2014.07.17

Short story of tea 世界3大銘茶のダージリン、ウバ、キームンをご紹介

世界3大料理や世界3大美女など、よくこの世界3大○○というフレーズ聞きますよね。 実は紅茶にも世界3大銘茶と呼ばれる銘柄があるんです。

世界3大料理や世界3大美女など、よくこの世界3大○○というフレーズ聞きますよね。 実は紅茶にも世界3大銘茶と呼ばれる銘柄があるんです。 それが前回のコラムにも登場したダージリンを含むウバ、キームンの3種類。 これらはすべて紅茶の産地の地域の名前なんです。 紅茶も農生産物なので、よくワインなんかでいわれるテロワール(土地による味わい)の違いがあって、産地によって大きく味が変わってきます。 そこで今回は、この世界3大銘茶についてお話します。

ダージリン地方を走る鉄道「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」

ダージリン
ヒマラヤ山脈の東端、海抜8,598m、世界第三峰ヒマラヤ山脈の中心カンチェンジュンガの山麓、インドの北東、西ベンガル州の最北に位置するかなり高地で、標高300~2200mの斜面に茶園が広がっています。 誰もが名前を知っているぐらいに非常に高名な銘柄で、ワインでいうところのロマネ・コンティ、コーヒーだとブルーマウンテンのような知名度ですが、ダージリンの総生産量はインド紅茶総生産量82万トン(2002年度)に対して、僅か1.1万トンしかありません。
ですが現在、市場に流通しているダージリンという銘柄の紅茶はこの実際の生産量よりかなり多く、ダージリンを少量しか含まないブレンドであったり偽物であったりする場合もあるので注意が必要です。
このダージリンという地域では、日中と朝夕の温度差が激しく、毎日何度も霧が出てカンチェンジュンガから吹く風が茶葉を乾かすというサイクルが「マスカテルフレーバー(マスカットに似た香り)」という特有の香りを生みだします。 この特有の香りから「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、有名な茶園のものは希少性とブランドから飛び切りの高値で取引されます。 僕が昔勤めていた紅茶店でも100g 1万円を超える価格のダージリン茶園の茶葉は珍しくありませんでした。 水色(抽出した際の紅茶の色)は明るい燈色~オレンジ色、比較的淡いものが多く紅茶の中でも特に香りを重視し繊細な香りを楽しむため一般的にストレートがオススメとされている銘柄です。


ウバ
スリランカ南東部にあるウバ州標高1400~1700mの高地にありベンガル湾に面した山岳地帯の斜面に茶園が広がっています。?7~8月にはインド洋からの季節風が山に当たって冷たく乾いた風が吹き下ろし、かかっていた霧を晴らして一気に茶葉を乾燥させる──仕組みとしてはダージリンと似た環境です。
?これにより、ウバ特有のスミレやスズランを思わせる甘く爽やかな香りや、サロメチール香と呼ばれるメントール系の香りが生まれ「ウバフレーバー」と呼ばれています。
?しっかり抽出されたこの紅茶を味わうと、本当に鼻がスーッとするような香りを感じられます。 しっかりとした渋さを伴う深い味わいで、水色は澄みながらも濃い深紅色でありカップに注ぐと水面の淵が金色の輪のように映る「ゴールデンリング」が上質なものである証とされています。
香りや水色を楽しむためストレートでも飲まれますが、その強い味わいからミルクティーにも非常に向いている銘柄です。

キームン(祁門)
中国南東部安徽省、最高峰1800メートル以上を誇る黄山山脈、この山脈と江西省の省境の周辺で生産される紅茶です。 安徽省は温暖湿潤気候であり、生産量の多いインドやスリランカなどと違い、夏は暑く雨が多い気候で、特に山脈近くには、濃厚な霧が立ち込め、年間約200日は雨が降るといいます。
このキームンの風味を表すとき、よく「スモーキー」という表現が使われています。しかし、この紅茶の風味はひと言では語れません。
ほとんどの質のキームンは松の枝などで茶葉を燻し香りづけしてあるため上記のような風味を感じるのですが、特別上質なものにはこのような香りづけをせずに作られるため、糖蜜や花の香り、そしてランの花やリンゴが混ざった甘い香りともいわれる香りがするといわれています。水色は鮮やかな紅色で、スモーキーな風味はなく味はとてもまろやかで、コクのある快い渋みを持っています。
欧州では『中国茶のブルゴーニュ』ともいわれ、特にイギリスでは珍重されており、イギリス王室ではエリザベス女王の誕生日の日に祁門紅茶を飲むという伝統があります。
生産者が希少価値の高いものはストレートで楽しむのがオススメとされていますが、それ以外のものはミルクティーでそのスモーキーさを楽しんだり、アクセントとして他の茶葉にブレンドされることがあります。

いかがでしょうか。 好きな紅茶を探す際には、是非この3大銘茶の特徴を念頭に探してみて下さい。きっとお気に入りものを見つけられる一助になると思います。


2014.07.16
Text by T.Nogami

plofile
野上富巨

野上富巨

紅茶のカフェ「nt(ニト)」店主。幼い頃から紅茶が好きで、様々な飲食業を経て2013年3月紅茶のカフェ「nt(ニト)」を東京西荻窪で開業。日本紅茶協会認定ティーアドバイザー。

Cafe nt(ニト)
東京、田園都市線駒沢大学駅より徒歩3分。
紅茶がメインのカフェです。日常に紅茶を…カジュアルにポップに楽しんでほしい、そんな思いから2013年3月に西荻窪でオープンしました。
沢山の笑顔が自然と集まるそんなほっこりとした場所を目指しています。
十数種類の紅茶、そして数種類のスコーンやご飯などのメニューでお迎え、お近くにお越しの際には是非足を運んでみて下さい。
イベントスペースとしてのご利用も大歓迎、お気軽にご連絡下さい。
https://www.facebook.com/NtNito

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