レザーは手入れさえしていれば、一生付き合えるパートナー。しかし、間違った方法では真価を発揮できず、むしろ寿命が縮むことに。種類ごとの正解を知って、きちんと栄養補給することが大切。ブリティッシュメイドのスタッフに、ケアの基本を教えてもらった。
「レザーにはたくさんの種類、個性があり、それぞれに合ったメンテナンスが必要です。比較的ポピュラーなカーフレザーは、柔らかく馴染みやすい上に、革本来の自然な光沢感が魅力。反面、表面をコーティングしていない為、傷が入りやすく、雨に弱いのが欠点。
しかし、浅いダメージなら正しいケアによって目立たなくなりますし、かえって魅力になることも。ブラッシング後にクリーム、ポリッシングの順が基本となりますが、ブラシはできれば3つ使い分けを。ほこり落とし用、クリーム塗布用、磨き用です。革靴全般にいえることですが、靴ヒモは外し、シューキーパーで形を整えるまでが必須の準備です。磨く際は思っている以上に靴に圧がかかる為、しっかりと形をキープする必要があります。
ポリッシュドバインダーカーフやガラスレザーの類も、カーフ同様のメンテナンスが有効。ただ、表面がコーティングされている分、汚れや致命的ダメージがつきにくく、あまり神経質にならなくてもクリーンさをキープできます。とはいえ、怠るとヒビ割れが顕著なのでご注意を。しっかりクリームが染み込むよう、塗布後にしばらく寝かせるのがカーフと違うポイントです。
表面に浮き出たブルームが特徴となるブライドルレザーは、シューズ類よりカバンや革小物に使われることが多い素材。1000年以上前からイギリスにあるといわれている伝統の製法で、ロウが何度も重ねて塗り込まれています。堅牢さと高級感ある輝きが持ち味です。ブルームを残したままでも革自体に問題はありませんが、洋服につくと厄介。落としたほうが無難でしょう。ワックスを塗るのに1番おすすめなのは指。量がコントロールしやすく、感触でムラを探知できますので。
もっともデリケートなのがケープスキン。非常に柔らかく手触りも良いのですが、あまりプレッシャーをかけるのはNG。力を入れて磨くことはせず、優しくケアしてください。クリームは保湿性に優れているものが正解。余計な成分が入っておらず、保湿に重きを置いているものが相性良いです」
生後6ヶ月以内の仔牛の皮をなめした、最高クラスとされるレザー。キメ滑らかで傷が少なく、部位による差も少ない。ドレスシューズで好んで使われる素材。
■ブライドルレザー
馬術の盛んな英国で生まれ、かつては主に鞍用とされていた。堅牢性を高めるため、ワックスや牛脂などがすり込まれている。それらが表面に浮き出たブルームも特徴。
■ポリッシュドバインダーカーフ
チャーチが独自に開発の樹脂加工を施したカーフ。一般的な樹脂加工に比べ薄くコーティングしており、ベースになるカーフの上質さは損なわずに、耐久性や光沢などを強めている。
→ ポリッシュドバインダーカーフの魅力
■ケープスキン
元々は南アフリカのCape of Good Hope産の山羊のことを指していたが、今ではソフトなグローブ用のシープスキンをケープスキンと呼ぶ。柔軟性と肌なじみの良さが特徴。
1. チャーチのポリッシングミトン
ワックス後の磨きに使用。通常のクロスよりもソフトなので光沢が出やすい。
12,528円(税込)
2. チャーチのアプリケーターブラシ
コバなど細かい部分を磨く為の歯ブラシ型馬毛ブラシ。
各1,134円(税込)
3. チャーチのクレープスウェードブラシ
スウェードの汚れを落とすのに必要なゴム。
5,184円(税込)
4. グレンロイヤルのブラシ(S、M)
ブライドルレザーに最適で、ブルーム落としも可能。茶馬と白馬の混合毛。
S:3,024円(税込)、M:4,104円(税込)
5. グレンロイヤルのワックス
同社のブライドルレザー製品のお手入れ用に作られたワックス。
2,700円(税込)
6. チャーチのトラベルキットL
旅行先でも万全にシューケアができるセット。デイリーに使える充実ぶり。
18,036円(税込)
7.&11. チャーチのシューブラシ(S、L)
汎用性の高いホースヘア素材。目的や対象のサイズによって複数揃えたい。
S1,620円(税込)、L2,268円(税込)
8. チャーチのシュークリーム
革に栄養を与えて長持ちさせる。表面に皮膜を作るので保護的意味でも重要。
1,296円(税込)
9. チャーチのポリッシュワックス
靴色に合わせて選べ、光沢が強く出る。特にトゥやヒールのツヤ出しに効果的。
各756円(税込)
10. チャーチのチューブクリーム
先端にスポンジが付いており、直接シューズに塗布できる。靴に合った色を。
各1,296円(税込)
シューレースにクリームが付着し、汚れとなってしまうのを防ぐため。また、タンも革の為、手入れが必要。通常見えない部分なので着色クリームの試しはここで行うと良い。
2. シューキーパーを入れる
しっかり張らせることでアッパーの履きジワが伸び、クリームをムラなく延ばせるように。付属バネだけに任せるのではなく、シワが伸びる位置に来ているか確認することが大切。
3. 汚れをブラシで落とす
つま先方向に向かって、全体を撫でるように優しくブラッシングする。特に土踏まず部分のコバは、汚れが溜まるポイント。毛先が入り込むよう、ブラシのエッジを利用すると良い。
4. 靴と同色のクリームを塗る
柔らかい布にクリームをとり、少しずつ塗り込んでいく。面積の大きな部分から始め、あまりを細部に延ばす感覚で。負荷がかかっている、シワやハト目まわりは重点的に。
Point!
