ジョセフ チーニーの名作「ケンゴン」のバリエーションを徹底比較! | BRITISH MADE

ジョセフ チーニーの名作「ケンゴン」のバリエーションを徹底比較!

2022.09.09

ジョセフ チーニーの名作「ケンゴン」のバリエーションを徹底比較!
英国軍に供給実績のあるミリタリーラストに屈強なグレインカーフのレザーアッパー、高い防水性を誇るヴェルトショーンウェルト製法など、機能美に溢れるジョセフ チーニーを代表するミリタリーシューズ「ケンゴン Ⅱ R」。 ブリティッシュメイドでも人気を誇る本作の質実剛健なデザインを数々のモデルが継承しています。 その展開数の多さからも、唯一無二の存在感を放っています。 そこで今回は、ケンゴンのラインアップを集めて、ディテール比較をお届けします。

ケンゴンのバリエーションはいくつある?

ジョセフ チーニー ケンゴンのバリエーション

現在、ブリティッシュメイドで展開する「ケンゴン」という名前を冠するモデルは4つ。 代表的なミリタリーシューズ「ケンゴン Ⅱ R」、そして「ケンゴン Ⅱ R」をベースに作られたハイブリッドモデル「ケンゴン H」「ケンゴン 2GV」「ケンゴン H R」の4つ。 ちなみにケンゴンをベースにしたウィメンズのミリタリーシューズ「キスドン GV」を含めると5点も展開しています。このバリエーションの多さからも、ケンゴンの人気ぶりが伺えるはずです。 それでは一体これらの違いはどこにあるのか? 詳しく見ていきましょう。

ディテール比較 1:アッパーレザー

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 アッパーレザー (写真左から)
ケンゴン H:クロムエクセルレザー
ケンゴン H R:スエード
ケンゴン 2GV:ジュピターカーフ
ケンゴン Ⅱ R:グレインカーフ

パッと目に付いて大きく異なるのは、アッパーレザー。いずれのモデルも、採用されているレザーが異なります。

まず、「ケンゴン Ⅱ R」は立体感のあるグレインカーフレザー(シボ革)を採用しています。 タフなディテールと相まってより屈強な印象ですが、見た目だけではなく、傷や汚れも比較的目立ちにくいといったメリットもあり実用的です。 カジュアルシーンで、さらに天候が優れない日でも相性が良いでしょう。 こちらのグレインカーフは同じくミリタリーラストを採用した「マルバーン C」や、12508ラストのカントリーシューズ「エイボン C」、ウィメンズの「キスドン GV」というモデルにも採用されています。

一方で「ケンゴン H」は、クロムエクセルレザーと呼ばれる、しっとりとしたマットな表革を採用。 「ケンゴン 2GV」は、程よい主張のある格子状のエンボス加工が施されたレザーを採用。そして「ケンゴン H R」に関しては、品の良いブラウンスエードを採用しています。 「ケンゴン Ⅱ R」がカジュアルメインでの着用と考えると、「ケンゴン H」や「ケンゴン H R」などのHシリーズは、ジャケットスタイルにも合わせやすく、ビジネスシーンに取り入れやすい提案となっているのが特徴。 いずれも異なる種類のレザーですが、撥水性を有する、またはキズ汚れが比較的目立ちにくいといった実用面が継承されている点は見逃せません。

ディテール比較 2:木型

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 木型

靴のルックスを左右する大きなポイントの1つ、ラスト(木型)。 ケンゴンシリーズで使われているのは大きく分けて2種類。 「ケンゴン Ⅱ R」の4436ラスト(写真右)、「ケンゴン H」の175ラスト(左)です。

4436ラストは、英国軍にも提供していた実績から通称ミリタリーラストと呼ばれています。 ぽってり丸みのあるトゥバランスでボリューム感があり、木型のルーツからカントリーやミリタリーテイストのカジュアルシューズに採用されています。

175ラストは、全体的にバランスの取れたフォルムが魅力的。 トゥバランスもシャープな印象で、トラウザーズにも合わせやすくなっています。実はこちらの175ラストは、これまでに外羽根式のカジュアルシューズだけでなく、内羽根式のドレスシューズにも採用されていた実績があります。 ジーンズやチノトラウザーズはもちろん、スーツスタイルとも合わせやすく、ビジネスシーンでも着用できる端正なシェイプとなっています。

ケンゴン Ⅱ R:4436ラスト
ケンゴン H、ケンゴン 2GV、ケンゴン H R:175ラスト
キスドン GV:ウィメンズラスト

ディテール比較 3:ソール

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 アウトソール

アウトソールにも、様々な違いが。 今回のバリエーションからは3つご紹介。

「ケンゴン Ⅱ R」には厚さ3cm以上を誇るコマンドソール(写真中央)を採用しています。 ラバー(ゴム素材)のソールで、濡れた路面や山道といった悪路をものともしないミリタリーシューズに必須の機能性を備えています。 このコマンドソールと似たデザインのビブラムソール(写真左)を採用しているのが「ケンゴン 2GV」とウィメンズの「キスドン GV」。 ビブラム社のV-Liteと呼ばれる軽量コマンドソールで、革靴らしからぬ軽快な履き心地が特徴です。

