G・ブルース・ボイヤーが語るレップタイの歴史 | Drake’s銀座店 | BRITISH MADE Staff blog

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G・ブルース・ボイヤーが語るレップタイの歴史 | Drake’s銀座店

文・G. Bruce Boyer

 

ストライプのレップタイはブリティッシュワードローブにおいて間違いなくクラシカルなネックウェアです。でも、実は”repp”というこの言葉は学術用語でした。多くの人はrepp=repetition(訳:繰り返し、反復、複写等)のミススペルの省略で、ネックウェアに関連するストライプパターンだと考えているでしょう。

しかし、”repp”という言葉はスペル自体は正しく、本当はシルク素材に繰り返される畝のことを指します。事実、”repp silk”とは柄の入っていないものも指すことがあります。つまり、reppとは柄ではなく素材のことなのです。

Navy, White and Brown Stripe Repp Silk Tie ¥27,000(税込)

最近ずっとレップタイが気になっているのですが、そのわけはファッション学者の紹介で「The Book of Public School Old Boys, University, Navy, Army, Air Force, and Club Ties [London, 1968]」という本と出会ったからです。その本の中にはクラシックなテイストで、美しく大々的にその時代の英国や他国の様々な学校、軍、クラブなど749本ものタイが描かれていました。それらのタイは1889年の私立高のものから1947年のヨーク大学のものまでに至ります。

ストライプのレップタイは諸説ありますが、中世の騎士たちが身につけていた紋章の色に起源するとされています。紋章には彼らの忠誠心の表明と戦地における簡単な身元確認ができる証明の意味があったそうです。

それからずっとあとの19世紀、ストライプタイは学校やスポーツと結びつけられるようになります。例えば、ジョッキーが身に付けるウェアの色だったり、Oxford大学のボートやクリケットクラブといった様々なスポーツ協会などです。

Navy, Blue and Gold Triple Stripe Silk Tie ¥24,840(税込)

今日、戦いの場は会議室や議会のような場になっており、学校などの教育機関への所属を表していたタイはそれ以上を表現するものとなっています。それは形式的で粋な表現であり、個々の美学、言うならば現在の伝統的なスタイルなのでしょう。スタイルに明確なものはなく、色使いやその組み合わせの微妙なディテールの中にあります。

よくフィットした肩や美しくバランスのとれたラペル、ミリ単位で計算されたシャツの襟、自然に挿したポケットチーフ。粋で完璧なタイとは大胆でありつつ派手ではなく、気づかれないくらいさりげないこと。さらに直接的な表現をすれば、厳密に計算されたものではなく、おそらく少しの知性によって自然な雰囲気で身に纏うことのできるもののことでしょう。そして、ジャケットやスーツのワードローブの中にレップタイ以上のものはないと言えるはずです。

 


ドレイクス銀座店にもレップタイが例年以上に豊富に揃っています。ぜひ店頭でお試しください。

Drake’s 銀座店 尾山

 

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