2017.10.13

マカラスターのニットは、着る世界遺産

20171013_mcn1
自然の恵みと人の叡智。これらの総体として生み出されてきたのがスコットランド製のニットです。もちろん、スコットランドで3代に渡ってニットウエアを製造してきたマカラスターにも、その恵みと叡智が詰まっています。世界遺産の地で生み出される糸など、いくつかあるポイントをおさらいしていきましょう。

今季のマカラスターの注目モデルがこちら!

写真左の2着が「プレーンセーター」、右の2着が「ハイネックプルオーバーニット」。 前者はメンズレディースでご用意していて、ハイネックで裾の両サイドにスリットが入った後者はレディースモデルとなります。 どちらもルックスはシンプルですが、その裏に潜んでいるストーリーは壮大。以下のパラグラフをご覧いただければ、納得していただけます。

歴史に裏打ちされた本物。それがスコットランドのニット

20171013_mcn3
英国の歴史をさかのぼると、既に10〜13世紀には羊毛が重要な交易品となってイタリアなどとの取り引きが盛んに行なわれていたとのことです。 そんな長い歴史を有するブリティッシュウールの産地として、英国の羊毛産業を支えてきた地がスコットランド。 厳しい寒さ、海から吹きすさぶ風、降り続く雨といった、決して穏やかではないスコットランドの環境を耐え忍んできた羊の毛には違いがあるといいます。 その毛質はしっかりしていて、柔らかいながらも弾力性があるのです。 セーターとして編まれた際の具体的なメリットでいうなら、雨を跳ね返す力が強く、吸湿発散製に優れ、型くずれしにくいということになります。 シェットランドニットの故郷であるシェットランド諸島、ニットの古典柄のひとつであるフェアアイルパターンを生み出したフェア島、数多くのニットメーカーが集まっていて世界的な生産地となったホーウィックなど、内陸部から島までスコットランド全土では自然環境がもたらしたアドバンテージと編み手の情熱によって、豊かなニット文化が築かれてきました。 この歴史と伝統こそ、スコットランドの財産。今日のスコットランドにも絶えることなく受け継がれていいます。

世界遺産の地、ニュー・ラナークとは?

20171013_mcn4
スコットランドの南西部に位置するグラスゴーの人口はロンドン、バーミンガム、リーズに次いで英国で第4位。 ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が学んだ場所でもあります。 そこから車で約1時間ほど南東に車を走らせたところにある村が、ニュー・ラナーク。この地には1786年に紡績工場が建設されました。 その後に起こった産業革命に対する影響、歴史的な外観の保護などにより、2001年には世界遺産に認定されています。 マカラスターのニットに使われるウール糸は、この世界遺産の地にあるニュー・ラナークミルズで紡績されたものとなります。

世界遺産で生み出される糸のこだわりとは?

20171013_mcn5
世界遺産の村で生み出され、マカラスターのニットとして編まれる糸はスコティッシュウール50%にメリノウール50%をミックスしたもの。 英国産の羊毛が世界の羊毛生産量において占める率はわずか3%とされているので、スコットランド産のウールはとても希少価値が高いものだといえます。 マカラスターでは、ハリがあって復元率が高いという特長をもつ希少なスコティッシュウールに柔らかい毛質のメリノウールをブレンドして、絶妙なる着心地と高い品質を実現しています。

見て美しく、着て心地のいい編み地はなぜ生まれてくるの?

20171013_mcn6
世界遺産の伝統を受け継ぐ糸で編み立てられるマカラスターのニットは、編みの工程においても特筆すべき点があります。 それが、英国発祥のハンドフレーム製法。手動の編み機を用いて、糸のテンションや目の詰まり具合を細かく人の手で調整しながら、時間をかけて編んでいます。 機械制御による自動編み機が現代のニット生産においては主流となっていますが、そんな時代の中では得がたい風合いが持ち味になっているのです。 また、手動の編み機は電力を必要としないので地球環境に対してもローインパクト。見て美しく、着て心地のいいニットは、地球にも優しいのです。

裏面使いにネップ感。マカラスターのニットは表情が豊か!

20171013_mcn7
糸と編みのどちらにおいてもこだわりが詰め込まれているマカラスターのニット。 写真は2着のニットを寄りで撮影したものですが、左と右で表情が違っているのにお気づきでしょうか。 左がメンズモデルで、右がレディースモデル。レディースモデルでは、編み目が横方向に走っています。これは、ニット地の裏面を表側に使用しているため。 ハンドフレーム製法で編まれたニット地は裏面までも美しい仕上がりになるので、こういった遊び心のある使い方が可能なのです。 また、左がウール100%なのに対し、右はウール90%×シルク10%。 粒立ったように見えるネップ部分がシルク糸です。 もちろん、メンズモデルにおいてもシルク糸によってネップ感が表現されたニット地を選ぶことができます。

パーツとパーツを縫い合わせるのにも手間をかけて!

20171013_mcn8
ボディやスリーブといったパーツごとに編み立てられたニット地が、1着のセーターとして完成を見るためにはリンキングという工程を経ます。 写真の機械に並んだポイント針にニット地のループを手刺しでセットしてから、ふたつのパーツをつなぎ合わせていきます。 ハンドリンキングという非常に手間のかかる製法を採用することにより、縫いずれがなく、縫い代いらずですっきりと仕上がり、パーツとパーツの結合した部分が伸縮性に富み、縫い目がニット地に馴染むのです。

これぞ正真正銘のニット、本物の温もりがあります

20171013_mcn9
マカラスターは、アラステア・マッキノンによって1981年にスコットランドで誕生しました。 世界遺産の地であるニュー・ラナークで紡績された糸を使って、スコットランドにある工場でニットへと編み立てられています。 まさに正真正銘のスコットランド製、これぞ正真正銘のニット。今年の秋冬シーズンは、マカラスターのニットで本物の温もりに包まれてみませんか。 10月22日にBRITISH MADE 青山本店で開催されるBRITISH COLLECTORS MARKETでは、マカラスターのニットに用いられているのと同様のニューラナークの糸を使ってワークショップを行ないます。 ぜひともお越しください。

Photo by Katsunori Suzuki / 鈴木克典
Photo by Fumi Homma/ 本間郁敬
Text by Kiyoto Kuniryo / 國領磨人


RECOMMEND