Drake’s Person Interview “ライフワークと共に愉しむ、イギリス紳士の装い” | BRITISH MADE Staff blog

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Drake’s Person Interview “ライフワークと共に愉しむ、イギリス紳士の装い”

『エクルのシャツはありますか?』小早川(コバヤカワ)さんとの初めての出会いはこのような要望からスタートしました。エクルのブロードシャツを探している方は稀にいらっしゃいますが、よくよくお話をうかがっていくと『007』のロジャー・ムーアのスタイリングを再現したいとのことでした。私としてもこれは只者ではないお客様だと感じ少し身構えます。この方の要望を叶えるにはどうしたら良いのか、店頭には要望の品の用意はなく似寄りの商品の入荷予定はあるが入荷は随分と先の話で今すぐには難しい。オーダーシャツの生地もお見せしましたが、それぞれの生地の微細な違いにもよく目が利きやはり只者ではないと気を引き締めたものでした。

その日は要望を満たすものは用意できず、一旦入荷連絡のみ承りました。数か月後、その時の要望に比較的近いシャツが入荷したためご連絡を差し上げましたが、本当にお約束通り来店されます。しかし、完璧に要望通りのシャツは用意できずその代わりに別のシャツをご購入いただきました。その後も何度か来店されシャツやタイ、ポケットチーフ、スカーフをご案内させていただき、次第に仲良くさせていただくようになりました。本日はドレイクスの商品を永く愛用いただいている小早川さんにインタビューさせていただきます。

Drake’s – Mughal Hunter Print Tubular Silk Scarf¥50,000-(税抜)

―なぜ写真を撮るのでしょうか?
“美しい瞬間を自らの視点で記録しておきたい”に尽きると思います。また、影響を受けたイギリス紳士の多くが、写真、ガーデニング、絵画などをライフワークの一環として打ち込んでおり、その姿勢に感銘を受けた点も写真を始めた動機の一つです。

 

-お好きなイギリス紳士について教えていただけませんか?

イギリスの60年代〜90年代のロックミュージシャン達には人生観も含めて多大な影響を受けているのですが、その他にも、映画俳優のショーン・コネリー、ロジャー・ムーア、写真家のセシル・ビートンや、政治家のウィンストン・チャーチル、英国王室のエドワード8世、チャールズ皇太子、マイケル・オブ・ケント王子などのウェルドレッサーも好きですね。
どなたも共通しているのは、既存の型にハマらないアウトローな雰囲気を醸し出しているのですが、独特なユーモアのセンスがあり、実にイギリスらしいクラシックな佇まいを持っている点ですね。

 

-写真を撮る楽しみは何ですか?
私は近所で散歩をしながら写真を撮ることが多いのですが、意外と身近にたくさんの美しい光景があることに未だに驚かされます。花や鳥、太陽や月の輝きなど、季節の移り変わりと共に変化していく景色をどう撮影するか試行錯誤するのも楽しみの一つですね。また、それぞれの四季に印象的な色や質感があり、撮った写真を見ながら日々のコーディネートの参考にしたりしています。

 

※小早川さん撮影。水面に佇む黒鳥。

-写真を撮る時のこだわりはありますか?
移りゆく季節に身を任せながら、自分らしさをどう表現するかは永遠のテーマですね。服と同じで、写真もその人を映す鏡であると思うので、個性を大切にしたいと心がけています。では写真でいう個性とは何か?となるのですが、それは音楽、映画、芸術、写真、小説、建築など、これまでの人生で影響を受けてきたモノやコトが混ざり合った朧げな記憶の中の原風景を、実際にある風景をモチーフにアウトプットする事だと思います。例えばここに咲く花は、あの映画や音楽の雰囲気に近いイメージで撮りたいななどです。

 

-写真とドレイクススカーフとの繋がり、なぜ巻くのでしょうか?
スカーフを巻く理由は、私は首が長いので、寒いからです!!(笑)というもあるのですが、昔からプレーンなスーツやジャケパンの色味に、花を生けるかのようにプリントタイやポケットチーフの色彩を入れるのが好きなのですが、そうなると当然スカーフにも拘りが出てきますよね。ドレイクスのスカーフは、発色の良さは勿論なのですが、毎シーズン個性的なテーマのプリントが楽しめる所が大きな魅力の一つです。犬や鳥、ユニコーン、虎、サーカスなど様々なプリントを展開されていますが、そのどれもがイギリスらしい好みのデザインで選ぶのに毎回迷ってしまいます。(汗) また、通常のスカーフに比べて丈が長いので、首元にエレガントで程よいヴォリューム感を作り出してくれる点も素晴らしいですね。街ではロンドンの石畳みを歩いている気分に、森や川での写真撮影ではカントリージェントルマンになった気分になり、今日は良い写真が撮れるぞという前向きな気持ちになります。

 

※小早川さん撮影。ダリアの花弁。

-小早川さんのスタイリングにはいつもそのようなストーリーがありますね。最近ハマっているスタイリングのストーリーはありますか?

在宅勤務中心だと、つい甘えてしまい、着る物に無頓着になり、味気ないロンリーデイズが終わる可能性があるので、例えば“今日はウェス・アンダーソンの映画の、この役の雰囲気で”などストーリーを日々設定してスタイリングをする様にしています。また、映画や美術館、写真撮影に行く場合も、その雰囲気に合わせてスタイリングをする様に心掛けています。そうする事で、不思議と1日の終わりが充実のワンダフルデイズになります。

 

-小早川さんのこれからは?また、ドレイクスの気に入っている点はありますか?
私のこれから。。。。ん〜 難しい質問ですね。英語で答えるならば、”オールウェイズ予定は未定”でしょうか(笑)現実に必要以上に抗う事なく、水の様に柔らかくしなやかに生きながら、日々淡々と写真とお洒落を楽しめたら良いなと思います。次に、ドレイクスの良いところですが、イギリスらしいクラシックなスタイルはありつつも、常に新しい試みをされている点だと思います。最近で言うと、60年代のアメリカのアイビーをテーマに取り入れていらっしゃいますが、不思議とロンドンの街並みが似合うスタイルに消化されているところがドレイクスらしいなと思います。実は在宅勤務中心になってから、スーツやジャケパンを着る機会が以前よりも減ったのですが、その際にカジュアルスタイルの研究にだいぶ参考にさせて頂きました。お陰様で、10代頃ぶりに、ラガーシャツ、ジーパン、ジージャンを着るようになり、懐かしくも新鮮な気持ちです。今後もインスピレーションを掻き立ててくれる素敵なブランドであり続けることを願っています。

 

小早川さんのファッションへの熱い情熱や深い知識、洞察力にはいつも驚かされ、良い刺激をいただいています。時には生真面目な雰囲気を持ち、時にはウィットな雰囲気溢れるトークをしてくださり、彼の人としての振り幅は正に英国的な紳士のように思えてなりません。今後も小早川さんのご活躍を陰ながら応援しています!

 

小早川恭範 (コバヤカワ ヤスノリ)さんプロフィール

某女性向けアパレル企業勤務。趣味は、ファッション、写真撮影の他に、音楽、映画、芸術、園芸、ウィスキーなど幅広く、それらをインスタグラムのアカウント @yasunorikobayakawa にて日々更新中。

 

 

Drake’s 銀座店
〒104-0061
東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 5F
TEL:03-6263-9955
Email:ginza@drakes.com
営業時間:10:30~20:00 ※現在、閉店時間を通常よりも30分短縮中です。

※現在各店にて営業時間を短縮中です。詳細についてはよろしければ各店へ直接お問い合わせいただくか、下記リンクよりご確認ください。

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