シューズメンテナンスの時間を充実させるためのヒント(後編) | BRITISH MADE

シューズメンテナンスの時間を充実させるためのヒント(後編)

2016.01.19

シューズメンテナンス
ブリティッシュメイドのスタッフに教えてもらう、シューズメンテナンスの時間を充実させるためのヒント。後編では、「ソール交換のタイミング」「革靴を長持ちさせるために」をご紹介します。

※前編では「ソールの特徴を知る」と「グッドイヤーウェルト製法とウェルトの種類」をご紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

ソール交換のタイミング

ソール交換
ソールの中でもダメージが出やすい箇所であるトゥ。ウェルトにダメージが到達すると、ソール交換だけでは済まなくなる。この写真の状態でほぼ限界。修理に出すべきタイミングといえる。

ソールつま先
アウトソールに穴が開いてしまうと、簡単に水が侵入し、インソールのコルクを腐食させる。一気にダメージが進むので、その前に修理を。縫い直しが必要だとコストも増大。

ソールかかと
ヒールにおける革の積み上げ部分であるヒールリフトに、削れが到達するには若干余裕がある。しかし、ヒールの一番下側のパーツ(写真ではゴムと革のコンビになっている部分)、トップリフトの交換がそろそろ必要。少し早めを意識すると費用が抑えられるだけでなく、修繕後の見栄えまで良くなる。

ソールかかとダメージ
完全にトップリフトまでダメージが。そのため、ヒールリフトのみの交換よりも、修理コストがかかってしまう状態。オールソール交換に比べればリーズナブルとはいえ、より早い段階での修理がおすすめ。

ライニングダメージ
修理といえばソールばかりを意識しがち。しかし、ライニングも消耗しやすい箇所。特に踵と親指、小指が当たる部分は、ダメージが出やすいので注意したい。小さい面積からつぎはぎが可能なのでマメにチェックを。

革靴を長持ちさせるために

シューキーパーと革靴
■マッチしたシューキーパーを選ぶ
反り返り防止とシワ伸ばしの効果を十分に得るため、しっかりテンションがかかるサイズを。ただし、テンションが過剰だと靴が変形してしまい、フィット感を損なう。靴のフォルムを崩さず、きれいな状態に戻る張り具合が理想。

革靴を乾燥
■雨に降られたら休ませる
水濡れ時に摩擦は厳禁。表面の水分を軽くふき取る程度に。ソールが乾くよう、シューキーパーを入れてから、浮かせて休ませると良い。急激な温度と油分、水分の変化は、型崩れやひび割れ、硬化などを引き起こす。自然乾燥で対処するのが正解。

メンテナンスアイテム
■プラスαでお手入れ万全に
ミトンやスエード用ブラシなどに加え、アウトソールクリームも欲しい。レザーソールが硬化するのを防ぎ、防水効果まで望める。悪臭除去や防カビにはシューフレッシュを。

革靴のホコリ落とし
■適材適所のブラシ使い
ホコリを落とす際は毛の細い馬。クリームの塗り込みはコシが強い豚毛で。仕上げの磨きに柔らかい山羊毛など、目的に応じてブラシを使い分けると◎。


Text by S.Kanai / 金井 幸男

中川貴弘さん
2014年入社。青山本店に勤務。レザー製品への造詣が深く、スタッフはもちろん多くのゲストに信頼されている。Church’sのクラシックなモンクストラップシューズ、WESTBURYがお気に入り。

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