世界遺産キューガーデン:エキスパートがおすすめする3つのスポット | BRITISH MADE

川合亮平、僕のUK観光道 世界遺産キューガーデン:エキスパートがおすすめする3つのスポット

2021.03.10

こんにちは、川合亮平です。

広々とした公園、そして、美しい(イングリッシュ)ガーデン、

それらは、多くの人が思い浮かべる“イギリス的な風景”かもしれません。

僕個人的にもロンドンでゆったりと公園を散策するのは大好きな時間の使い方の1つです。

実際、ロンドンの47%のエリアが、公園やガーデンなどのいわゆる“グリーン・スペース”で占められており、

さらに、ロンドンだけで約800万本もの木があり、これは世界の大都市の中で最も多い数、というデータもあるんですよ。

それにしても、ロンドンの木の数って一体誰が数えたんでしょうかね。
ロンドン市が『樹木数えるバイト』を募集してたのかな。
だとしたら、時給はどれくらいなんだろう。
Tree Thousand Yenくらいかしら。

とまれ、“緑のロンドン”を象徴するかのような場所が、今回の記事のテーマ:世界遺産のキュー王立植物園です。

ロンドンにいくつかある世界遺産スポットの1つです。

先日、キューガーデンの事を世界一知る男、と言っても過言ではない、 同園ディレクターのリチャード・バーリーさんへの独占インタビューを敢行しました。
彼の言葉を通じて、ガーデンの魅力と楽しみ方を紹介します!
キューガーデン キューガーデンのエントランスゲート
キューガーデン キューガーデンのエントランスエリア

王様が異常に愛したタルトを食べられる!

余談ですが、キューガーデンのあるエリア自体が閑静でとても素敵だったんですよね。
次回行くときは、散策してみたいと思っています。

噂によると、植物園近くにあるThe Original Maids of Honour というカフェ/レストランがかなり評判みたいですよ。(僕は行ったことないのですが)

メイズ・オブ・オナー・タルト、という英国伝統の焼き菓子が看板メニューということ。

逸話によると、16世紀のある日、アン・ブーリン(英国王ヘンリー8世の2番目の王妃)が彼女の侍女(英語ではMaids of Honourと言います)と、侍女が用意したタルトを食べていたそうです。

そこに、王様ヘンリー8世(1509-1547)がやってきてそのタルトをつまみ食いしました。

あまりの美味しさに悶絶(したかどうかは定かではありませんが)し、いたく感動したそうです。

王はこのタルトのレシピを門外不出として鉄のボックスに隠すよう命令。

さらにあろうことか、タルトを作った侍女を宮殿の地下に幽閉し、その後は、王と王家の人々のみにタルトを製造させた、ということです。

“暴君の中の暴君”のお手本のような行動ですが、とにかくそのタルトが、キューガーデン近くの人気カフェで味わえるんですね。

(・・・・、ということは、歴史のどこかの時点で、誰かがそのレシピを公開した、ということですね。王に独り占めさせるのはもったいないぜ、ということで)。

世界遺産:キューガーデンのおすすめエリア

ロンドン中心部から電車で1時間弱の郊外に位置する世界遺産の王立植物園。
広大な敷地を地図でチェック

キュー王立公園の敷地は、東京ドーム約30個分の広さなので、鑑賞できる植物の量と種類はいずれも世界最大です。
とにかく広いので、正味の話が、1日ではとてもじゃないけど網羅できない、というのが個人的感想です。

まずはエントランスで園内地図のパンフレットを入手して、だいたいの予定を決めてから行動されると良いと思いますよ(もちろん、行き当たりばったり歩いて、最終的に迷子になり途方に暮れる、というのも一興だと思いますが)。

“訪れるべき”おすすめの場所については、以下のインタビュー内容を是非参考にしてみてください!
キューガーデン 花と緑の楽園です。

ディレクターおすすめの3つスポット

キュー・ガーデン キュー王立植物園でDirector of Horticulture, Learning and Operationsという肩書きを持つリチャード・バーリー氏
川合:
とっても広い園内です。あらかじめ場所を選んで訪れるのが賢明だと思います。
どこに行けば良いかおすすめを教えてください。

リチャードさん:
まずパーム・ハウスですね。
キューの中には素晴らしい第一級イギリス指定建造物がいくつかあって、そのうちの1つです。
この建物ができたのは1848年で、その後世界各地で建てられた数多くのグラス・ハウス(ガラス張りの建築物)に大きな影響を与えました。
(内部は)熱帯の環境になっていまして、中に入るといつも暖かく、高い湿度を感じます。
とても珍しい種類の植物もありますよ。
キューガーデン パーム・ハウス外観

川合:
パーム・ハウスの中に入った瞬間にメガネが曇りました。そして漂う甘い香りに圧倒されました。
気温と湿度はまさにスチーム風呂の熱帯気候を彷彿させます。
ここ最近は少し様子が変わってきていますが、イギリスの夏は基本的には湿気が少なく爽やかなので、“東京の夏”を思い出しましたよ。 パーム・ハウス以外に、“行くべき場所”は?
キューガーデン パーム・ハウス内部

リチャードさん:
テンペレート・ハウスですね。
20世紀以前に建築されたグラス・ハウスの中で世界最大の建築物になります。
本当に目をみはるばかりに美しいヴィクトリア時代後期の建築物です。
植物もそうですが、とにかく建物自体が素晴らしい。
テンペレート・ハウスと、パーム・ハウスは、キュー・ガーデンを訪れたなら絶対に行って欲しいところですね。

川合:
個人的にお好きなエリアなどありますか?

