靴磨き職人 濱岡洋さんが語る靴磨きの魅力とワークショップのお知らせ | 丸の内店 | BRITISH MADE Staff blog

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靴磨き職人 濱岡洋さんが語る靴磨きの魅力とワークショップのお知らせ | 丸の内店

「靴磨き職人??靴磨きを生業とする職業があるのか!」

革靴に熱中し始めたころに、そう思った方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。今やBrift H(ブリフトアッシュ)の長谷川さんをはじめとして職業として認知されるようになってきたものの、コアでマニアックな世界と思われているのが靴磨き。

靴磨きを初めてみたものの何が正解かわからない、プロに頼みたくても敷居が高い気がしてしまう、まちの磨き屋さんに頼んでみたら自分で磨くなと言われたなど…。

こうした悩みや疑問を持った経験は誰しもあるのではないでしょうか。靴磨きの世界を知ったからといってなかなか日常的に楽しむことが出来ずにいる方も多いと思います。

そこで、今回は靴磨き職人の人となりを知ってもらうために、ビジネスマンから靴磨き事業へと舵を切った、BRIFT STAND代表の濱岡洋さんに靴磨きの奥深さや思い出の革靴について語っていただきました。

 

 

 濱岡 洋 Yo Hamaoka

第100代・101代 総理の靴磨き番。

2018年に長谷川裕也氏がオーナーを務める靴磨き専門店「Brift H」と業務提携を結び、新ブランド『BRIFT STAND』を立ち上げ、代表に就任。「足元から日本を元気に」という想いのもと、より多くの人に靴磨きの魅力を知らしめ、裾野を拡げることに主眼を置いている。現在は企業に勤めるビジネスパーソンを足元から輝かせる為に、法人向けの靴磨きセミナーや出張靴磨き、社内靴磨き部を展開している。

 

ービジネスマンとして働いていた濱岡さんが靴磨きを知った、初めの出会いを教えてください。

「2017年、お客さんとしてBrift Hに通うようになってどんどん靴磨きにハマっていくようになりました。その当時、トリッカーズに興味を持って履きだして、その靴を磨く、メンテナンスするために色々調べているうちにBrift Hにたどり着いたという感じです。

その時はまさか自分が靴磨き職人になるとは、全く思っていなくて。かっこいい世界だなあと。そういう職業があるとも知らなかったです。当時靴を購入するにあたってもすごい緊張していて(笑)。何回か試着してから買った思い出があります。

はじめに磨いてもらったのがカントリーシューズで鏡面磨きを頼まなかったのですが、靴磨きを自分でもやりはじめるようになって鏡面磨きにもだんだんと興味を持つようになりました。

ところが、いざ自分でやってみたら光らないし、どうしようと…。そこで、Brift Hに持ち込んだらすごい綺麗な仕上がりで…改めて、すごい世界だと再認識しました。それが靴磨きの奥深さに興味が湧き出すと同時に靴の沼に入っていったタイミングでもあります。華麗な手さばきで丁寧に磨かれた靴はとてもきれいで…かっこいい世界と思って興味が湧いていき、だんだん靴磨きという職業の魅力に心を奪われていきました」(濱岡さん)

(濱岡さんの手さばき。ライブの靴磨きでは自分の革靴をじっくり目の前で見る機会でもあります。こういう表情してたのねと相棒を眺めるのも靴磨きイベントの醍醐味のひとつ)

 

ー靴磨きの仕事を決意した経緯はどのようなものだったのでしょうか?

「当初、社内で靴磨きを事業として始めたいと思いましたが、所属している会社は食品メーカーの販売支援を生業としていて、多くのチームメンバーも抱えていましたので、葛藤がありました。しかしながら、Brift Hの長谷川さんを社内の靴磨き研修にお呼びすることにしたその出来事が、僕が靴磨きを仕事にしようと決断したきっかけになりました。

長谷川さんの靴磨きはファッションを取り入れ、ハイエンドなお客さまにラグジュアリーな雰囲気を提供しているイメージがあり、私を含め同僚たちも経験したことが無い世界であったため、参加者が楽しんでくれるのか、はじめは心配していました。しかし、いざ研修が始まるとそんな心配は無用で、皆が楽しそうに靴を磨く姿がそこにはありました。これは、すごいことだなと…。

靴磨きという仕事は全く違う世界の人でも魅了してしまうのか、同僚でさえこんなにも感動してくれたのだから、この体験をより多くの方に広めたいと思ったのがその時ですね。加えて、長谷川さんを見ていて、路上から始まった靴磨きという職業を、新たなステージへ進化させていったように、自分も一人でゼロからやってみたいという想いがありました。」(濱岡さん)

 

ー濱岡さんは現在法人向けに靴磨きのセミナーや出張靴磨きなど取り組まれてますよね。はじめからその構想があったのでしょうか?

