
Tシャツ一枚、シャツ一枚での外出が中心となる夏につきものなのが、服装のマンネリ化。なんとか変化を楽しみたいけれど、レイヤードするには正直暑い!そんなお悩みを解消できるのが、人気スタイリストの四方章敬さんが手がけたブリティッシュメイド メンズコレクションのサマーアイテム。「シンプルに合わせるだけでもサマになるよう、色々な工夫を凝らしてあるんです」と話す四方さん。その実力をご本人に実証いただきました。
【Summer Key Item 1】
Tシャツ以上・スウェット未満な“アウターT”

夏の主役といえばTシャツ。色・柄・シルエットは様々あれど、大人らしい上品さを意識するならやはりベーシックなものに絞られてきます。が、そればかりだと変化に乏しい……。そんなジレンマを解消するべく開発したのが「マーゲイト」と名づけたTシャツです。実はこちら、もともと白Tシャツとのレイヤードを意識して開発したアイテムで、それゆえ“アウターT”という別名も。最大の特徴は、“スウェットとTシャツの間”を狙った作り込みです。
「羽織りものなしでもお洒落に決まるアイテムを……と色々考えた結果、辿り着いたのがこちらでした。生地はTシャツですが、ラグランスリーブや裾のリブ仕様、首周りはスウェット的。ディテールに“盛り”を効かせることで、無地Tシャツでも着映えするように作りました。さらにポイントとなるのが、スカーフをセットにしているところ。Tシャツに合わせて柄をデザインしているので、スカーフのコーディネートがよくわからないという方でも失敗することがありません。セット使いすれば大人らしいアクセントが効きますし、もちろんアウターT単品使いしてもOK。これからの季節、装いの幅を広げるのにとても便利だと思いますよ」


裾はスウェットのようなリブ仕様になっています。腰周りで生地が溜まって立体的なシルエットになるため、こなれた印象に貢献。Tシャツとセットのスカーフは薄手のコットン製で、夏場に巻いても涼やか。コーディネートしやすいよう、サイズや色柄を四方さんがデザインしています。
「着るだけでヒネリが効く便利なアイテムです」
トップス:パックT / マーゲイト ¥12,100(BRITISH MADE)
ベルト:ロングリボンベルト ¥17,600(GLENROYAL)
パンツ:オフィサーパンツ / ポーツマス(コットンドリル / ベルトループ付き) ¥26,400(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
「ディテールを工夫しているので、合わせはシンプルでOK。サラリと着るだけで、ヒネリの効いた印象になります。今日は茶の『マーゲイト』にオフホワイトのオフィサーパンツ『ポーツマス』で、ブリティッシュメイド定番の色合わせにしました。スカーフはコンパクトに結んで首元からチラリと覗かせるくらいで十分効きますよ」
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【Summer Key Item 2】
ドレープ美にこだわった“ウールT”

一点投入でマンネリを打破できるTシャツはほかにも。こちらはコットンではなく、ウール100%で仕立てたもの。さらに、裾にドローコードを仕込んでいるのがポイントです。実はこちら、ブリティッシュメイドの店頭から上がってきた声を四方さん流に料理して生まれたアイテムでした。
「いわゆる“ジャケット用Tシャツ”を作ってほしいというリクエストがありました。襟の後ろ側を高くすることで、ジャケットの襟裏に肌が直接当たるのを防ぎ、襟汚れを防ぐ……というやつです。ただ、普通のコットンTシャツで作るだけでは芸がない。何かオリジナリティを加えられないか……と悩んだ末、“ジャケットのインナーだけでなく一枚でもサマになるTシャツを”ということでこちらを考案しました。まず素材については、近年密かに注目度を高めているメリノウールを採用。ニットよりも薄手で、テロッとしたドレープがエレガンスを演出してくれます。そしてドローコードですが、こちらはスポーティなアクセントとしてではなく、裾を絞ることで着丈のバランスを微調整する目的で採用しました。Tシャツって、着丈が数センチ変わるだけで印象がかなり変わってしまうのですが、いちいちお直しに出すのも面倒ですよね。その点、こちらはドローコードの絞り具合によって裾が留まる場所を変えられるので、微調整を簡単に行えるというわけです」