リチャードさん:
1つを選ぶのは難しいんですが、キュー・ガーデンの南西部分を占める野生の森林地帯をイメージしたエリアが個人的に特に好きですね。
今我々が居る場所(南東部分)のちょうど反対側の端っこです。
天然の森林地帯、天然の森があり、その中を歩ける道がいくつかあります。
特に春の季節は、ブルーベルが咲き乱れ、本当に美しいんですよ。
キューガーデン 森林地帯には、Treetop Walkwayという展望ウォークウェイもあります。景色抜群で楽しかった!

川合:
リチャードさんはキューガーデンにいらっしゃる前、30年間、オーストラリア メルボルンのロイヤル・ボタニカル・ガーデンに勤務されていたんですね。

リチャードさん:
はいそうです。6,7年ほど前、今のKewでのポジションをオファーされ、 “世界最高のポジション”だと思ったので、迷うことなく家族とイギリスに移住してきました。今は、家もオフィスも両方Kewの敷地内にありますから、徒歩で通っています。世界遺産のガーデンを眺めながらの通勤は最高ですね(笑)
ちなみに、前の職場で知り合った妻は植物イラストレーターです。

川合:
住環境、職場環境とも、文字どおり世界最高ですね(笑)
世界的有名なイングリッシュ・ガーデンですが、オーストラリアのガーデニングとなにか違いはありますか?

リチャードさん:
そうですね、イングリッシュ・ガーデンと、オーストラリアのほとんどのガーデンには、はっきりとした違いがありますよ。
でも、注意点としては、オーストラリアという国は、北部は常夏の気候、南部は温帯、中部は乾燥帯ですから、まあ何でもありといえばありな国なんですけどね。
とはいえ、私が思うイングリッシュ・ガーデンの特徴として、イングランドは植物が育つには恵まれた環境なのです。
メキシコ湾流の影響で、気温が自然に調整される気候なんですよ。
イングランドは高緯度に位置する国の割にはそれほど寒くならないのはそういう理由からです。
つまり、そのような条件が、植物が育つのにとても適しているのです。
あとは、夏の陽が長いのも好条件ですね。キューでは多くの種類の植物がよく育ちますよ。
Kew Palace Kew Palace 敷地内にあるKew Palace。ジョージ三世と彼の家族が住んでいた邸宅です。植物園の中で貴族屋敷を観光できてとても得した気分でした。

川合:
なるほど。そもそもの環境が良い、ということなんですね。
イングリッシュ・ガーデンが発展した文化的な要素もありますか?

リチャードさん:
そう思います。イングランドには、長年、ガーデニングのための様々なツールや方法が培われてきたという歴史と伝統がありますよね。 要は、ガーデニングはイギリス文化の一部になっています。
自分のガーデンにとても誇りを持っている人も多いですしね。
その他の要素としては、イギリスにはものすごく美しいカントリーサイド(“田舎”の意味)があることが挙げられます。カントリーサイドにある美しいガーデン、という存在はイングリッシュ・ガーデンを語る上で外せません。
また、大きな屋敷もイギリスには数多くあり、そういった場所では、ガーデン・スタッフを雇ったり、よりスケールの大きなガーデニングを展開できる広いスペースもありますよね。
そのような様々な要因が、英国ガーデニング文化の発展に役立っているんでしょうね。
Kew Palace BONSAIコーナーもあったよ!

川合:
ガーデニング(植物園芸学)を学べる環境もイギリスには整っているのでしょうか?

リチャードさん:
キュー・ガーデン=植物園と思われている方が少なくないのですが、それは完全には正しくありません。
キューは、植物園芸における世界最高峰の学校でもあるんですよ。
様々なコースがありますが、一番本格的なのは、実学と座学が合わさった最先端の科学的・技術的教育が受けられる3年間のディプロマ(学位)コースです。 この分野では世界一とも言えるコースですが、その分かなり厳しいですよ(笑)。 ただ、ガーデニングの本場で学べるというのは代え難い機会になると思いますし、キューの職員として給料をもらいながら学べるというオプションも存在します。 注:前述のディプロマ(学位)コースにご興味あるあなたはサイトで詳細をチェックください

美しい植物に囲まれながら1日過ごせて癒される

Kew Palace 園内にはカフェ、レストラン、ギフトショップも充実しており、丸1日過ごせます。

アグレッシブに植物鑑賞するもよし、ぶらぶら散策するもよし、カフェでただただまったりするもよし、

とにかくナチュラルパワーがチャージできる場所でしたよ。

僕の「もう1度行きたい」リストに入っている場所です。

渡英できるようになったら、最初に紹介したカフェと併せて、ぜひ。

川合亮平でした。

p.s. 植物園といえば、ウィンザー城の近くにあるThe Savill Gardenもとっても印象に残っています。 おすすめの場所です。
キュー・ガーデン 真冬に行ったので全体的にカラフルではなかったんですが、意心地よかったし、ここに色がついたらどんだけ綺麗なんだろう、と想像力を掻き立てられました。
キュー・ガーデン キュー・ガーデン そして、宿泊したホテルMacdonald Windsor Hotelのレストランが美味しかった・・・。

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Text by R.Kawai


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川合 亮平

川合 亮平

(かわいりょうへい)

通訳者・翻訳者。
東京在住
関西の人気テレビ番組で紹介され、累計1万部突破の『なんでやねんを英語で言えますか?』(KADOKAWA)をはじめ、
著書・翻訳書・関連書は現在10冊。

ファンタビ・シリーズのエディ・レッドメイン、
BBCドラマ「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチ、マーティン・フリーマン、
歌手のエド・シーラン、
英大ヒットドラマ「ダウントン・アビー」の主要キャストなど、
UK出身のミュージシャン、俳優への通訳・インタビューを多数手がけている。

ロンドン五輪では、五輪公認ジャーナリストとして活動 。

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