コバ、ステッチはクリームが残りやすい。指先を使って、丁寧に延ばすのが大切。残ってしまうとクレヨン状に固まり、見た目が良くないだけでなく、レザーの呼吸の妨げに。
5. ブラシ掛けでムラをなくす
クリーム塗布用のブラシで再びブラッシング。革の繊維に養分を浸透させ、余分なクリームが溜まるのも防ぐ。基本は円運動で、ステッチ部分やコバ、シワまで手を抜かず。
6. 清潔なブラシを使い磨き上げ
磨き用のクリーンなブラシを準備する。可能なら毛が柔らかいタイプを。ポリッシングミトンもおすすめ。極端に力は込めず、シュッシュッと毛先をスライドさせる感覚が正解。
7. 乾拭きして完成
手の中にクロスが収まるように畳み、圧をかけながらギュッギュと絞る感じで磨く。トゥやヒールといった芯材が入っている箇所なら、摩擦をかけるほど輝きが増すはず。
※後編では、「ブライドルレザー」「ポリッシュドバインダーカーフ」「ケープスキン」に適したお手入れ法をご紹介します。 https://www.british-made.jp/stories/fashion/20151222004034
メンテナンスアイテムを見る
「レザーにはたくさんの種類、個性があり、それぞれに合ったメンテナンスが必要です。比較的ポピュラーなカーフレザーは、柔らかく馴染みやすい上に、革本来の自然な光沢感が魅力。反面、表面をコーティングしていない為、傷が入りやすく、雨に弱いのが欠点。
しかし、浅いダメージなら正しいケアによって目立たなくなりますし、かえって魅力になることも。ブラッシング後にクリーム、ポリッシングの順が基本となりますが、ブラシはできれば3つ使い分けを。ほこり落とし用、クリーム塗布用、磨き用です。革靴全般にいえることですが、靴ヒモは外し、シューキーパーで形を整えるまでが必須の準備です。磨く際は思っている以上に靴に圧がかかる為、しっかりと形をキープする必要があります。
ポリッシュドバインダーカーフやガラスレザーの類も、カーフ同様のメンテナンスが有効。ただ、表面がコーティングされている分、汚れや致命的ダメージがつきにくく、あまり神経質にならなくてもクリーンさをキープできます。とはいえ、怠るとヒビ割れが顕著なのでご注意を。しっかりクリームが染み込むよう、塗布後にしばらく寝かせるのがカーフと違うポイントです。
表面に浮き出たブルームが特徴となるブライドルレザーは、シューズ類よりカバンや革小物に使われることが多い素材。1000年以上前からイギリスにあるといわれている伝統の製法で、ロウが何度も重ねて塗り込まれています。堅牢さと高級感ある輝きが持ち味です。ブルームを残したままでも革自体に問題はありませんが、洋服につくと厄介。落としたほうが無難でしょう。ワックスを塗るのに1番おすすめなのは指。量がコントロールしやすく、感触でムラを探知できますので。
もっともデリケートなのがケープスキン。非常に柔らかく手触りも良いのですが、あまりプレッシャーをかけるのはNG。力を入れて磨くことはせず、優しくケアしてください。クリームは保湿性に優れているものが正解。余計な成分が入っておらず、保湿に重きを置いているものが相性良いです」
レザーの種類と特徴
■カーフレザー生後6ヶ月以内の仔牛の皮をなめした、最高クラスとされるレザー。キメ滑らかで傷が少なく、部位による差も少ない。ドレスシューズで好んで使われる素材。
■ブライドルレザー
馬術の盛んな英国で生まれ、かつては主に鞍用とされていた。堅牢性を高めるため、ワックスや牛脂などがすり込まれている。それらが表面に浮き出たブルームも特徴。
■ポリッシュドバインダーカーフ
チャーチが独自に開発の樹脂加工を施したカーフ。一般的な樹脂加工に比べ薄くコーティングしており、ベースになるカーフの上質さは損なわずに、耐久性や光沢などを強めている。
→ ポリッシュドバインダーカーフの魅力
■ケープスキン
