過激にして華麗な、あの英国スパイが帰って来た! 映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』のキモとなる3つのお楽しみ | BRITISH MADE

過激にして華麗な、あの英国スパイが帰って来た! 映画『キングスマン:ゴールデン・サークル』のキモとなる3つのお楽しみ

2017.12.25

ロンドン、スーツの聖地といわれるサヴィルロウにある高級テーラー“キングスマン”。その実態は、どこの国にも属さない世界最強のスパイ機関だった―! ユニークで心躍る設定と過激でぶっ飛んだアクション満載で、近年はシリアス路線をいく007シリーズとはひと味もふた味も違うスパイムービーとして話題を呼んだ『キングスマン』。その待望の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』は、前作に続き『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督が手掛け、遊び心満載の痛快作に仕上がっている。
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まずはオープニング、主人公エグジーが麻薬組織ゴールデン・サークルの刺客となった元キングスマン候補生に襲撃され、ロンドンの大通りで壮絶なバトル&カーチェイスを繰り広げるシーンからフルスロットル。前作でストリートキッズからスパイとなったエグジーが颯爽と戦う姿に一人前のスパイに成長したことを実感させられるが、その直後、テーラーをはじめキングスマンの基地が爆破され…。生き残ったエグジーとメカ担当のマーリンが、同盟を結んでいたアメリカの諜報機関に助けを求めることになる。

イギリス VS アメリカはさらにヒートアップ!?

今作で大きな軸となるのは、英国の伝統を重んじるキングスマンとアメリカの同盟機関ステイツマンが手を組むことだ。ステイツマンの拠点は、アメリカ南部のケンタッキー州にある、バーボンウイスキーの蒸留所。そこでエグジーたちを迎えるのは、葉巻を愛する恰幅のいいタフガイ“シャンパン”をはじめ、元ロデオ道化師の“テキーラ”や、レーザー投げ縄を武器とする“ウイスキー”らアメリカの“カウボーイ野郎”たち。ゴールデン・サークルから世界の危機を救うために手を組む彼らは同じスパイではあるが、エレガントなスーツスタイルのキングスマンと、ワイルドなカウボーイスタイルのステイツマンという、ファッションからして全く異なることからもわかるように、一筋縄でいかないのは当たり前。マーリンが、アメリカのウイスキーである「バーボン」のことを、英国のウイスキーとされる「スコッチ」をたとえにしながら、「こんなのスコッチと比べたら酒じゃない」と主張するなど、両者の張り合いが面白い。
20171225_kingsman_snow ウイスキー役を演じるペドロ・パスカル
また前作では、ビッグマックがディナーというIT長者のアメリカ人、ヴァレンタインが悪役だったが、今回の敵であるゴールデン・サークルの女ボス、ポピーもアメリカ人。古き良きアメリカに憧れる彼女は、カンボジアのジャングルに、ボウリング場やダイナー、劇場も備えた“ポピーランド”を建設。その様相はさながら麻薬ビジネスのテーマパークといったところで、この基地同様、一見親しみやすく友好的に見えるポピーだが、中身は恐ろしいサイコ女で、得意料理は裏切り者をミンチにして作ったハンバーガーなのだから恐ろしい。ちなみにポピーという名前には、種類によっては麻薬の原料にもなるケシのダブル・ミーニングもある。
20171225_kingsman_scot ステイツマンのボス、シャンパン役はジェフ・ブリッジス

豪華すぎる! 英米のトップスターが集結

新キャラクターを惜しみなく投入した本作では、英米を代表するスターがズラリと集結。前作で死んだはずのハリーが、実は生きていたという設定で再登場するのはスパイ映画ならではのご愛敬。演じるのは『英国王のスピーチ』で国王ジョージ6世に扮したコリン・ファース。英国を代表するスターとしてコメディからシリアスまで幅広く活躍する彼は、今作でもダンディなたたずまいと華麗なアクションを披露する。エグジー役は前作で一躍、スターになったタロン・エガートン、マーリン役に『裏切りのサーカス』のマーク・ストロングが続投。一方、アメリカ側は、テキーラ役に『マジック・マイク』のマッチョなイケメン、チャニング・テイタム(今回も踊ってます!)、ウイスキー役にTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ナルコス」で注目されたペドロ・パズカル、さらに『007/ダイ・アナザーデイ』でボンドガールを務めたハル・ベリーや、ステイツマンのボス役でアカデミー賞®俳優ジェフ・ブリッジスが出演。そして、ポピー役には、『シングルマン』でコリン・ファースと共演したジュリアン・ムーアが怪演する。
よくぞまあ、これだけスターを揃えたものだと言わずにはいられない豪華キャストだが、極めつけは、英国を代表するスーパースター、エルトン・ジョンが、ポピーに誘拐された有名人として出演していること! ド派手な衣装とたっぷりの茶目っ気で大活躍し、登場シーンではスクリーンをいきいきと支配している。あの「土曜の夜は僕の生きがい」を、絶妙なアレンジで聞かせるシーンもあるからお楽しみに!
20171225_kingsman_harryコリン・ファース演じる、前作で死んだはずのハリーが復活!
20171225_kingsman_Julianne_Moore左:チャニング・テイタム 右:ジュリアン・ムーア

英国のエレガントなファッションが満載

キングスマンのエレガントな英国スタイルは、今回ももちろん健在だ。ハリー曰く「現代版の鎧」であるスーツは、トム・フォード監督の『シングルマン』『ノクターナル・アニマルズ』でも評価されたアリアン・フィリップスが手掛けており、まさしく“オーダーメイド”となった英国ファッションが登場する。身につけているレジメンタルタイは英国の伝統を示すもので、いわばキングスマンの象徴。今回の作品でも、Drake’s のタイを使用しており、グレーやライトグレー、濃紺など様々な色のダブルスーツによく似合っている。
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ほかにも、英国では欠かせない傘が防弾仕様やマシンガンが仕込んであったり、ナイフを仕込んだオックスフォードの靴など、ファッション性の高い秘密兵器が、様々なバトルシーンで登場。ケンタッキーのバーで飛び出すハリーの名台詞「マナーは人をつくる」にはじまる乱闘や、イタリアの雪山で繰り広げられる回転するゴンドラでのシークエンスなど多彩なアクションはもちろんのこと、再会したハリーとエグジーの師弟愛や、エグジーとスウェーデンの王女とのピュアな恋模様などエモーショナルなシーンも満載で、全編を通して決して飽きることはないだろう。本国イギリスをはじめ、すでに全世界で公開されている本作は71もの国と地域で初登場1位を獲得する大ヒットを記録。マシュー・ヴォーン監督によると、すでに第3弾の構想もあるという。英国スパイの新たな代名詞となったキングスマンの、粋で底知れぬ魅力を味わいながら、映画ならではのハイテンションな世界観を堪能して欲しい。
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『キングスマン:ゴールデン・サークル』
1月5日(金)公開
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
Text : 赤羽フミ(Fumi Akabane)

関連リンク
「キングスマン:ゴールデン・サークル」公開!
『007 スペクター』のサウンドトラックについて


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