2018.05.15

川合亮平、僕のUK観光道 僕がイギリス英語を話すためにやった3つのことと、やらなかった3つのこと

こんにちは。川合亮平です。

たまには良いこともあるもんだなぁと思った出来事。

先日、BRITISH MADEさんの『英国靴トークライブ』の通訳をさせていただいたんですね。
そのお仕事自体、非常に有意義でやり甲斐を感じられたんですが、その出来事は、トークライブ開始直前に起こりました。

トークライブを聞きにいらっしゃった一人の(僕より)若い男性をBRITISH MADEのS氏にご紹介いただいたんです。
(結局、彼は急用ができたということで、本編には残念ながら参加できなかったんですが)

ご挨拶をして話をお伺いすると、もうすぐロンドンへ社会人留学に行かれるとのことで、(たぶん)その準備の一環として僕の著書『本場のイギリス英語を聞く』を熱心にご活用頂いていました。

“熱心に”って、なぜわかったかっていうと、その方の本の中身をチラッと拝見したところ、ハイライトがそこかしこにものすごく几帳面に引かれてあったのです。

「著者に会うから、サラピンで開いたこともないような本を見せるのはあれやし、ちょっと申し訳程度にハイライトでも引いとこか」レベルじゃ全然なく(ほんと全然なく)、鋭い集中力で濃密な時間をその本の上で過ごしていらっしゃるのがありありとわかるレベルのハイライトです。
(そういう熱量ってだいたいわかるでしょ?例えば、高校生A君、B君の教科書を見比べた時、A君の教科書は几帳面にハイライト&丁寧に書き込みがなされてあり、B君の教科書は無意味にボロく、ページよっては雨にさらしたようなパリパリのページがあったり、読解不能な象形文字的何かが書かれてあったり。
そういう教科書の“あり方”でどっちが勉強できるかがおおよそ分かるのと同じように‥‥。)

とまれ、
そう言う風に使い込まれた自分の著作に出会えるというのは、ホントに著者冥利につきる経験でした。
バトンを持って一生懸命走ってきて、そのバトンを次の走者に実に滑らかに、しっかりと手渡せた時のような気分。
まさに、このような方のために、僕はこの本を作ったんだなと実感し、心から感激しました。

もちろん僕としては、“イギリス英語を身に付けたいならコレが一番!”というものを作った自信も確信も満々ではあるんですが、それが読者に伝わっているのかどうか、というのはすごく分かりずらいんですよね、正味の話。

それゆえ、心がモヤモヤするときもあるんですけど、今回の読者の方との出会いで、そのモヤモヤがすっと晴れた感じがしました。キラキラした太陽の光が射した。
あぁ、自分が信じたものをやっていて本当によかったなぁ、と。

そんなわけで、今回の記事では、僕がイギリス英語を話す能力を高める過程で(それは今も続いているけど)個人的にやったこと(やっていること)、やらなかったことを書いてみます。

確かな自信を持って伝えられる内容ではあるけど、あくまで個人的なことなんで、普遍性がどこまであるかわかりませんが、何かの参考になれば嬉しいな。
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□ 僕がイギリス英語を話すためにやった3つのこと

● 精聴(せいちょう)& 音読

しっかり意味を理解している素材を、繰り返し(自然に覚えてしまうくらいまで)聴く、というアクションを精聴といいます。 さらに、具体的なスピーキング力に結びつけるには、精聴で使っている素材を、音読またはシャドーイングします。繰り返し・繰り返し。
僕は20年ほど前は、このメニューを英語力向上作戦のメインにしていました。精聴 & 音読 (略してS&O作戦)。
僕がこだわっていたポイントは、精聴・音読する素材はリアルなもの(つまり、教材用にナレーターが吹き込んだものではない)、そして、自分がリアルに興味を持てる内容である、という2つの点です。
あと、大切なのは、自分がアウトプットしたい内容のものを、インプットする、ということです。僕はとにかくナチュラルで流暢な英語をアウトプットしたかったんで、生の素材のインプットにこだわってたんです。
インプットとアウトプットが繋がっているというのは、ほぼ生理現象のようなもので、当たり前のことだと思うんだけど、この発想が抜けている人が案外多いのかな、という個人的印象です。

● 多(視)聴

ある程度リスニング力がついてきたら多聴は絶大なる効果を発揮します。逆に言うと、確かでブレない英語力(特にリスニング力&スピーキング力)を培うのに多聴は避けて通れない、とも思っています。
多聴といっても、聞き流しじゃないですよ。聞き流しは基本効果がないのでね。
(英語力というのは、『英語に触れた量 x 集中力』で決まるというのが僕の持論(実感)なんですが、聞き流しは、集中力が限りなくゼロに近いでしょ?ゼロに何をかけてもゼロになる、だから聞き流しは効果なし、ということです)

多聴に効果を求めるのであれば、あくまで、ある程度の集中力を持って、言い換えれば、内容を理解しようと思いながら聞いている、というのが前提です。僕は、15年ほど前からお気に入りのBBC Podcast番組を複数選んで多聴してます。当時会社員だった頃は、往復2時間の通勤時間は全部、基本的にはBBC Podcast多聴にあててたかな。英語力アップという実益ももちろんあるんだけど、やっぱり基本は“それが楽しいから”という気持ちで聴いてました。そして、その姿勢は英語力アップにめちゃくちゃ大切だと思います。
当時「Adam & Joe Show」という番組(もう終了しましたが)が特に大好きだったなぁ。最初聴き始めた頃は多分30%くらいしか理解できてなかったと思うんだけど、数年継続的に聴き続けていると、7,80%は分かるようになってましたよ。多聴ってそういうもんなんですよ。