首周りはジャケットのインナー使いも想定して、後ろ襟を高く設定。今や珍しくないディテールですが、ウールとなるとなかなかありません。ドローコードは、紐が極力目立たないよう極力小さな留め具を使用。
「いわばサマーニットとTシャツの中間です」
トップス:ウールTシャツ / ソワービー ¥18,700(BRITISH MADE)
ベルト:ロングリボンベルト ¥17,600(GLENROYAL)
パンツ:オフィサーパンツ / ポーツマス(ベルトループ付き) ¥36,300(BRITISH MADE)
シューズ:ハドソン ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
「細番手のメリノウールなので、着ると柔らかいドレープが生まれます。その表情を引き立てるべく、シルエットもゆったりめに設定しました。サマーニットよりもカジュアルで、Tシャツよりもドレッシーというバランスが新鮮だと思います。グレースラックスなどテーラードパンツにも相性抜群ですね」
「そしてもちろん、ジャケットにもマッチ。普通にTシャツを合わせる場合、上着に対してTシャツの裾が長すぎるとだらしない印象に見え、逆に短すぎてもアンバランスだったりするのですが、こちらは裾を絞ることで着丈を調節できるのでその心配もありません」
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【Summer Key Item 3】
はくだけで夏らしさが薫る“リネン混ワイドパンツ”

夏のマンネリを解消するには、パンツの雰囲気を変えるのも効果的。四方さんが今季おすすめするのは、コットン×リネン素材で仕立てたワイドパンツ「セントアイヴス」です。
「昨年はリネン100%の『セントアイヴス』を作ってみたのですが、これが想像以上に満足できる出来でした。ワイドパンツならではのリラックス感と、清涼感のある夏素材の相性が抜群だったんです。で、今年もその方向で企画しようと思ったのですが、リネン100%だとどうしても気になるのがシワ。ジャケットならまだしも、パンツはシルエットが命なので、これは要改善と感じました。そこで採用したのがコットン80%×リネン20%のポプリン。とても薄く軽い生地なので清涼感はそのままに、シワ対策も盛り込んだいい塩梅に仕上がりました。ほのかに光沢もあるので、リラックス感と上品さを両立できているところも気に入っています。夏の軽装はどこかに“盛り”を効かせることが新鮮さにつながりますが、このパンツならその役割を充分に果たしてくれるでしょう」


コットンリネンの生地は仕上げにこだわることで、独特のハリとなめらかな肌触りも叶えました。表面にうっすら浮かぶシワが涼感を引き立てています。さらに「セントアイヴス」の特徴であるミリタリーテイストなベルトループもポイント。トップスをタックインしたとき、腰周りのよきアクセントとして機能します。
「リゾートテイストなアイテムともベストマッチです」
トップス:オープンカラーシャツ / ヘイスティングス ¥20,900(BRITISH MADE)
パンツ:ドレスワイドパンツ / セントアイヴス(ポプリン) ¥30,800(BRITISH MADE)
サンダル:ペンザンス ¥88,000(JOSEPH CHEANEY)
「ベージュのオープンカラーシャツやグルカサンダルなど、リゾート感のあるアイテムと合わせるのにぴったりですね。これがリネン100%だと解放感が高すぎて街で浮いてしまうかもしれませんが、コットンリネンゆえちょういい具合にまとまります。ボトムスにアクセントが効きつつ、トゥーマッチにならないバランスが使いやすいですね」
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■ 四方章敬さん
「LEON」「MEN’S EX」「Men’s Precious」「THE RAKE JAPAN」など、ラグジュアリーメンズファッション誌で活躍中の四方章敬さん。イギリスの洋服に詳しいだけでなく、洋服が持つディテールとその背景を熟知、現代のファッションにまで精通するスタイリストです。
■ BRITISH MADE ORIGINAL WEAR COLLECTION
[キーワードはモダンブリティッシュ]
「イギリスにルーツを持つアイテムを現代のライフスタイルに合うよう再構築する」をテーマに、オリジナルウェアを展開。クラシックの良さを生かしつつ時代に合わせてモディファイすることで、モダンブリティッシュなアイテムを提案していきます。メンズアイテムはスタイリスト四方章敬が監修。
Instagram:https://www.instagram.com/bm_britishmade_clothing/
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Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光