スタイリスト四方章敬監修 ブリティッシュメイドオリジナルコートが完成 | BRITISH MADE

スタイリスト四方章敬監修 ブリティッシュメイドオリジナルコートが完成

2021.10.15

スタイリスト四方氏監修 ブリティッシュメイドオリジナルコートが完成
「イギリスにルーツを持つアイテムを現代のライフスタイルに合うよう再構築する」というテーマを掲げ、2021年春夏シーズンに始動したBRITISH MADEオリジナルコレクション。デビューシリーズとしてまず3型のシャツをリリースし大好評をいただきましたが、第二弾もそれに負けず劣らずの力作が完成! 今回も人気スタイリスト・四方章敬さんによるディレクションのもと、秋・冬・春と3シーズン活躍するタイロッケンコート「ヨークシャー」を製作しました。一見シンプルなようでいて、実は細かなこだわりを詰め込んだ本作、その見どころをじっくり解説いたします!

トレンチの原型「タイロッケンコート」をモダンに再解釈


前回のシャツシリーズと同様、この「ヨークシャー」も英国のヴィンテージからインスピレーションを得て製作しました。一見トレンチコートにも見えますが、よく見るとフロントのボタンがないことに気づくはず。これは“タイロッケンコート”とよばれる形で、19世紀末に起こったボーア戦争時、英国軍の将校向けに納品された外套がルーツ。第一次世界大戦時に生まれたトレンチコートの原型ともいわれています。今回モチーフとしたのは、1970年代に生産されていた英国製タイロッケン。ヴィンテージ市場では高値で取引され、ファン垂涎の逸品として有名です。いっぽう、近年ドメスティックブランドを中心に提案が増え、ファンの人気を集めている旬なアイテムでもあると四方さんは話します。

「実は僕もここ数年、タイロッケンコートを愛用していました。すっかり定番化したステンカラーよりも新鮮味があり、ボタンがないぶんトレンチより軽快感があるのが今の気分にぴったりだったんです。ただ、まだ人気に火がついていないだけにブランドの選択肢が少ない。とくにショップオリジナルでは見たことがなかったため、今回ブリティッシュメイドのオリジナルとして是非企画したいと申し出ました。しっかりバックボーンのあるアイテムにしたかったので、今回もまずはヴィンテージのタイロッケンを研究するところから着手。そのままだとクラシックな印象がかなり強いので、随所のディテールやシルエットをモディファイしてアップデートしました。コートを“着込む”というよりも、軽やかに“羽織る”イメージで楽しめる一着になったと思います」

ヴィンテージの雰囲気を保つため、大幅な修正は行わないよう意識したという四方さんですが、そのぶん細部に気を配りさまざまな箇所に微調整を加えたため、全体の雰囲気としてはかなり印象が異なるものに仕上がりました。ここから具体的にご紹介していきましょう。

繊細な超長綿を高密度に織り上げた高級素材

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 繊細な超長綿を高密度に織り上げた高級素材

タイロッケンの定番素材といえばコットンギャバジン。ハリコシがあり天然の撥水機能も備えた生地ですが、「ヨークシャー」はよりクオリティにこだわった素材をチョイスしました。1本1本の繊維が細く長い“超長綿”を原料としつつ、糸を3本撚りにすることで強度をアップ。それを高密度に織り上げることで、しなやかさとハリ、シルクのような光沢をたたえた理想的風合いに仕上がっています。さらに撥水・花粉防止加工を施すことで機能性も高めました。

「吟味を重ねて、カラーバリエーションはこの3色にたどり着きました。定番のネイビーは色が濃く深いものを選ぶことで、どんな服にも合う汎用性を意識。ベージュは見る角度によって色みが変わる“ソラーロ”ですが、定番のソラーロは玉虫色のようなトーンなのに対し、こちらはより控えめな色みを選んでモダンに見せています。それから、“アイスベージュ”という白に近いベージュもラインナップに加えました。フレンチトラッドを意識した色で、旬なムードが漂う一着に仕上がったと思います」(四方さん)

