ロックダウンを乗り切るにはイベントが欠かせない!? | BRITISH MADE

English Garden Diary ロックダウンを乗り切るにはイベントが欠かせない!?

2021.02.12

2021年2月現在。イングランドはまだロックダウンが続いています。外出規制や学校閉鎖(現在の予定では3月7日まで)など、不便はありますが、そんな中でも、人々は、例年通りの楽しいイベントを忘れることはありません。というより、家にこもっている期間、少しでも楽しく、明るくするために、出来うる限りの行事を楽しもうという人が多いのかもしれません。

バレンタインになくてはならないカード

2月のイベントといえば、何と言ってもバレンタインデー。イギリスのバレンタインデーは「女性が男性にチョコレートを贈る」「義理でチョコレートを送る」といった日本の習慣とはかなり違います。

もちろんイギリスにおいてもこの日は「愛を伝える日」。ただし、男女どちらから告白してもよく、その際にはカードを贈るというのが伝統です。ただし、そのカードには、決して自分の名前を書いてはいけません。あくまでも、自分の思いだけを綴って、名前は伏せておくのです。そして、カードを受け取った相手は「送り主は誰?」と、どきどきしながら送り主の顔を思い浮かべるのです。

歴史をたどってみると、イギリスで最初に贈られたバレンタインのカードは、1415年、アジャンクールの戦いにより捕虜としてロンドン塔に幽閉されていた、フランス人のチャールズ(デューク・オブ・オリオン)が妻に宛てて贈った手書きの詩だと言われています。

そして、英語で書かれた最初(と思われる)のものとしては、1477年にノーフォークの女性がフィアンセに宛てたバレンタインのメッセージが、現在、大英図書館に所蔵されています。
バレンタイン 電子メッセージが当たり前になっても、イギリスではカードを送り合う習慣はまだまだ健在。

現代のイギリスでは、片思いの人だけでなく、すでにカップルの人たちも、カードを送り合います。それが結婚して長い年月の経ったカップルであってもです。むしろ、長年連れ添った相手がバレンタインデーにカードやプレゼントを送らないと「もう愛していないのね」と、トラブルにだってなりかねません。

ちなみに、どんな言葉をカードに書くのかというと……。
愛の告白にマニュアルはありませんから、自分の気持ちを正直に書いて大丈夫。もちろん、イギリス人の中には、ロマンティックな詩の一節を写して書く人もいるようです。

また、市販のカードにはたいてい中にメッセージが印刷されているので、「英語で愛の告白なんてちょっと自信がない…」という人は、そういったカードを利用するのが無難です。

よく使われるフレーズは“Be my Valentine” “My Heart be longs to you”といったメッセージ。イギリス人の真似をしたい方は覚えておいてください。

また、以前、義父が教えてくれたのが、封筒の裏に“SWALK”という文字を書くということ。

義父が十代の頃には、恋に目覚め始めた若者たちがバレンタインにカードを贈るとき、封をしたカードに“SWALK”を記すことがあったのだとか。意味はといえば、S=Sealed, W=with, A=A, L=Loving, K=Kiss。

現在、これを書いている人は少ないと思いますが、なんともロマンティックですよね。ちなみにこの“SWALK”、日本で1970年代に人気となった映画『小さな恋のメロディ』の原題だったそうです。
バレンタイン SWALKのメッセージ、ある世代より下だと、知らない人の方が多いかも?

カードだけではなく、バレンタインにプレゼントを贈るというのはイギリスでも一般的。でも、プレゼントの内容は、日本のようにチョコレート一色ではなく、花、ケーキ、香水など、さまざまです。もちろん、プレゼントは女性から男性へとは限らず、多くの男性が女性にプレゼントを贈りますし、カップルはお互いにプレゼントを交換しあいます。

男性から女性へのバレンタインのギフトの中で、最も伝統的でポピュラーなもののひとつと言えば、やはり赤バラでしょう。1本だけでも十分ですが、より深い愛の表現をしたいなら“Adozenroses(1ダースのバラの花束)”というのも、女性に喜ばれること間違いありません。

バレンタインデーに花を贈る習慣ができたのは、17世紀頃のことと言われていますが、中でも赤いバラが愛の告白のメッセンジャーとして選ばれるのは、愛を司る神ヴィーナスのお気に入りの花が赤いバラだということ、また、赤い色は強い愛情を示すことから、相手への深い愛の象徴ととらえられているためだと言います。

