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あらゆる角度で徹底比較!ジョセフ チーニーの“ケンゴン Ⅱ R”と“ケンゴン H”

JOSEPH CHEANEY – CAIRNGORM H ¥71,000(税抜)

昨年から品薄状態が続いている“ケンゴン Ⅱ R”と今季デビューから飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を博している“ケンゴン H”(ハイブリッド)”

本日は改めてこの二つの違う部分と同じ部分を比較、検証していきたいと思います。

まずは、違う部分から。

 

違いその1:ラスト(木型)

左:JOSEPH CHEANEY – CAIRNGORM Ⅱ R ¥71,000(税抜)
右:JOSEPH CHEANEY – CAIRNGORM H ¥71,000(税抜)

“ケンゴンⅡ R”は75年以上前からジョセフ チーニーに存在したと言われている4436ラスト。これはチーニーが英国軍に共有していたモデルにも採用していたといわれています。対して“ケンゴンH”には175ラストが採用されています。175ラストは英国では主に外羽根式のややカジュアルなモデルに採用されることが多かった反面、一部、内羽根式モデルにも採用されており、まさに、オンオフ兼用の絶妙なトゥボリュームを持つラストです。

今までに多くのブランドのOEMやセレクトショップの別注モデルにも採用実績のあるラストです。以前、服飾評論家の飯野高広さんとお話する機会があり、お持ちのチーニーのシューズをお伺いしたところ、J.PRESSのダブルネーム、内羽根式フルブローグをお持ちでした。そしてそのモデルに採用されていたのが、この175ラストです。

20年近く前にニューヨークで購入したものとのこと。その靴の写真がこちら。

 

違いその2:アッパー

“ケンゴンⅡ R”にはウェインハイマー社 グレインカーフ。“ケンゴン H”にはホーウィン社 クロムエクセル。どちらもタフなレザーですが、大きく違うのはシボかスムースかという点。シボ革はチーニーに限らず、多くのシューメーカーでカントリーライクなモデルに採用されることが多く、対してスムースレザーはカーフに代表されるように、ドレス靴に使われることが多い素材です。
しかし、通常のカーフだと、表情はオンよりになるが、機能的に本来のケンゴンの良さが伝わらないということで選ばれたのが、クロムエクセル。元々ワークブーツ等に採用されることが多いレザーです。油分を多く含む為、撥水性が高いのが特徴。

 

違いその3:ソール

“ケンゴンⅡ R”にはイッツシェイド社のコマンドソール。“ケンゴン H”にはハルボロ・ラバー社 ダイナイトソール。どちらもイギリスメーカーが生産する、雨の日でも着用できるメリットがある実用的なラバーソールですが、ルックスの与える印象は大きく異なります。コマンドソールはワークブーツなどに採用される屈強な印象に対して、ダイナイトソールはレザーソールさながらのサイドビューで、ドレスシューズにも採用されることが多いソールです。
よりオンオフ兼用で着用できるという部分にフォーカスしながら、ケンゴン本来の実用面をキープするように、ダイナイトソールが選ばれました。接地面が少なく、濡れた路面でもグリップ力を保ってくれるのが特徴。

 

違いその4:ウェルト

“ケンゴンⅡ R”にはヴェルトショーンウェルト。“ケンゴン H”にはストームウェルト。どちらも雨に強いのが特徴ですが、ここでも与える印象は異なります。ヴェルトショーンウェルトはミリタリーシューズらしさが際立つ仕様ですが、ストームウェルトは一般的にも良く採用されるウェルトの一つです。ケンゴンHはオンオフ兼用という目的の元、よりプレーンな印象となるウェルトに変更しています。

 

違いその5:ハトメ

“ケンゴンⅡ R”が外ハトメに対し、“ケンゴン H”には内ハトメ。通常、カジュアルシーンでの着用が想定される外羽根のシューズには、外ハトメ仕様であることが多い傾向です。金具を外に見せることによって、装飾感を演出し、よりカジュアルな印象となります。それに対し、内ハトメはすっきりとした印象からドレスシューズに採用されます。細かな部分ではありますが、この繊細なディテールのモディファイドによって、“ケンゴン H”は、よりスマートな顔つきへと仕上がっています。

 

違いその6:ヒールライニング

“ケンゴンⅡ R”がナチュラルカラーに素押しのブランドロゴ、“ケンゴン H”にはオールブラックのヒールライニングを採用しています。ジョセフ チーニーのインラインコレクションでもナチュラルカラーのライニングを多く採用していますが、オールブラック、かつ素押しのブランドロゴを取り入れることで見えない部分も徹底的にシックな演出を施しています。あらゆる角度から見てもブラックのカラーリングなのも特徴です。

 

違いその7:紐

“ケンゴンⅡ R”には太くボリュームのある丸紐。“ケンゴン H”にはロウ引きの細い丸紐を採用。太い丸紐は屈強なイメージから、カントリーブーツなどに多く使われています。反対に、ロウ引き加工の細い丸紐はラスト125などを筆頭にドレスシューズに多く使われています。それを“ケンゴン H”に採用することによって、ドレスライクな印象を添えてくれるため、よりビジネスシーンにも着用しやすくなります。

そして同じ部分はというと。

 

共通点その1:ステッチデザイン

特徴的なキャップトゥとサイドに配されたダブルのツインステッチは“ケンゴンⅡ R”の仕様をそのまま継承されています。一般的なキャップトゥに対してツインステッチ×2の計4本のラインが描かれ、ドレスシューズとは一線を画するカジュアルな印象を引き立ててくれます。

 

共通点その2:サイドデザイン

サイドビューのV字レザーの切り替えは、ケンゴンを象徴するディテールの1つ。ミリタリーをルーツに持つシューズに見受けられるデザインを“ケンゴン H”にも継承しています。グレインカーフやミリタリーラストなど屈強な印象をとことん放つ“ケンゴン Ⅱ R”に対して、ドレッシーにデザインされた“ケンゴン H”では、ほど良いアクセントとなっているのが特徴です。
ケンゴンの顔ともいえるサイドデザインとステッチワークによって“ケンゴン Ⅱ Rと“ケンゴン H”は統一したイメージが保たれています。

 

共通点その3:ベローズタン

紐止めの内側にあたる、通称、舌革と呼称されるベローズタンも共通のディテール。革が両サイドに縫い付けられているため、羽根部分から雨水や埃などが靴の中に入り込まないような構造になっています。外羽根式のシューズは羽根が大きく開き着脱しやすいといったメリットもありますが、それゆえ雨や砂埃なども入りやすく、着用シーンからも活動的な場面が多いでしょう。そういった弱点を補うためのデザインとなっています。また、こちらは“チャーチのシャノン”も同様のデザインです。

 

共通点その4:オールアラウンドヒール

コバ周りにも要注目。かかと周りまでぐるりと360度に配されたオールアラウンドヒールも“ケンゴン Ⅱ R”から受け継いでいます。適度なボリューム感を演出するだけでなくストームウェルトも綺麗に見える仕様です。

 

いかがでしたでしょうか。
シックなビジネスシーンにも対応できるルックスに仕上がりながらも、“ケンゴン Ⅱ R”の魅力をそのままにデザインされた“ケンゴン H”は、まさに最新鋭の英国靴。現代的な機能性と伝統がミックスされた1足をぜひチェックしてみてください。


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