そして「ケンゴン H」、「ケンゴン H R」にはダイナイトソール(写真右)を採用しています。 こちらもラバー素材のソールになりますが、横から見たルックスはフラットな印象で、レザーソールに近いドレッシーさをキープしていることが特徴。 その上で「ケンゴン Ⅱ R」と同じく、全天候型の機能性を備えています。

ケンゴン Ⅱ R:コマンドソール
ケンゴン H、 ケンゴン H R:ダイナイトソール
ケンゴン 2GV、キスドン GV:V-Lite コマンドソール

ディテール比較 4:ウェルト

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 ウェルト

ここからはケンゴンを語る上では欠かせない、細かなディテールをご紹介。 まずはウェルトの仕様。 「ケンゴン Ⅱ R」(写真右)はコバ周りにアッパーレザーを覆いかぶせるヴェルトショーンウェルト製法を採用しています。 レザーを一枚、ウェルトの上に被せることで防水防滴性をアップさせています。 このヴェルトショーンウェルト製法は、熟練の職人のみが行える特別な製法で、1日に作られる数も限られている希少な仕様と言えます。

そして、「ケンゴン H」「ケンゴン H R」「ケンゴン 2GV」はストームウェルトを採用しています。丸みを帯びたレザーでぐるりと一周パイピングされたような見た目となっています。 こちらもカントリーブーツなどに見られるディテールで、防塵防滴の機能を備えています。

ケンゴン Ⅱ R、 キスドン GV:ヴェルトショーンウェルト
ケンゴン H、 ケンゴン 2GV、 ケンゴン H R:ストームウェルト

ディテール比較 5:アイレット

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 アイレット

靴紐を通す部分にも比較ポイントが。 「ケンゴン Ⅱ R」(写真右)はハトメと呼ばれる金具を表出しにした装飾感のある仕様。 それに対して「ケンゴン H」(写真左)は内ハトメ仕様。 金具を内側にすることでフラットに見えるよう、こだわられています。 さらに、靴紐自体も「ケンゴン Ⅱ R」では太い丸紐が使用されているのに対して、「ケンゴン H」はロウ引きの細い丸紐が使用されています。 この点もボリュームか、スマートか、与える印象に関わってくる部分です。

ケンゴン Ⅱ R、 キスドン GV:外ハトメ、太幅の丸紐
ケンゴン H、 ケンゴン 2GV、 ケンゴン H R:内ハトメ、細幅の丸紐

4つのケンゴンの共通点は?
デザインの共通点

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 デザイン共通点

このように異なるディテールがある一方で、共通したディテールも存在しています。例えば、サイドから見たVステッチ。 このディテールは、ミリタリーをルーツに持つシューズに多く見受けられる特徴的なデザイン。 また、トゥのステッチに注目してみると、ツインステッチで仕上げられているのが分かります。 このツインステッチ仕上げは前述したVステッチも同様。 独特な存在感を放ちます。 この2つが「ケンゴン Ⅱ R」の代表的なディテールとして、いずれのモデルにも継承されています。

機能面の共通点

ジョセフ チーニー ケンゴン ディテール比較 機能面共通点

さらに、機能面で受け継がれた共通点も存在します。 その1つが甲部分のベローズタン。 舌革とも呼ばれるこのディテールは通常、外羽根式のシューズで着脱しやすいよう別々のパーツで作られるものを、一体化することにより、隙間からホコリなどを防ぐ役割があります。

また、オールアラウンドウェルトを採用しているのも特徴の一つ。 ぐるりと同じ仕様のウェルトを施すことで、防塵防滴機能を向上させているだけでなく、ミリタリーをルーツに持つ「ケンゴン Ⅱ R」らしいディテールとなっています。

このように「ケンゴン Ⅱ R」の質実剛健な機能性を、全てのモデルが継承しているのは魅力的なポイントです。

4つのケンゴン それぞれの着用シーンは?

ジョセフ チーニー ケンゴン ドレスカジュアル比較

今回は分かりやすように、ドレッシーな順番から並べました。オンオフで使いやすいブラックの表革の「ケンゴン H」が、中でも一番ドレッシー。そして、バーガンディーのグレインカーフ、コマンドソールを採用した「ケンゴン Ⅱ R」がカジュアルだと言えるでしょう。

注目したいのは、いずれも外羽根モデルであること。 つまり、前提としてはカジュアルな印象のシューズであるということです。 そこでドレスかカジュアルかを位置付けるのであれば、まずはアッパーのデザインやカラー、木型に注目すると良いでしょう。例えばこの場合、ブラックのクロムエクセル、ブラックのジュピターカーフ、ブラウンスエード、バーガンディーのグレインカーフといった順にドレッシーからカジュアルな印象になっていきます。

「ケンゴン Ⅱ R」がワーク、ミリタリーらしい質実剛健の1足なら、「ケンゴンH」を筆頭にハイブリッドシリーズは、機能性を継承したオールマイティーに活躍できるデザインが魅力。 カジュアル or オンオフ兼用といった、それぞれの魅力あるデザインが伺えます。

「ケンゴン Ⅱ R」の4436ラストが無料でご試着いただけます

ジョセフ チーニー ケンゴン ドレスカジュアル比較

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カジュアルシーンに合わせやすく、機能性に長けたケンゴンシリーズですが、同じようなデザイン、モデル名でも、たくさんの違いがあります。 今回ご紹介した5つの中から、ぜひお好みにあったケンゴンを見つけてください。

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