イギリスヴィンテージ家具ヒッチハイクガイド | BRITISH MADE Staff blog

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イギリスヴィンテージ家具 ヒッチハイクガイド

皆さんこんにちは。私はヴィンテージ家具に興味はありませんでした。それなのに、いま私はこうして我が家にあるイギリスヴィンテージ家具のことを語ろうとしています。1年程前、イギリスヴィンテージ家具という未開の地でヒッチハイクしてからというもの、我が家は旧世界に別れを告げ、新世界の夜明けを迎えています

ヒッチハイク!!?ヒッチハイクって多くの場合、「通りすがりの自動車に乗せてもらうこと」のはずなので、ヒッチハイクガイドと謳うならば、例えば「大阪ヒッチハイクガイド」と、場所名を入れて書くのが普通なのかもしれません。私と夫は、ある日思いがけず“イギリスヴィンテージ家具”という地で、アーコール社のヴィンテージダイニングテーブルをヒッチハイクしてしまいました。

 

それからというもの、私たちとヴィンテージダイニングテーブル一行は陸路のみならず、禁断の海を行く船に乗って見知らぬ海岸に上陸し、冒険を愉しみ、多くのことを学んでいます。と、随分大げさですが……。

 

「この古いテーブルにそんな魅力が?そんなに良いものなの?」

 

というのが、京都のアンティーク&ヴィンテージショップで出会った、アーコール製バタフライテーブルについての第一印象でした。

 

当時、アーコールの家具について全くと言っていいほど知識がなかった私ですが、担当の方が英国ヴィンテージ家具の魅力について熱く語ってくださるので、その言葉に少しづつ引き込まれていきました。「生活がより豊かに変わりますよ!」

 

私たちは、思いがけず店内を埋める膨大なヴィンテージ家具をヒッチハイクして一緒に旅立たないとここを出られないという幻視と幻想に陥っていったのかもしれません。そう、店内を埋めるヴィンテージ家具たちは走り去る車なのです!どれかをヒッチハイクする以外には、家に帰り平凡な日常には戻れないのかもしれない……妄想にブレーキ!!

 

正気に戻って、本題に戻ります。愛用していたIKEA製の円形ダイニングテーブルの天板が少し傷んできていたこともあり、アーコール社の円形ダイニングテーブル「バタフライテーブル」を購入しました。

ERCOL社(アーコール)は、1920年にルシアン・アーコラーニによって設立され、現在も彼のファミリーによって経営されている、英国を代表する老舗家具メーカーです。無駄がなく、研ぎ澄まされたモダンブリティッシュデザインは、現代でも支持されています。

 

2004年、英国のデザイナー、マーガレットハウエルの熱意によってスタッキングチェアが復刻されたことで話題になったそうです。私も初めて知ったのですが、よりアーコールの家具に興味を持つきっかけになり見方が変わってきました!

現在でもイギリス国内の工場で熟練の職人により制作されているアーコールの家具ですが、ヴィンテージ品には計り知れない魅力が詰まっているように思います。

 

まず、材質ですが、ヴィンテージのアーコールには今となっては貴重なイングリッシュエルム(ニレ)の無垢板が贅沢に使用されています。美しい木目とツヤが特徴です。無垢材の手触りと、天板の縁のなだらかな丸みを帯びたカーブが優しく身体になじんでくれて、夕食時に席に着くと一日の労をねぎらってくれているかのようです。

天板は、円形だと思っていたのですが、良く見れば絶妙な楕円形でした。バランス良く四方に向かって広がった脚に施された縦溝の装飾にも、丁寧に時間をかけて手作業でおこなわれたであろうクラフトマンシップを感じ、見ているだけで、このテーブルが作られた当時の時代に想いを馳せてしまいます。

良質な素材で造られた家具は、捨てるのではなく、修理してまた使い続けるのが当たり前という文化のイギリス!!このテーブルも製造から約半世紀が経過しているそうで、その年月によって醸し出される温かみのある経年変化を感じとることができます。

 

「優れたデザイン」、「優れた素材」、「優れた制作技術」がアーコール製ヴィンテージ家具の魅力であることは疑いのない事実であり、多くの人にお伝えできればという想いでもあります。しかし、「優れたデザイン」「優れた素材」「優れた制作技術」と言ってしまうと、製品のスペックのように表面的なことと言えてしまえる場合もあります。

 

私が強調したいのは、「優れたデザイン」「優れた素材」「優れた制作技術」を備えるヴィンテージ家具には、時を経て、文化背景が違う地に来てもなお語り掛けてくる強い力があるということです。それは、「私、デザインも素材も技術も凄いでしょ!」と偉ぶる感じではなく、ユーモアと優しさで語り掛けてくる感じです。

 

偶然の出会いや時代背景、生み出した人々の意思や思惑とかが複雑に絡み合い、ぐつぐつと煮込まれてきたこと等も全て含めて、計り知れない魅力を発しているのかも?と感じる今日この頃です。そして、今ここに、時を経て我が家に存在するというスパイスがまぶされています。

 

冒頭にお話しした「我が家の食卓は旧世界に別れを告げ、新世界の夜明けを迎えています」と書いたのは、比喩でもなんでもなくて、このヴィンテージダイニングテーブルと暮らし、人生の旅路を共にすることで、単に「ステキな家具が来て良かった!」ではなく、我が家は、モノの見方や時の過ごし方、モノを直しながら使っていくことの意味を考えるようになりました。

 

旧世界に別れを告げ、新世界の夜明けを迎えています。

 

「正しく古いものは永遠に新しい」スウェーデンの画家、カール・ラ-ションの言葉のように、これからの時間を共に過ごし、共に新しい発見をしていけたら……と願います。

 

「イギリスヴィンテージ家具 ヒッチハイクガイド」、微笑をもってお楽しみいただけたら幸いです。あなたも思いがけず、イギリスヴィンテージ家具をヒッチハイクしてしまう日が来るかもしれません。

 

最後に、ブリティッシュメイド大阪店で活躍するヴィンテージ アーコール「ドロップリーフテーブル」です!

主に商品ディスプレイ用として使用しています。写真では靴を展示していますが、シーズンごとにこの上に展示する商品が変わります。ブリティッシュメイド大阪店を陰ながら支えてくれる重要なテーブルです。今後ご来店される時には是非、テーブルにも目を向けてみて下さい。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

 

大阪店 飯澤

 

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