ベルト、ポケット、芯地など随所をアレンジ

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 ベルト、ポケット、芯地など随所をアレンジ

「もともとタイロッケンはバックルつきのベルトでウエストを留めるデザインになっていますが、『ヨークシャー』はバックルを排除してシンプルな帯ベルトに変更しました。これによってベルトを結んでも現代的な印象になります。それからベルトの位置もヴィンテージと比べて若干上に設定しました。実はこれが結構重要で、ベルト位置が下寄りだとクラシック感が強く、上寄りだとモードっぽい印象になります。ですので、“モダンクラシック”な程よいバランスに見えるよう位置を模索しました。ちなみにポケットの位置もベルトに合わせて移動しているので、ベルトを結ばないときの印象にも影響しています。あとは細かいですが、ボタンをやや小さめに変更したり、ポケットのフラップを細くするといった調整も加えています。さらに中身の構造にも手を加えました。本来は身頃全体に芯地が据えられているのですが、胸周りの芯を省くことでより柔らかく、軽快に仕上げています。普通、芯地を抜くとペラペラな印象になってしまうのですが、日本でも最高峰の技術力を誇るファクトリーに縫製を依頼することで、立体感もしっかりキープしています」(四方さん)

シルエット美を高めるインバーテッドプリーツ

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 シルエット美を高めるインバーテッドプリーツ

背中には内側にヒダをとったインバーテッドプリーツを搭載。ゆとりをとりつつダボついて見せないデザインで、動きに合わせて優雅になびくのが特徴です。ベルトを締めると美しいXラインが生まれるのも魅力。ベルト位置を上寄りに設定したのに伴ってプリーツも深めにしていて、後ろ姿もクラシックとモダンの程よいバランスを狙いました。リッチな雰囲気のドレープにも注目。ハリとしなやかさを併せもつ超長綿ギャバジンならではの表情です。

襟の表情も現代的にモディファイ

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 襟の表情も現代的にモディファイ

シルエットとともにコートの美しさを決定づけるのが襟。ヴィンテージのタイロッケンは首ぐりが大きめでクラシック感が強い印象でしたが、これを現在のムードに合わせてコンパクトに修正しました。首元のボタン位置も変更し、写真のように襟を立てボタンを全留めしてもサマになるよう設計しています。

「これはパターン(型紙)だけでなく、優れた縫製もあいまって実現できた表情です。今回、生産を担当いただいたファクトリーは非常に手間をかけたコート作りで知られる実力派で、襟付けもアイロンで入念にくせ取りをしながら行っています。この完成度は職人技のたまものというわけですね。本格仕立てにふさわしいよう、ボタンも本水牛製を採用しました」(四方さん)

フレンチヴィンテージの意匠もミックス

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 フレンチヴィンテージの意匠もミックス

「ブリティッシュメイドのオリジナルコートですので、あくまでも英国を基調としてはいますが、味付けとしてフレンチテイストも加えました。ポイントは袖ベルト。実は英国ものと逆向きに取り付けているのですが、これはフランス製のヴィンテージコートにモチーフをとっています。袖ベルトの上辺をわずかにカーブさせているのも特徴で、さりげない差別化を図りました」(四方さん)

「無双仕立て」をイメージした同系色のライニング

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 「無双仕立て」をイメージした同系色のライニング

外側からは見えない裏地にも、四方さんならではのこだわりが。

「表地と同じ素材でライニングを付ける『無双仕立て』をイメージしたデザインを採用しました。これもフレンチヴィンテージコートから着想したものです。ただ、本当に表地と裏地を同じ素材にすると価格が跳ね上がってしまうのがネック。そこで、同系色のコットンキュプラを裏地にあしらってコストパフォーマンスも維持しました。綿がミックスされているぶん、キュプラ100%よりも無双仕立てに近いムードになっています。最初は表地に極めて近い裏地を選んだのですが、若干トーンを変えたほうがいい雰囲気になったので、あえて色みを完全に揃えることはしませんでした。ただしアイスべージュだけは透けを考慮して表地にかなり近い裏地にしています」

ベルトの紛失を防ぐ気配りも

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 ベルトの紛失を防ぐ気配りも

ウエストベルトを結ばずにコートを着ていたら、いつの間にかベルトがなくなっていた……。そんな経験をお持ちのかたも少なくないはず。そこで本作は、ベルトの内側に小さなタブを取り付け、ベルトループに通して固定できる設計にしました。ボタン留めなのでベルトを外すことも可能です。