多聴のこだわりポイントも、精聴と一緒です。キーワードは“生の素材”と“自分の興味”ですね。
あと、海外ドラマとか映画の多“視”聴もものすごく良いと思う。その場合は日本語字幕はOFFでね。

● モノマネ

母語じゃない、第2言語をうまく話す秘密って、結局モノマネじゃないのかな、と思っています。
最初から自分のオリジナリティ(=英語を話す自分)を立ち上げるのってめちゃくちゃ難しいしハードルが高い。だから、最初は“誰かみたいに”話すことを意識すると、割に話しやすいと思います(少なくとも僕はそうです)。そうこうしてるうちに、自分の話し方が自然に形創られてくると思います。僕の場合は、色々遍歴はあるんだけど、最初はヒュー・グラントだったなぁ。それから、ジェイミー・オリヴァー、マーティン・フリーマン、リッキー・ジャヴェイス、そして、妻のお父さんも。
モノマネのポイントは、What(何を話すか)というより、How(どのように話すか)だと思います。
そうそう、英語スピーキング力におけるHowの割合って、見過ごされがちだけど、僕はものすごく大きくて、大切だと思っているんです。ちょっと漠然としているけど、ピンと来た人は、気にしてみる(考えてみる)価値はあると思いますよ。

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□ 僕がイギリス英語を話すためにやらなかった3つのこと

● 模範的なイギリス英語の真似をする

例えば、クイーンズ・イングリッシュじゃなきゃいけないのでは?とか思う人がいたら、「いや、誰がなんと言おうと自分に個人的にしっくりくる英語ならなでも良いんじゃないですか?」と僕は言いたいですね。事実、僕はいわゆるあまり品が良いとされていない“イーストロンドン”の英語を(半ばわざと)話すんですが、それで良いと思ってますし、これまで困ったことはない(特徴があって覚えてもらいやすいという得こそあれ)。この前も、英国靴トークライブの時、英国ジェントルマンであるウィリアム・チャーチ氏(チーニーの現オーナー)に、「あなた、イーストロンドンの英語だね」とあくまでポジティブな感想として言って頂きましたよ。

● 単語を覚える

スピーキング力向上の方法論は色々あると思いますし、いわゆる受験勉強的な単語の暗記がスピーキング力の向上に結びつく場合もなくはないと想像しますが、僕個人としては、機械的な単語の暗記がスピーキング力向上に結びつくという実感も体験もありません。
じゃあ、川合はどのようにして今の単語力を持つに至ったのか?(いや、別に大した単語力持ってるわけではないんですけどね)
答えはとても単純で、精聴とか多聴をしている過程で(使える)語彙力が自然に増えていったと実感しています。
より具体的に解説すると、あくまで実質的な内容とリアルな感情を持ったコンテクストの中で単語に触れる・理解するのが、使える語彙力を増やすキーだというのが僕の経験則です。

● 英会話学校に通う

通わない理由は、自分一人でできるから、ということですね。英会話学校に通った“だけ”で英語ができるようになった人って、僕は個人的に出会ったことがないなぁ。

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さて、いかがでしたでしょうか?
あくまで個人的体験に基づくものなので、
「うぅん、アプローチがちょっと硬派過ぎやしませんか?」とか、
「おれとは真逆の考え方だ!」とか、
「まずい!もう1杯!」とか思われる箇所もあったかもしれません。
そういう部分は遠慮なく無視してくださいね。一番大切なのは、“自分がしっくりくる”方法を信じて、それを継続することなので。
でも、何らかのご参考になったとしたら嬉しいです。

では、次回は観光地でお会いできるかな、どうかな。川合亮平でした。

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<質問募集!>

今回はいつもとは違うテーマ『イギリス英語学習』で書いてみたわけですが、熱心に読んで頂いた方の中には、質問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

以下のサイトから、気軽に・匿名で僕に質問が送れますのでよろしければお送りください。

https://ryoheikawai.sarahah.com/

締め切り:5月21日(月)正午

●注意事項:
以下、あらかじめご了承ください。
―採用になった質問は、当連載webページ(その他ツイッターなど)で紹介させていただきます。
―採用通知は特にご連絡は差し上げません。
―採用にならない場合もあります。

Text&Photo by R.Kawai

トークライブ・とっておきの夏のロンドンの過ごし方ベスト3
川合亮平さんと旅行ライター&フリーランスエディターの木谷 朋子さんをお招きして、お二人それぞれの「とっておきの夏のロンドンの過ごし方」を語っていただきます。
日程:2018年5月20日(日)
時間:11:10~12:20(トーク時間約60分)
詳細は以下URLから
https://www.british-made.jp/fs/british/gd2182

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川合 亮平

川合 亮平

(かわいりょうへい)

大阪市出身・東京在住のフリーランサー。

SNSを中心に大きな話題となった『なんでやねんを英語で言えますか?』
(KADOKAWA)をはじめ、著書・翻訳書・関連書は現在9冊。

通訳者・翻訳者、トラベルジャーナリストとしての活動の他、ベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマンをはじめ、歌手のエド・シーランなど、イギリス出身の俳優・ミュージシャンへの英語インタビューも多数手がけている。

イギリス英語と大阪弁を話すのが特徴。

出版物
著書 「なんでやねんを英語で言えますか?」「本場のイギリス英語を聞く」「つながる英会話」

翻訳書「世界名作”ひとこと”劇場」
監修「自分つっこみクマの のんびりシンプル英会話」など

共著 「イギリス英語を聞くThe Red Book」「イギリス英語を聞くThe Blue Book」

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