2019.02.28

ブリティッシュ“ライク” ファッション談話 ~革靴の魅力~

職業柄、老若男女様々な方と接する機会が多い。しかし、実際に撮影に入っているとファッションについてじっくり話をする時間はそう多くない。僕自身は革靴が好きで、20代前半からいかなる時も革靴を履いている。革靴でないと落ち着かないからだ。かつて番組制作の職に就いていたころに番組企画で無人島ロケへ行った。そこにも革靴を履いて行ったが、その出で立ちが上司の逆鱗に触れ、高田延彦ばりの強烈な左ハイキックを頂戴したのは懐かしい思い出だ。

服装における趣味嗜好やスタイルは千差万別だ。一重に革靴と言えど連想するイメージは多種多様に違いない。異なる年代から見るファッションに対する考え方や魅力について、撮影というセッションを交えながら聞いてみたい。これが今回のテーマである。モデルは、撮影で何度もご一緒している女優の瑚々さんにお願いし、僕自身も愛用しているJOSEPH CHEANEYのシューズを使用した。

■ “靴”と聞いて連想するのはどんな靴ですか?
「まずはスニーカーです。普段履いているのもコンバースなどスニーカーが多いからです。今回の撮影で履いたような革靴はすぐに思い浮かばなかったです。」

■ 服を選ぶ際に決めているルールやこだわりなどはありますか?
「ほとんどと言っていいほど、服を決めてから最後に選ぶのが靴です。だけど色を合わせたりバランスを整えたりするのが難しくていつも靴で迷ってしまいます…あとは、誰かと会う時はその人がどんな服装かを考えて自分の服装を決めることもあります。」

■ 撮影ではいくつかある中からこの靴を選んでもらいましたが、ほとんど即決でしたね。その選択にいたった理由は?
「まずオックスフォード(短靴)の方は穴飾りが華やかで綺麗だったのですぐに選びました。形もシンプルなのが魅力的でした。カーフかエナメルかで少し迷いましたけど、カーフの方は少しかしこまった感じがして、エナメルの方が砕けたように感じたので、最終的にエナメルを選びました。ローファーの方は、シンプルな形にビットが施されているのが素敵でした。それからゴールドのバックルがエレガントで印象的だったので選びました。色もブラックとブラウンの2色に分けて選んだのもポイントです。」

■ 実際に履いてみた感想はどうですか?
「とにかく履き心地が良くて歩きやすかったです。見た目も素敵ですけど、実際に履いてみたらその魅力が一層増す靴ですね。それから、表現が難しいですけど、ワンランク上がったというような感覚です。靴だけを見ると、最初は私に履きこなせるのかなというような思いもありました。でも、スタイリングとヘアメイクが入り、実際のロケーションに立ってみたら自分の想像以上にしっくりきて気持ちが入りました。」

■ 普段履いている靴との差は感じられましたか?
「普段は便利さや動きやすさを考えて無意識にスニーカーを選んでいるような気がします。今回は履いてみたい靴を選んで、それに合うスタイリングを部坂さんと一緒に考えたのでいつもと違った感じがしました。それがワンランク上がったというような感覚になった理由なのかもしれませんね。便利さだけで選択していてはいけないんだなと実感しました。」

■ この撮影で使用したような靴を履く人のイメージは?
「お洒落な方です。メンズライクな要素もあって難易度も高いと思うので、私もいずれは意識せずに履けるようになりたいですね。」

■ 最後に、イギリスのイメージは?
「ビートルズです!それからボヘミアンラプソディーで話題になったクイーン!!ハリーポッター!!!よく考えたらイギリスについてそんなに深く考えたことがなかったので、映画や音楽と結びつく国だなと改めて再確認できました。」

■ イギリスには行ってみたい?
「例えばロンドンはファッションスナップでも必ず取り上げられますよね。やっぱりお洒落な人が集まる国や都市のイメージなので、いつか行ってみたいです。」

瑚々さんに初めて出会った時はまだランドセルを背負っているあどけない小学生だった。気がつけば身長は追いつかれ、会う度に成長の速さに驚かされる。会う人や場所を考えて着用する服を選んでいるという意見は、対談の中で特に印象的だった。自身が彼女と同じ年齢のころには目立ちたい、カッコ良くありたいなどの理由で服を選んでいたからだ。結果、これもいい、あれもいいと膨らんでしまい混沌状態だった。つまり、常に足すという考えが根底にあった訳だが、彼女の場合は引くという概念がすでにでき上がっている。これはスタイリングを構成する上で重要な核だと考えている。飄々とそれを言ってのける彼女に驚きを隠せなかった。今年は主演映画の公開も控えている彼女の活動に注目いただきたい。

瑚々
2004年8月7日生まれ。埼玉県出身。イトーカンパニーグループ ネクストヒロインオーディション(2015)でグランプリを受賞し芸能界デビュー。モデル、女優として活動中。最新出演映画「私たちは、」が2019 年公開予定。

Pose1
ニット¥42,000、スカート¥50,000(humoresque / humoresque 03-6427-2353)、シューズ¥59,000(JOSEPH CHEANEY / BRITISH MADE 銀座 03-6263-9955)

Pose2
コート¥64,000(LAVENHAM)シューズ¥62,000(JOSEPH CHEANEY) すべてBRITISH MADE 銀座 03-6263-9955)、インナー¥38,000(humoresque / humoresque 03-6427-2353)、トラウザーズ¥24,000(ottod’Ame / STOCKMAN 03-3796-6851)

Actress:Coco
Photographer:Hiroki Nagahiro
Photographer Assistant:Asuka Kawai
Hair & Make up:Kentaro Miyama
Director,Stylist,Writter:Shogo Hesaka(koto-clothing)

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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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