2017.09.28

ブリティッシュ“ライク” 下関と英国

僕の故郷山口県には少なからず英国との由縁がある。古くは幕末の馬関戦争に遡り、英国を始めとする4 国に惨敗した長州藩は、講話を経て英国に接近。軍備を蓄え倒幕へ転換するのである…
下関と英国との関係性を現す建物が旧下関英国領事館である。この施設は1906年(明治39年)に現在地に移転。1922 年(大正11 年)関門地域の領事事務を除く領事館機能が長崎の英国領事館に移管。業務を縮小しながら領事事務にあたっていたが、太平洋戦争開戦により閉鎖された。下関市が建物を所有することとなったのち改修工事を経て重要文化財に指定されている。また、その保存修理工場の際には、玄関上部にあったはずの失われていた紋章を、英国王室の許可を得て復原されている。領事館として使用することを目的に建設された建物としては日本最古である。

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1 階は領事等の執務室間、2 階は海事監督官の住居として使用されていた。
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外観だけでなく、内装や家具にいたるまで綺麗に保たれており、地元にこれほどの施設が現存していることに大いに驚いた次第である。この近辺には旧宮崎商館や旧リンガー邸など、英国と関係性が深い建物が現存している。
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話は旧英国領事館に戻るが、この施設の2 階にある「restaurant Liz」では本格的な英国の食事が楽しめる。素晴らしいロケーションで味わえるコース料理は心地良く、味も文句のつけようがない。なかでも素材の味わいを十分に活かしたローストビーフは絶品だ。かなりボリュームがあるがあっという間に平らげてしまった。いつもならば珈琲で締めくくるところだが、この日ばかりは雰囲気に呑まれ紅茶で締めさせてもらった。BGM には大好きな「韃靼人の踊り」が流れており、沖融たる時間を過ごせた。
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このコラムも今回で25回目となり、執筆させていただきはや2 年が経過した。日本にいながらにして、英国の片鱗を確認できる場所はおそらくまだ存在するに違いない。未だ知らぬ土地へ赴き、歴史や風土と共に関連性を見出すことはなかなか面白いかもしれない。

Photo&Text by Shogo Hesaka

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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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