四方氏が実践! タイロッケンコートは今季、こう着こなす
シャツの上にサラリと羽織って秋口から活躍

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 シャツの上にサラリと羽織って秋口から活躍

「この『ヨークシャー』は“3シーズン着られる”こともテーマにして企画しました。軽快なコットン素材なので、秋口ならシャツやカットソーの上にサラリと羽織るとちょうどいいはず。シャツイチだと肌寒いけど、ニットを着るほどでもない、というときに便利ですね。もちろん春先の装いでも活用できますよ。ベルトを結ばずに着ると自然なAラインが生まれるので、シンプルな着こなしでも洒落た雰囲気を演出できると思います。ちなみにインナーに合わせたのは、オリジナル第一弾として企画したシャツ『プリマス』。同じ英国ヴィンテージをルーツとしているだけあって相性抜群ですね」

グレースーツに合わせてフレンチムードに

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 グレースーツに合わせてフレンチムードに

「今回製作した3色、どれも気に入っているのですが、自分がまず買うならこのアイスベージュかなと思っています。1980年代のフレンチアイビーブーム期にはベージュのM-65ジャケットが定番だったり、ベージュのステンカラーコートを着たポール・ウェラーがファッションアイコンになったりと、フレンチとベージュは切っても切り離せない色。なかでも、白に近いこれくらいのトーンがフレンチっぽいなと感じます。一見着こなしが難しそうですが、実はいろいろな服に合わせやすい色。今日はライトグレースーツに合わせて、全体を淡色で揃えました」

ニットを重ねれば冬まで登板可能

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 ニットを重ねれば冬まで登板可能

「暖冬が進む今の気候なら、分厚いコートはもう必要ないというかたも増えてきていると思います。僕もその一人で、冬でもこんな服装で過ごしたいですね。コットンのコートでも下にニットを着たりマフラーを巻いたりすれば、都市部なら十分な防寒性を確保できます。この冬は差し色を効かせたコーディネートがトレンドなので、ビビッドなイエローニットと優しいブルーのマフラーで彩りを添えました。パンツはコーデュロイを合わせてブリティッシュを意識していますが、ブラウンやグリーンのような定番色ではなくグレーを選んで田舎紳士に見えないよう気をつけました」

“いきすぎないリラックス感”を意識したシルエット

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 “いきすぎないリラックス感”を意識したシルエット

ウエストベルトを結べばXラインに。ディテールをミニマルに変更し、軽やかさを意識したモディファイを加えているため、前を閉じても仰々しく見えないのが魅力です。また、ゆとり感のバランスも四方さんが気を配ったポイント。

「昨今はコートもリラックスフィットが主流になっていますが、若者向けのものは極端なオーバーサイズが多く、大人が着るには少々抵抗があるはず。いっぽう、クラシックブランドのものは着こなしやすいものの、本格感があるゆえにコーディネートによっては少々カタく感じる場合もある。そこで「ヨークシャー」は、クラシックすぎずモダンすぎないバランスを狙いました。前回のシャツシリーズと同様、ありそうでない使い勝手になっていると思います」

ベルトの“結びかた”にも注目!

ブリティシュメイド オリジナル タイロッケンコート 「ヨークシャー」 ベルトの“結びかた”にも注目!

上と同様にベルトを結んだ着こなしですが、下襟のボタンを留めるとまた違った印象に。ちなみによく見ると、独特なベルトの結びかたをしています。

「蝶々結びの要領で結んでいますが、ループを片方だけ作り、もう片方は輪にせず結んでアシンメトリーにしています。この結びかたが個人的に好きなので、ベルトを普通よりも若干長めにしました。ちょっとしたことですが、結構雰囲気が変わると思います」(四方さん)

「ヨークシャー」製作にあたっては、デザインだけでなくクオリティにもこだわりを尽くしました。生産を依頼したのは、国内最高峰の技術を有するコート専業ファクトリー。その実力は、海外の超一流メゾンからもコート作りを託されるほどです。芯据えひとつまで手間ひまを惜しまず、低速のミシンで丹念に縫い上げ、手仕事によるアイロンで仕上げる。そんな本格仕立てを追求しています。

「ファクトリーの担当者さんから聞いたところによれば、この仕様で作ると20〜40万円の価格がついてもおかしくないとのこと。そこをファクトリーとブリティッシュメイド双方にできる限り企業努力をしていただき、8万円台という価格を実現できました。このコストパフォーマンスには僕も本当に驚いています。個人的にも購入して、秋から着倒したいと思っています。是非、店頭でお試しいただけると嬉しいですね」(四方さん)

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Styling by Akihiro Shikata / 四方章敬
Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光

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