。

ピカデリーアーケードの南口、Jermyn Street側に建つブラメル像。アーケードの北口はナショナル・ギャラリーに面するピカデリー通り。Jermyn Streetには、紳士用のあつらえ店、既製品の店、そして髭剃り、装身具などが立ち並ぶ男性ファッションをリードする街。 この銅像のスポンサーはホテル・リッツやダンヒルなど近所の高級店。彼らの商売の原型を作ってくれたブランメルへの敬意が感じられる。

ジャーミン・ストリート近くには、王室がバッキンガム宮殿よりも重宝するセント・ジェームスズ宮殿があり、その周囲には何十という紳士倶楽部が林立する。紳士たちの必需品を調達する場所として発展したのは17世紀から。多くの貴族がここでYシャツを誂えた。


ボー・ブランメル(洒落者ブランメル)と呼ばれた彼のコーディネートは、現在の男性ファッションの原型になっています。靴、スカーフ、タイピン、カフスなど華美にならない程度に、機能的で、さりげなく、そして洗練された風体を演出しています。

ブランメルが現代ファッションの原型の発信者になった理由はいくつかあります。Wikiには載っていませんが、他の資料に拠ると、毒舌でも愛嬌のある個性は、男女を問わず周囲の人々を魅了したために、社交界の人気者ブランメルが身に付けるこだわりの逸品と同等のモノを所持したり、真似たりする人たちが増え、当時の紳士のたしなみへと拡大したことが挙げられています。もちろん、そのセンスも洗練されていたわけです。

おそらく、ある種のこだわりを持って英国の特定のブランドを求めてBRITISH MADEに来店されるお客様とブランメルとで、似通う価値観があるのではないでしょうか?

そのこだわりは紳士の間で静かな需要を生み出し、ブランメルの活躍した時代以前から、クラフトマンたちはその技術を継承、且つ発展させながらお客様の声に応えて来たわけです。そのうち、そのクラフトマンたちが受けて来たギルド時代からの教育について語らせて頂きます。



2014.07.30
Text&Photo by M.Kinoshita

plofile
マック 木下

マック木下

ロンドンを拠点にするライター。96年に在英企業の課長職を辞し、子育てのために「主夫」に転身し、イクメン生活に突入。英人妻の仕事を優先して世界各国に転住しながら明るいオタク系執筆生活。趣味は創作料理とスポーツ(プレイと観戦)。ややマニアックな歴史家でもあり「駐日英国大使館の歴史」と「ロンドン の歴史散歩」などが得意分野。主な寄稿先は「英国政府観光庁刊ブログBritain Park(筆名はブリ吉)」など英国の産品や文化の紹介誌。

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