元々は南アフリカのCape of Good Hope産の山羊のことを指していたが、今ではソフトなグローブ用のシープスキンをケープスキンと呼ぶ。柔軟性と肌なじみの良さが特徴。
持っておきたい基本グッズ
右側から左回りに、1. チャーチのポリッシングミトン
ワックス後の磨きに使用。通常のクロスよりもソフトなので光沢が出やすい。
12,528円(税込)
2. チャーチのアプリケーターブラシ
コバなど細かい部分を磨く為の歯ブラシ型馬毛ブラシ。
各1,134円(税込)
3. チャーチのクレープスウェードブラシ
スウェードの汚れを落とすのに必要なゴム。
5,184円(税込)
4. グレンロイヤルのブラシ(S、M)
ブライドルレザーに最適で、ブルーム落としも可能。茶馬と白馬の混合毛。
S:3,024円(税込)、M:4,104円(税込)
5. グレンロイヤルのワックス
同社のブライドルレザー製品のお手入れ用に作られたワックス。
2,700円(税込)
6. チャーチのトラベルキットL
旅行先でも万全にシューケアができるセット。デイリーに使える充実ぶり。
18,036円(税込)
7.&11. チャーチのシューブラシ(S、L)
汎用性の高いホースヘア素材。目的や対象のサイズによって複数揃えたい。
S1,620円(税込)、L2,268円(税込)
8. チャーチのシュークリーム
革に栄養を与えて長持ちさせる。表面に皮膜を作るので保護的意味でも重要。
1,296円(税込)
9. チャーチのポリッシュワックス
靴色に合わせて選べ、光沢が強く出る。特にトゥやヒールのツヤ出しに効果的。
各756円(税込)
10. チャーチのチューブクリーム
先端にスポンジが付いており、直接シューズに塗布できる。靴に合った色を。
各1,296円(税込)
■カーフレザー
1. シューレースを外すシューレースにクリームが付着し、汚れとなってしまうのを防ぐため。また、タンも革の為、手入れが必要。通常見えない部分なので着色クリームの試しはここで行うと良い。
2. シューキーパーを入れる
しっかり張らせることでアッパーの履きジワが伸び、クリームをムラなく延ばせるように。付属バネだけに任せるのではなく、シワが伸びる位置に来ているか確認することが大切。
3. 汚れをブラシで落とす
つま先方向に向かって、全体を撫でるように優しくブラッシングする。特に土踏まず部分のコバは、汚れが溜まるポイント。毛先が入り込むよう、ブラシのエッジを利用すると良い。
4. 靴と同色のクリームを塗る
柔らかい布にクリームをとり、少しずつ塗り込んでいく。面積の大きな部分から始め、あまりを細部に延ばす感覚で。負荷がかかっている、シワやハト目まわりは重点的に。
Point!
コバ、ステッチはクリームが残りやすい。指先を使って、丁寧に延ばすのが大切。残ってしまうとクレヨン状に固まり、見た目が良くないだけでなく、レザーの呼吸の妨げに。
5. ブラシ掛けでムラをなくす
クリーム塗布用のブラシで再びブラッシング。革の繊維に養分を浸透させ、余分なクリームが溜まるのも防ぐ。基本は円運動で、ステッチ部分やコバ、シワまで手を抜かず。
6. 清潔なブラシを使い磨き上げ
磨き用のクリーンなブラシを準備する。可能なら毛が柔らかいタイプを。ポリッシングミトンもおすすめ。極端に力は込めず、シュッシュッと毛先をスライドさせる感覚が正解。
7. 乾拭きして完成
手の中にクロスが収まるように畳み、圧をかけながらギュッギュと絞る感じで磨く。トゥやヒールといった芯材が入っている箇所なら、摩擦をかけるほど輝きが増すはず。
※後編では、「ブライドルレザー」「ポリッシュドバインダーカーフ」「ケープスキン」に適したお手入れ法をご紹介します。 https://www.british-made.jp/stories/fashion/20151222004034
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