イギリスでは、バレンタインの時期には花屋さんはもちろん、スーパーで売られているものさえ、普段の2倍以上の値段がつけられることもある赤いバラ。でも「真実の愛」を示すのにそのくらいの出費は当たり前、と思う人も多いのか、一説によると、イギリスではバレンタインデーには700万本もの赤いバラが贈られているとのことです。

普段でも男性が女性に花を贈るというのは珍しいことではありません。それでも、バレンタインデー前に花屋さんやスーパーの一角に溢れるように陳列された赤バラの花束を見ると、バレンタインデーに花束を贈る人の多さに驚きと感動を覚えます。
バレンタイン 12本の薔薇は愛の証。

また、恋人や夫婦などすでにカップルとなっている人たちは、バレンタインデーには素敵なレストランでスペシャルディナーを楽しむというのもイギリス流。バレンタインデーにレストランに出かけたら、周りがカップルばかりというのはよくあること。
イギリスのカップルにとっては、オシャレをして素敵なレストランで食事をし、ロマンティックなムードに浸るというのが、バレンタインデーのお約束とも言えるのです。そのため、多くのレストランではバレンタインのスペシャルメニューを準備しています。

今年はロックダウン中のため、残念ながら外食はできませんが、それでもきっと多くのカップルがロマンティックな日を過ごすに違いありません。

パンケーキを食べる日とは?

2月のもうひとつ大事な行事といえば「パンケーキ・デー」。文字通りパンケーキを食べる日なのですが、通常であれば、この日はパンケーキを載せたフライパンを持って走る「パンケーキ・レース」という風変わりな競争が、イギリス各地で行われていました。

2月の行事と書きましたが、今年がたまたま2月ということで、パンケーキの日は毎年変わります。というのもパンケーキ・デーは、本来、復活祭(イースター)の47日前「告解の火曜日」と呼ばれる日のことなのです。イースターの日は毎年変わるため、パンケーキ・デーもそれに合わせて日にちが変わります。そもそもは、翌日から始まるレント(四旬節)の断食に備え、台所にある卵や乳製品を使い切るためめにパンケーキを焼いたのが、その始まりだと言われています。
パンケーキ イギリスのパンケーキはとても薄く、日本でいうクレープのような感じ。これにレモン果汁を絞って、砂糖をかけて食べるのがイギリス流。
パンケーキ用のフライパン パンケーキ専用のフライパンまで売られています。

このパンケーキ・レースでとくに有名なのが、イングランド南東部バッキンガムシャーにあるオルニーという場所です。ここでのレースは1445年から続いているという歴史あるもの。参加者は、伝統にのっとった三角巾にエプロンとスカートといういでたちで、本物のパンケーキの載ったフライパンを持ち、レース途中で3回パンケーキをひっくり返すというのがルールです。

レース当日は、世界中から観光客やマスコミが押し掛け、小さな町は毎年大にぎわいとなるのですが、残念ながら今年のレースはキャンセル。2022年3月1日のパンケーキデイには、再開されることを祈ります。 (来年は2月のイベントではなく、3月のイベントとなりますね。)
オルニーのパンケーキレースの様子はこちらの動画でご覧いただけます。
*オルニーのパンケーキレースウェブサイト
http://olneypancakerace.org/


Photo&Text by Mami McGuinness


plofile
マクギネス真美

マクギネス真美

イギリス在住18年のライター、ライフコーチ。東京での雑誌編集を経て渡英。 2004年よりイギリスを拠点に多媒体にて企画、編集、取材、執筆、コーディネイト、撮影を手がける。テーマはライフスタイル、ガーデニング、料理、人物インタビューや旅ガイドなど。メディアを問わず、イギリスの素敵なひと、場所、ものごとをひとりでも多くの方に伝えたいと活動している。『英国ニュースダイジェスト』ではイギリスの食に関するコラム「英国の口福を探して」を5年にわたり連載。イギリス料理についてのセミナー講師をしたり、文化放送、NHKラジオ、TOKYO FM等のラジオ番組に出演も。コーチングにより人生再起動ができた経験を経て、現在はライフコーチとして、人生をより良く生きたい方へのサポートも行っている。

▶︎ mamimcguinness.com
▶︎ twitter
▶︎ Facebook
▶︎ Instagram
▶︎ note

マクギネス真美さんの
記事一覧はこちら

同じカテゴリの最新記事