ギターもファッションも三者三様
ジェフ・ベックが6年ぶりとなるオリジナルアルバム『ラウド・ヘイラー』を7/15にリリースします。このブログのアップ日の関係でまだ全曲きっちり聴き込めていないのだけれど、これ、なかなかの力作です。現在72歳のベックですが、アイディアもヘヴィなリフも出力も現役バリバリどころかキレキレです。というか、ちょっと怖いくらい(笑)。![20160714_1](https://www.british-made.jp/wp-content/uploads/2016/07/20160714_1.jpg)
2000年代に入ってから女性ヴォーカル路線を続けているベックですが、今回はボーンズ(BONES)という、オルタナっ気のあるメタリックなサウンドを奏でるバンドを組んでいる女性コンビをセットでスカウトしています。それほど彼女たちのサウンドが気に入ったということなのでしょう。
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そのなかから突出した才能を開花させたのが、ビートルズとは異なるフォームでブルースとロックンロールを追求したストーンズであり、ブルースとトラディショナルなフォークを追求してラウド&ヘヴィな様式美を確立したレッド・ツェッペリンといったバンドであり、ジェフ・ベックやエリック・クラプトンといった腕が自慢のギタリストたちでした。
日本のとある世代の音楽ファンには馴染み深い形容詞だと思いますが、かつてエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ツェッペリンのジミー・ペイジを日本では“三大ギタリスト”と呼んでいました。
ウィキペディアによると、これは当時の日本の洋楽誌(というかシンコー・ミュージック)がそう括ったことで広がったようですね。この三人は同世代(1944-45年生まれ)で、当時それぞれ日本での人気が高く、なおかつザ・ヤードバーズという同じブルース・バンドの出身だったこともあって比較しやすかったようですね。
では、ここで三大ギタリストのファッションについてざっくりと触れてみます。
エリック・クラプトンについてはこのブログの第14回で書いているのでそちらを参照いただきたいのですが、60’s、サイケデリック、カントリーテイストを経て80〜90年代はジョルジオ・アルマーニのスーツがトレードマークでした。
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彼のギター奏法はフレーズの発想がまずラジカルなのですが、おまけにピックを使わず、9割方をフィンガーピッキング、つまり指で爪弾いています。これによって彼独自のタッチが生まれるのです。そういえば、昔(ロッキング・オンだったかな)彼のギターの音色を“超合金”と形容していたテキストを読んだ覚えがあります。言い得て妙だなあと膝を打ったものです。
ちなみにベック師匠、大のカーマニアとしても知られており、クラシックカーからスポーツカー、ホットロッドといった改造車までマニア垂涎のコレクションを所有しているとか。ちなみにこんなアルバムジャケットもあったぐらい。師匠、ギターをジャッキアップしちゃっています(笑)。
![20160714_10](https://www.british-made.jp/wp-content/uploads/2016/07/20160714_10.jpg)
いずれにせよ三人ともいまだ元気に現役です。数多の名盤を生み出した彼らのレガシー・サウンド、興味が沸いたらぜひともチェックしてください。もちろん、ベックの新作もオススメです。ではまた!
Text by Uchida Masaki
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内田 正樹
エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。