
BMがファーストシーズンから展開し、最初のベストセラーとなったのがシャツ。好評の理由は、サラリと羽織るだけでコーディネートが決まること。「この着映え力は英国のヘリテージシャツをベースにしているがゆえ」と、監修を手がけたスタイリスト四方章敬さんは話します。さて、その心とは?
ヴィンテージを分析してわかった、英国シャツならではの魅力

ーーBMは「英国のヘリテージを、スタイリスト目線でモダンにアップデートする」というコンセプトが基本になっています。四方さんがシャツを企画するうえでも、英国のヴィンテージウェアをかなり入念にリサーチされていましたが、そこで気づいたことはありますか?
四方 総じていえることは、特徴的な意匠が数多く採用されていることですね。たとえばドレスシャツでも、フロントに前立てがつけられていたり、カフスのボタンが3連になっていたり。現在世の中で主流のイタリア系シャツがシンプルな洗練を基調としているのに対して、イギリスのシャツは結構アクが効いているんですよね。だからこそ、シルエットなどをアップデートしても英国らしさが失われず、企画する立場としてはとても扱いやすかったです。
ーーアイコニックなディテールゆえに、サラリと着るだけでサマになるということでしょうか?
四方 それがひとつの理由です、加えてリサーチ中に気づいたのが、パターンメイキングの妙。たとえば武骨なミリタリーシャツを見ても、袖が人間の体に沿って前方へカーブしているなど、テーラードの技法が活かされているんです。ドレスクロージングをメインにしている僕としては、とても興味深い発見でした。シルエットをアレンジするうえでも、こうした本来の設計を極力活かすよう意識しています。
ーーテーラード流の型紙が描き出すシルエットの美しさもまた、一枚で着映えるポイントになっていると。
四方 そのとおりです。とはいえ昔の服ですから、今のスタイルで活用しようとすると合わせにくい部分も出てくる。そのあたりをチューニングしたのがBMのシャツというわけです。僕個人としても、以前からシンプルなシャツスタイルはコーディネートの柱でした。なので、Tシャツの上にサラッと羽織るだけでサマになるシャツには僕なりの理想像があったんです。襟周りの表情、身幅のゆったり感、着丈のバランス、素材や色柄……ヘリテージの英国シャツをベースに、こういったポイントをアレンジしたのがBMのシャツというわけです。スタイリストとして、また一人のシャツ好きとして、その使い勝手は保証しますよ。
Remedy 1|英国的ドレス仕立てのレーヨンシャツで上品にリラックス
トップス:レーヨンオープンシャツ/ヘール ¥24,200(BRITISH MADE)パンツ:ドレスワイドパンツ/セントアイヴス ¥37,400(BRITISH MADE)
シューズ:HUDSON / ハドソン ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「今季は新モデルのレーヨンシャツがコレクションに加わります。これまで発表してきたオフィサーシャツやドレスシャツなどとは、少し毛色の違うアイテムですね。ロカビリースタイルの象徴だけにアメリカのイメージが強いかもしれませんが、こちらの『ヘール』は仕立てで英国テイストを表現しました。ドレスシャツのファクトリーに生産を依頼し、非常に繊細な運針で縫製。これによって、レーヨンならではのリラックス感と上品さを両立させています。ドレープが柔らかく出るのも特徴で、印象的なシャツスタイルを築けますよ」

優美なギャザーで後ろ姿にもアクセントを
背中に配されたギャザーも特徴的。優雅な印象を後押しして、エレガンスを高める意匠です。これほどたっぷりとしたギャザーを均等に入れるには高い技術力が不可欠。Remedy 2|ブリティッシュBDで定番トラッドをひとヒネリ
トップス:ボタンダウンシャツ/ケンブリッジ ¥19,800(BRITISH MADE)パンツ:デニムスラックス/ボーンマス ¥33,000(BRITISH MADE)
シューズ:HOWARD R/ハワード ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「こちらは日々、お客様に接するショップからの要望に応えて開発したシャツです。『ケンブリッジ』と名づけたボタンダウンシャツは一見アメリカンスタイルの王道。しかし、実は襟の設計に英国らしさがあります。実はこちら、かねてから人気のレギュラーカラーシャツ『ロンドン』をベースにした襟型。襟羽根が長く、体に沿って襟のアウトラインをカーブさせているのが特徴です。イギリスのビスポークシャツにも見られる作りで、アメリカンBDよりも少しだけドレステイスト。微差ですが、それが適度なヒネリとして効くんです」

