100kmを48時間以内に完歩。
国際協力につながるオックスファム・トレイルウォーカー東北2016(レポート編)
2016.07.29
以前こちらの記事でご紹介した、オックスファム・トレイルウォーカー東北2016にBRITISH MADEのメンバーで参加してきました。
オックスファム・トレイルウォーカーとはイギリスでは一般的に知られているチャリティショップの一つ「Oxfam(オックスファム)」を運営する国際協力団体オックスファムが、世界中で行われているトレイルウォーキング&ランニング・イベントです。
挑戦するテーマは2つ。1つ目は100kmまたは50kmのトレイルを4人1組の1チームで完歩すること。2つ目はファンドレイジングによる国際協力への貢献。
日本での開催10年目となる2016年は福島県を舞台に開催されました。
安達太良山を目指してスタート
小雨が降るなか7月9日AM10:00にスタート。今大会は100kmと50km合わせて196チーム、784人が参加していて、一般的なマラソン大会やトレイルランニングのレースとは違って参加チームの約3割近くは外国人の方と国際色豊か。
前を行くユニオンジャックを掲げているのも駐日英国大使館の方々。
この方は2014年に小田原で開催していた時にも参加されていたそう。 岳温泉街からあだたら高原スキー場横を通って登山道へ。
まずは今大会のコースのハイライトでもある安達太良山を目指します。
この日のチーム目標はまずは50km地点にあるCP5(チェックポイント)に23:00までに到着すること。というのも24時までは隣接施設の温泉に入ることが出来ます。(この日、途中で出会ったチームにつけられたニックネームは「温泉入りたいチーム」。笑) くろがね小屋(CP2)を過ぎたあたりから活火山らしい風景に。
森林限界点の低さからも東北の冬の厳しさを感じます。 スタートして約13km程度でこの大会のコース上、最も高い標高1650m付近に到着。この日は残念ながら霧に包まれて景色を望むことはできませんでしたが、晴れた日は沼の平を一望できるそうです。 スタートして約5時間。二本松市から安達太良山を超えて郡山市にあるCP3へ、約8kmの登山道を下っていきます。雨の影響でぬかるんだ道は歩きづらく気づいたらもう諦めがつく程に泥だらけに。
下山してCP3に到着したのが17:00頃、軽めの食事を済ませてCP4に向けてスタート。
地元の方々の温かいサポート
コース途中に設けられた地元の方によるその土地で採れた新鮮な野菜やおにぎり。梅干しも作った人の数だけ種類別に並んでいます。 お米の自然な甘みが程よい手作りの甘酒。地元のものを味わっていただきたいという思いからボランティアでご協力していただいているとのこと。
どれも本当に美味しく疲れた体にしみわたります。
CP5(50km地点)まで残り約20km
19時過ぎ、日が暮れて初めてのナイトウォーク。この日の目標であるCP5を目指して里山や林道を歩いて市街地へ。
街灯も無い真っ暗な道をヘッドライトをつけて歩いていると、上空をゆらゆらと飛ぶホタルが。初めて見るスタッフも。 スタートから約11時間経過した23:00にCP5の磐梯熱海温泉街に到着。
念願の温泉に入って明日の残りの50kmに向けて仮眠。
快晴の2日目、田園風景を歩く
他のチームが夜明け前にスタートしていく中しっかりと休息をとって、午前7:30に残り50kmの完歩を目指してCP5をスタート。
緑豊かな田畑を横目に歩きます。 CP5からCP6を通過してここまで約12km。なだらかな林道を歩いた後、最後は急峻な山道を登りきると標高1009mの額取山の山頂に到着。 昨日歩いた安達太良山から猪苗代湖、郡山市の市街地まで360℃見渡せる眺望が素晴らしかったです。
この景色を見ると、また晴れた日に安達太良山を歩いてみたいと思ってしまいます。 ちょうど今大会のオフィシャルフォトグラファーの一瀬さんが山頂にいらしたので、2016秋冬のBRITISH MADE別注のラベンハムを着用して記念撮影。一瀬さんにこれから先のアドバイスなども伺ってCP7へ。
残り30km 2度目のナイトハイク
CP7に14:30到着。ここまで70km。
昼食を済ませた後、股関節から太もも、ふくらはぎ、膝や足の裏まで、メンバーそれぞれに無料のテーピングとマッサージのサポートを受けて残り30kmに備えて少し長めの休憩。
この日CP5から同じペースで歩いていた、もう1チームは残念ながらここで4人中2人がリタイヤとなってしまいました。 
両側に広がる田園の中を真っ直ぐに伸びる道
約1時間30分休憩し16:00にCP7をスタート。CP7からCP8までの7kmは全て舗装路を歩きます。
体力的に余裕が無くあとは気力のみ!となりつつもこの景色の良さに助けられました。 
大名倉山からの夜景
前日とは違って前後を歩いている他のチームが見えないチーム4人だけの状態でのナイトウォーク。
普段、都心部で生活していると体験することの出来ない夜の暗さと恐怖感、そして星空の輝きを改めて実感しました。 
コース上に設置されたナンバー。1〜200番のプレートが約500m間隔で設置されています。
この日歩き始めて13時間。最後の山「大名倉山」を抜けて最終チェックポイントCP9へ。日中、普通に歩いたら何の問題もないであろう標高594mの山を降りた時の安心感と達成感はそれ以上でした。
CP9からフィニッシュまでの11kmは疲労に加えて眠気との戦い。ほぼ無心でただコース上に取り付けられたナンバーとリフレクターを頼りにひたすら歩きます。 大会3日目のAM3:15、タイム「41:15:51」、総合順位47位で無事にチーム全員揃って4人でフィニッシュ。
完走した95チーム中58チームと完走率の低さから4人揃ってゴール出来たことに感謝。
そして完歩証をいただいた後はやっぱり温泉に入って、そのまま就寝。
“つながり”を実感できたオックスファム・トレイルウォーカー東北2016
暖かい拍手で迎えてくれるボランティアスタッフや地元の方々、また無償でテーピングやマッサージを提供してくださった方々やわざわざ家から出てきて応援してくれた地元の子供達、参加したチーム間での会話や応援、そして参加するためのファンドレイジングなど、社会貢献を目的とした大会ならではの様々な“つながり”を実感することができました。
この大会のファンドレイジングはこちらからご覧いただけます。
Text & Photo by BRITISH MADE