英国ミステリー シャーロックに妹がいるって知ってた? | BRITISH MADE

英国ミステリー シャーロックに妹がいるって知ってた?

2021.05.18

こんにちは、川合亮平です。

僕はよくわからないのですが、日本は今、ちょっとしたミステリー・ブームなんですかね?

なんとなくそんな気がしてるんですが。
ただの気のせいかしら。

まあ、どちらにせよ、(英国)ミステリーは、
ここ数年、僕自身のマイブームであることに変わりはありません。

今日は最近観た英国ミステリー映画を紹介します。

『Enola Holmes エノラ・ホームズの事件簿』

ワーナーブラザーズ製作で、もともとは劇場公開用作品だったとのこと。
でも、コロナの影響でその道を断念し、最終的にNetflixが配信権を獲得した、という背景があるようですよ。
いわゆる“Netflix印”になってるんですが、本質的には、そうではない作品ですね。

エノラ・ホームズって誰?ということですが、
エノラさんは、かの有名なシャーロック・ホームズの妹です。

「え!シャーロックに妹がいたの!?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

シャーロック・ホームズ原作(コナン・ドイル作)で、エノラさんの描写があるかどうかは定かではないのですが、

この『エノラ・ホームズ』シリーズはいわゆる“パスティーシュ”、つまり、元祖の原作者以外の手によって描かれる模倣作品の類です。

これから紹介する映画は2020年製作ですが、映画の元となっている書籍『エノラ・ホームズ』シリーズは、2006年から2010年にかけて、5作品が刊行されています。
作者はナンシー・スプリンガーさん。アメリカ人の方です。

エノラ・ホームズの事件簿 3つの魅力

魅力その1:明るく・ポジティブなメッセージ!

この映画の製作会社が米のワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズだからなのか、または、原作小説の著者がアメリカ人のナンシー・スプリンガーさんだからなのか、

理由は定かではありませんが、イギリス独特の、またはシャーロック特有の、“重々しさ”はこの作品には皆無です。

カラッと爽やかで、全体的に明るい仕上がりになっています。
ユーモアも良い感じ。

全体を貫く「自分の未来は自分で創る!」というメッセージが心地良く、後味が良い作品。

魅力その2:ヴィクトリア朝が素敵!

シャーロック・ホームズの時代設定はヴィクトリア朝ですが、この映画でもヴィクトリア朝が丁寧に表現されています。

コスチュームとかちょっとした小物、建築、ロンドンの街の景観、文化など。

“時代モノ”を観たときに味わえる、現実逃避感がこの作品でも存分に味わえます。

個人的には、ヴィクトリア朝時代のロンドンの景観・文化って、なんとなくホッとする、というか落ち着く感覚を覚えます。

ヴィクトリア朝時代が設定の映画といえば、

2019年公開の劇場版『ダウントン・アビー』もとってもおすすめですよ。

魅力その3:個性的なキャラクターたち!

ストーリーや演出もわるくないけど、僕個人的には、この映画はどちらかというと、いわゆる“キャラクター・ドリブン”、つまりキャラクター達の個性と魅力でグイグイ引っ張るタイプの作品、と評価しています。

主人公エノラ役のミリー・ボビー・ブラウンさん。
難しい役を見事にこなされていると感じました。
とってもチャーミングな方。
僕は未見なんですが大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス』で一躍有名になった俳優さんのようですね。
どことなくナタリー・ポートマンさんに似てると思うのは僕だけかしら。

そして、エノラのお母さん役、イギリスを代表する俳優の一人であるヘレナ・ボナム=カーターさんの存在感も期待通りでした。

エノラ・ホームズの事件簿 3つの関連情報

ちなみに1:
この映画のロケ地としては、ハートフォードシャーのAshridge Woodland(アシュリッジ森林地帯)、シュロップシャーの貴族屋敷 Benthall Hall(ベントホール・ホール)などが使われたようです。

ちなみに2:
今回の映画化を受けて、2010年から刊行がなかった原作本シリーズも新刊が発売になるようですよ。

2021年8月発売予定。
ちなみに3:
ティーンエイジャーの女性が主人公の爽やかなミステリー映画作品(しかも製作会社もワーナーで一緒)、という括りでこんな作品もあります。
『ナンシー・ドリューと秘密の階段』
原作は有名書籍シリーズ、明るく楽しくポジティブなメッセージ性がある、など、エノラ・ホームズとナンシー・ドリューは共通点が少なくないです。

ナンシーの映画も最近観たんですが、面白かったですよ。
40代の日本人男性は、完全に対象外の視聴者だと思うけど、それでもしっかり楽しめた!


英国ミステリーに首ったけ

いかがでしたでしょうか?

今回の記事では、
爽やかな英国ミステリー映画『Enola Holmes エノラ・ホームズの事件簿』を紹介しました。

(良い意味で)軽いタッチで楽しめる作品だと思います。

僕個人的には、世界観がとっても気に入ったので、続編を期待しているところです。
今の所、公式発表等のニュースはなさそうなので続編があるかどうかわからないのですが。

ともかく、英国ミステリー最高です。
良い作品があったら、またどしどし紹介しますね。
別に頼まれなくても。

川合亮平でした。

Text by R.Kawai


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川合 亮平

川合 亮平

(かわいりょうへい)

通訳者・東京在住

関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は10冊以上を数える。

通訳者としては直近で東京五輪関連のビジネス会議、アスリート通訳に携わる。その他、歌手のエド・シーラン、映画『ファンタビ』シリーズのエディ・レッドメイン、BBCドラマ『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、ヒットドラマ『ダウントン・アビー』の主要キャストなど、ミュージシャン、俳優への通訳・インタビューも多数手がけている。

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