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Interview : Michael Stoll

ブランドのコンセプトでもあるSHEEP TO SHOPの真意と生産背景についてブランドのプロダクション・ディレクターであり、マンチェスターの工場を長年維持してきたマイク・ストールに尋ねました。

Q.まずは自己紹介からお願いします。
僕はマイク・ストール。プライベート ホワイト V.C.のプロダクション・ディレクターで、生産管理をしている。


Q.いつ頃からこの工場で働いているのでしょうか?
43年間。15歳の時からだよ。


Q :ここにはマイクさんよりも年代を重ねた工場機械がありますが、なぜそれを使っているんですか?
古い機材が壊れていなかったら新しくする必要はないし、古い機械にしかできない出来上がりの質感とかもあるから、キープしているんだ。


Q.どうやってメンテナンスしているんですか?
信頼できる専門のメカニックがいる。マシン自体もシンプルな作りだからね。



工場の外観


Q.この工場自体ができたのはいつですか?
1812年。最初はワイヤーとかケーブルを作る工場だったんだ。
最初は洋服のファクトリーではなかった。ワイヤーのような重いものを扱うビルだったので、このようにファブリックとか重いものを入れても大丈夫な作りになっているんだ。洋服の生産ファクトリーになってからはすでに100年近くが経っているよ。




Q.ブランドのコンセプト“SHEEP TO SHOP”について、説明していただけますか?
“SHEEP TO SHOP“のコンセプトは非常にシンプルだ。
素材から、商品が消費者に届くまで、すべてを管理しているということ。
生地を織る為の糸がコットンであれ、ウールであれ、なるべくこのファクトリーから近い場所で紡がれている糸を使用している。生地を織るのも、この工場の近くで行っていて、この工場でその生地が製品となり、ロンドンやインターネットのお店を通じて世界中のお客様に届けている。
ロンドンのお店を通じて、お客様がどんなものを求めているのかが分かり、それを作るためにはどんな素材が必要なのかもこの工場で直結できる。
そのプロセスもすべてがエコで、なるべく近くから素材を仕入れることで、なるべく公害を出さないようにしていることも、プライベート ホワイト V.C.のフィロソフィーのひとつだよ。


Q :プライベート ホワイト V.C.がスタートするきっかけはどのようなものでしたか?
昔僕にはこの工場を一緒にやっているビジネスパートナーがいて、彼女が引退したいと言ってきた。僕もちょうど引退を考えていたので、それを(現オーナーである)ジェームスのお父さんにしたところ、自分が次のパートナーになりたいと言ってきた。
今までの商売は、自分の功績に対する報酬があまりに低いし、自分の知識を売り渡しているようなもの。たとえば受注してきたブランドに、自分の知識で引いたパターンを介して、相手はそれで商売するわけだから、結局僕らには何も残らない。
ファクトリーとして成功するには、自分たちのブランドが必要だったんだ。


Q : 自分たちのブランドができた時はどう思いましたか?
とてもエキサイティングだったよ。 この業界にいると忙しすぎて、時間が経つのも非常に早い。目の前のことに精一杯で過去のことを振り返る時間もなかった。自分が老いていると考える時間もなかった。 それにしても自分たちの店を開けるのに40何年もかかったのは凄いことだよね。


Q : プライベート ホワイト V.C.を生産する上で、もっとも重視していることを教えてください。

まず着た時に快適であること、ポケットも機能的で、ジップがついていて、そのジップの付け方も非常にしっかりしている。英国で物を作るのはすごく時間も労力もかかる。だけどそれを買った人が、「これだけクオリティが高いんだ」、と満足してもらえるようにいつも気を配っているよ。


Q : プライベート ホワイト V.C.を一言で言うと?
English.(英国)


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