「はじめの構想にはありませんでしたよ。とにかくたくさんの人に靴磨きを広めたいのなら駅ナカから靴磨き事業を出発するのはどうかと長谷川さんに直談判してBrift Hとの業務提携を実現させました。2018年6月19日には品川駅で「BRIFT STAND」を立ち上げました。2019年9月には東京駅の地下に常設店をスタートしましたが、その矢先に新型コロナウイルスの影響を受けて閉店しました。

そこから出張訪問で靴磨きの仕事を開拓しようと決意して、あらゆる伝手をたどって靴磨きの紹介をお願いしていきました。その出張靴磨きが経営者の方々から、企業にもじわじわと広がっていき、今に至っています。」(濱岡さん)

 

ーなるほど!靴磨きをより多くの人に広めたい、その想いに変わりはないからこそ新たな道を模索して法人向けにもサービスを拡充されたんですね

「親ブランドであるBrift Hは、革靴好き・靴磨き好きの方が多く、マニアックな層のお客さまをもうならせるようなハイエンドなサービスを提供しています。それに対し、BRIFT STANDはBrift Hのノウハウをもとに、革靴好き・靴磨き好きだけでなく、靴磨きをまだご存じない、一般的な革靴ユーザーの方にも満足いただけるようなサービスを提供し、靴磨きの裾野を拡げる取り組みを行っています。」(濱岡さん)

 

ーところで、いつもお会いすると、濱岡さんの足元は必ずと言っていいほど英国靴ですが、英国靴との出会いも靴磨きにハマったタイミングだったのですか?

「革靴を購入した大きなタイミングが二つありまして。一つは今までお話ししてきた、2017年に買ったトリッカーズ。ただ、本格靴を買った経験で言うとそれは二回目。一回目は2009年、社会人1年目で買ったジョセフ チーニーです。」(濱岡さん)

(濱岡さんが初めて買ったジョセフ チーニーの一足は黒のストレートチップ)

 

「当時の僕は、スーツをパリッと着こなして仕事をすることに憧れを抱いていました。とは言え、仕事現場ではスーツは着る必要もなく、什器の設営なども行うため動きやすい服装の方が好ましいくらいでしたが(笑)。

そうした憧れがあり、スーツに合う魅力的な革靴は何だろうと調べていくうちに、英国靴にたどり着きましたが、なかなか手が届かない。だけれども、ジョセフ チーニーは、本格靴の中では案外手頃なのではないか、と興味を持ちました。

そして、どこか地方に出張に行ったときにどうしても革靴が欲しくなっちゃって。仕事中に(笑)。いつか買おう買おうと思って調べていてジョセフ チーニーを置いているお店を見つけて「やっぱりすごくかっこいい」と勢いで買いました。しかも色違いで二足一気に買っちゃいました。

お気に入りの靴を履いて毎日現場に行くというのがわくわくした体験でしたね。ただ、当時の僕は靴磨きはしていなかったんですよ。どんな天候でも構わず結構な頻度で履きこんでいました。」(濱岡さん)

 

(トゥにあるのは什器の設営時にひっかけてしまった傷跡。気に入ってどんな時も履いていらっしゃった証ですね!)

 

ー濱岡さんにとってジョセフ チーニーのどのようなところが魅力でしたか?

「憧れの英国靴は高嶺の花。ジョセフ チーニーは僕にとって背伸びをしたい、憧れの本格靴を実際に手に入れたいという思いを叶えてくれました。

相棒にする一足として靴に愛着を持って履き続けた経験もジョセフチーニーが初めてでした。初めて買ったこの靴は、かなり使い込んでいますがメンテナンスや修理も行って、今も大事にしています!」(濱岡さん)

 

 

最後に、濱岡さんに今のジョセフ チーニーのシューズからおすすめのモデルを選んでいただきました!

JOSEPH CHEANEY - WILFRED/ウィルフレッド ¥78,100(税込)

 

選ばれたのはセミブローグのウィルフレッド。ブローグとはスコットランドやアイルランドに住んでいたケルト人が履いていた靴が起源とされている穴飾りのこと。

そんなイギリス由来のディテールがあしらわれているセミブローグはほどよい華やかさの塩梅でオンオフ問わずデイリーで使いやすいところが濱岡さんおすすめのポイント。

ジョセフ チーニーをまだ履いたことがない、或いはオンオフどちらでも履けそうな革靴を手に入れたいという方にもおすすめです!

 

靴磨き職人、ましてや時の総理大臣の革靴を磨いているってお堅い感じの人なのだろうかと思っていたかもしれません。ですが、濱岡さんに会った人は誰でも心を掴まれるのではないかと思うくらい、フランクな態度で接してくださる方でした!

事業を立ち上げるときも全国の靴磨き職人さんの力を借りようと、そうそうたるメンバーに声をかけ、人と巻きこむ力が強い人だと感じました。インタビューさせていただいたこの日も会社の元同期の方が、大事なプレゼン前に丸の内店に立ち寄って靴磨きを頼んでいました。

自分にとって大事な場面で寄り添ってくれる相棒である革靴。だからこそ、愛着を持って履き続けられる、靴を磨くと思い出がよみがえってくるのだと気づかされました。みなさまにもそうした体験を味わっていただきたい…そうした思いでこの度、濱岡さんとタイアップしワークショップも開催いたします!

 

 [靴磨きができるようになる!濱岡 洋によるワークショップ]

開催日時:4月23日(土)

① 12:00-14:00、②15:00-17:00 ※所要時間120分

参加費:¥5,000(税込)

開催店舗:ブリティッシュメイド丸の内店

シューケアの基本から鏡面磨きのポイントまで体得いただけるワークショップです。今まで鏡面磨きが上手くできなかったという方も3つのコツを掴むことで上達の近道へ講師の濱岡洋が導きます!詳しくはこちら

 

(濱岡さんが鏡面磨きを行ったアルフレッド。うるっとした美しい艶が出ています!)

この機会にぜひ、丸の内店にお越しください。

みなさまのご来店を心よりお待ちしております。

 

丸の内店 國見

 

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