襟ボタン外しで無造作に着てもよし
襟先のボタンを外すと、襟のアウトサイドカーブが際立つ形に。無造作なニュアンスと、英国らしい個性を楽しめます。こんな細部にこだわるのもシャツスタイルを格上げする秘訣。Remedy 3|プルオーバーシャツをブルゾン感覚で活用
トップス:プルオーバーシャツブルゾン/ワイト ¥23,100(BRITISH MADE)パンツ:デニムスラックス/ボーンマス ¥33,000(BRITISH MADE)
シューズ:HOWARD R/ハワード ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「ちょっと変わり種のシャツとして、こんな一枚を取り入れてみるのもおすすめ。『ワイト』と名づけたプルオーバーシャツで、ヨーロッパのリゾートシーンでお馴染みのカプリシャツを英国的に解釈した一着です。ポイントは、ブリティッシュな襟型と裾のドローコード。裾を適度に絞ることにより、腰周りにふんわりとした“溜まり”が生まれます。これがブルゾン的なシルエットを描き出して、着映えにつながるというわけですね。裾の絞り具合によって着丈も変わるので、コーディネートに合わせてベストなバランスに設定できるのも特徴です」

ドローコードの素材にもこだわりが
スポーティなプルオーバーシャツのようなゴム紐ではなく、シャツと共生地のドローコードを採用しているのもポイント。クラシックな印象が高まり、大人の装いにマッチします。Remedy 4|モダンブリティッシュなドレスシャツをカジュアル使い
トップス:ドレスシャツ/ロンドン ¥19,800(BRITISH MADE)パンツ:オフィサーパンツ/ポーツマス ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:HARRY II EF/ハリー2 ¥97,900(JOSEPH CHEANEY)
「英国のビスポークシャツをイメージして企画した『ロンドン』は、ボタンを挟んで2本のステッチが走る前立てや3連ボタンのスクエアカフスなど、伝統的なブリティッシュスタイルを踏襲したモデル。ただ、ドレスアップ専用ではなくカジュアル使いもできるようにアレンジしているところがミソです。ポイントはゆったりとしたシルエットと、柔らかな芯地使い。さらにタックアウトも想定して着丈を設定しているため、こんなふうにサラリと羽織ってもバランスよくまとまります。ドレスシャツをあえてラフに着る上級テクを簡単に実践できますので、ぜひ試していただきたいですね」

堅苦しく見えないソフトな襟芯
本来の英国ドレスシャツは襟に分厚い芯地を入れているため、ノータイで着てもカチッとした印象に見えがち。一方、「ロンドン」は非常に薄い芯地を選んでいるため、柔らかい襟周りに仕上がります。■ 四方章敬さん
「LEON」「MEN’S EX」「Men’s Precious」「THE RAKE JAPAN」など、ラグジュアリーメンズファッション誌で活躍中の四方章敬さん。イギリスの洋服に詳しいだけでなく、洋服が持つディテールとその背景を熟知、現代のファッションにまで精通するスタイリストです。
■ BM
[キーワードはモダンブリティッシュ]
「イギリスにルーツを持つアイテムを現代のライフスタイルに合うよう再構築する」をテーマに展開。クラシックの良さを生かしつつ時代に合わせてモディファイすることで、モダンブリティッシュなアイテムを提案していきます。アイテムはスタイリスト四方章敬氏が監修。
Instagram:https://www.instagram.com/bm_britishmade_clothing/
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Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光