イギリスの「THE GREATS」たち|横浜店 | BRITISH MADE Staff blog

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イギリスの「THE GREATS」たち|横浜店

イギリス絵画と聞くと、みなさんはどの画家、もしくはどんな作品を思い浮かべますか?風景画が有名なコンスタブルやターナーといったところでしょうか。もしくは美術に明るい方でしたら、ラファエル前派の作品や、現在国立新美術館で展覧会が開かれているダミアン・ハーストなどをあげられるかもしれませんね。

 

しかし、それでも他ヨーロッパ諸国と比べると、あまり日本での認知が高くないイギリス絵画。大学で美術史を専攻していたわたしですが、恥ずかしながら知っているイギリスの画家は片手で数えられるほどです。しかし、毎日店頭でイギリスの商品を手にし、その時代背景や文化を知るうちに、イギリス文化のひとつとしてイギリス絵画について知りたいと思うようになり1年ほどが経った今日この頃……。

 

そんなわたしにぴったり、そして英国好き、美術好きのみなさまに、ぜひともおすすめしたい展覧会が上野の東京都美術館にて開催されていたため、さっそく行ってきました。

ヨーロッパで優れた美術館の一つとして名を連ねるスコットランド国立美術館の所蔵作品、約90点を集めた展覧会「THE GREATS展」!美術史に名を残す巨匠たち(THE GREATS)の作品鑑賞をとおして、ヨーロッパ大陸がイギリス美術に与えた影響、そしてイギリス美術がどのように発展していったのかを辿ることができます。

 

会場に足を踏み入れるとまず目にするのは、エディンバラの壮大な自然をとらえた風景画。今回の展覧会は全て撮影不可だったためお見せすることはできませんが、日本から遠く離れたエディンバラという都市、そしてその風景に思いをはせながら先へ足を進めることとなりました。

 

ルネサンス時代から近代の作品まで幅広く作品を見られましたが、特筆すべきはイギリスの画家たちの作品が多く展示されていたこと!

 

冒頭でもあげたコンスタブルとターナー、そして肖像画家として名の知れたゲインズバラやレノルズなど、イギリス画家の有名どころはもちろん、あまり日本では知られていないイギリスの画家たちの作品も非常に見ごたえがありました。多くのイギリス人画家に触れ、知ることができたのも今回の展覧会の大きな収穫でした!本当は全て語りたいぐらいですが、そのなかでも特に印象に残った作品の一部を、個人的な感想を交えご紹介いたします。

 

ジョン・ロバート・カズンズ ≪カマルドリへの道≫ 1783-90年頃  

画家がイタリア旅行へ行った際の風景を描いたこちらの作品。構図としては古典的な風景画だと感じましたが、空の色が変化している様子や、遠くに薄く見える島など、幻想的で柔らかい雰囲気がとても好きでした。カズンズがイタリアでこの景色を見て感じた空気感が伝わってくるようです。しかし、どこかさみしさも感じさせるのは、カズンズ独特のものだなあと思いました。

 

エドウィン・ランドシーア ≪荒野の地代集金日≫ 1855-68年

題名から察するに歴史画だと思うのですが、それよりも目を惹かれたのは画面内の動物たち。犬や馬、手前のアライグマの頭部など、どの動物も人物と同じぐらい存在感があります。特に右下の犬のシリアスな場面には似合わないとぼけ顔には、ユーモアを感じさせる愛くるしさがありませんか?

 

調べてみると、ランドシーアは「犬を描かせたら右に出るものはいない」と称されるほど犬を題材にした作品を多く残していたようです。そんな彼の作品を気に入ったヴィクトリア女王は、ランドシーアに「Sir」の称号を贈ったほど!

 

彼の名前を検索すると、とても可愛らしい犬の作品がたくさん見られるのでかなり癒されます。みなさんぜひ調べてみてください(笑)

 

エドワード・アーサー・ウォルトン ≪黒い雄牛≫ 1880年代中頃

油彩画が多かったなかでこの作品は水彩画で描かれていることもあり、印象に残っています。普通の牛を描いただけの作品なのですが、なんだか妙に惹かれました。特別ではないからこそ感じる、ウォルトンが牛や自然に向ける親しみが伝わってくるような……。ウォルトンはスコットランドの風景や人々などを題材とした作品を多く残しており、生涯をイギリス国内で過ごしていたようです。彼の作品に親しみを感じたのも、彼が祖国に抱く思いが、この絵から伝わってきたからかもしれません。

 

まだまだ素敵な作品があったのですが、このくらいで……。

 

展覧会の最後に語られていたのですが、「自然を革新的な方法で見つめている」作品を今回の展覧会では集めたそうで、振り返ってみれば確かになあ、としみじみ考えてしまいました。イギリスでは肖像画や風景画が盛んに制作されていたことを今回の展覧会で知ることができましたが、イギリスの人々にとって身近な人物や身の回りの自然は、絵画にして残すべき、大切なものだった証拠なのかなと個人的に感じました。

 

グレイツ展は開催されたばかりで、会期はまだまだ残っています!

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

会期 2022年4月22日(金)~7月3日(日)
会場 東京都美術館 企画展示室
休室日 月曜日
開室時間 9:30~17:30(金曜日は9:30~20:00)

https://greats2022.jp/
(リンク先から外部サイトへ飛びます。)

わたしは会期が終わるまでにもう一度足を運ぼうかなと思っているところです。
これを機に、もっとイギリス美術について学んでいきたいものです。

 

横浜店 後

 

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