初開催!日本一の靴磨き職人を決定する“靴磨き日本選手権大会2018”イベントレポート[後編] | BRITISH MADE

初開催!日本一の靴磨き職人を決定する“靴磨き日本選手権大会2018”イベントレポート[後編]

2018.02.07

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2018年1月27日(土)に銀座三越にて行なわれた“靴磨き日本選手権大会2018”を取材してきました。 前編では“靴磨き日本選手権大会”の注目選手や準決勝の模様をレポートしてきましたが、後編では決勝戦の模様や優勝者インタビュー等をお届けします。

決勝戦

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準決勝同様、長谷川さんのゴングで決勝戦がスタート。日本一を懸けた決勝戦は各々の鬼気迫るような気迫で会場にも緊張感が走ります。 決勝戦では準決勝で使用されたシューズよりさらに明るいカラーのレザーを磨きます。 レザーの色が明るいと染みも目立ちやすい為、より正確性、技術力の高さが問われます。

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3名の手元は準決勝同様とても素早く、正確に動いていきます。 審査項目に「所作」が含まれていることもあり、動きがとても滑らかで姿勢も良いです。 特にクロスを指に巻く仕草は独特の風情があり、見ている側も靴磨きをやりたいと思わせる、職人達の所作です。
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磨く靴は乳化製クリームが浸透しており、ワックスを乗せる前の状態のもの。 準決勝、決勝共にワックスで下地を作る作業から始める職人さん達が多い中、石見さんだけは乳化性クリームを一度落として、再度自身で入れ直してから、ワックスを乗せるという手順で進めていたのが印象的でした。 20分という時間制限がある中で作業工程を増やすことはかなりリスクがあるように感じますが、審査項目の「全体のバランス」を突き詰めるとこの手法は正解のように感じます。 ただ、もう一つの審査項目「光沢感」を考えれば光らす為の磨きに時間をかけたいところでもあるはずです。 果たしてこの戦略は吉と出るか凶と出るか。

そして、あっという間に20分は経ち、審査の時間となります。
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審査員の目は真剣そのもの。果たして初代日本チャンピオンとなるのは誰なのか。

栄えある初代チャンピオンは‥‥。
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“THE WAY THINGS GO”の石見豪さん! ブリティッシュメイド注目選手、石見さんの優勝と嬉しい結果に。 おめでとうでございます。 大会前に連絡したところ、優勝しますと宣言されていたのでまさに有限実行の優勝です。
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<石見さん優勝コメント>
「今回大会が開かれると分かってから、スコッチグレインの店舗に訪問して靴を磨かせてもらったり、商品を全種類発注して全て研究しました。磨き方もどれが一番早いかとか、毎日夢に見るほど本気でした。毎日夢で優勝していました(笑) キャリアも一番長いと思いますので一生懸命やってきたことが形になって良かったなと。 是非皆さんお店に来て下さい。」
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そしてすばらしい決勝戦を戦った3名に会場からは大きな拍手が沸き起こります。

靴磨き日本チャンピオン石見さんへの単独インタビュー

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ここからは独自で取材した優勝インタビューになります。

ー 優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
「優勝して本当に嬉しいです。素直に嬉しいです。人生をかけて、命をかけてという気持ちで望んでいましたし、今後東京進出等を考えると負けてしまったらマイナスイメージしかなく、凄くリスクだなとは思っていたんですけど、出ていないのに自分が出ていたら一番だったなんて後から言ったらかっこ悪いなと思って出たんですね。 準決勝の段階で抜けれるか分からないほど皆さん綺麗な仕上がりだったので優勝できて本当に安心しています。」
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ー ずばり何が勝因となりましたでしょうか?
「クリームを入れた靴が来るとのことでしたので、皆さん恐らくワックスケアしかしないだろうと。でも僕は普通の靴磨きで行なうフルケアを行ないました。 具体的にはクリーナー、クリーム、豚毛ブラシでブラッシング、乾拭きしてからワックスを指で塗り、布で少量のワックスを延ばし、鏡面にする山羊ブラシをかけてから水拭きをするという普段僕らがやっている、料金を頂く靴磨きと変わらないクオリティを20分でだすということを練習してきました。 これはワックスからスタートする人に比べ、難易度も高く、仕上がりも綺麗であれば絶対勝てるという自信があり、結果として勝つことができました。」
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ー 今回の優勝を踏まえ今後の展望を聞かせてください。
「まずは東京出店。実は以前より誰に聞かれてもこの大会で優勝すると言っていたので、すでにテレビも取材も決まっています(笑)。 今回靴磨きを知ってもらう良い機会になったのかなと感じていますので私も靴磨きの認知に今後も貢献していければ良いなと考えています。 大会に関しては来年あるのかは分かりませんが二度と出ないです(笑)。」
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最後にもう二人の注目選手にも大会後、感想を伺いました。

Steve Hung(スティーブ・ハン)さん
「非常に緊張しましたが、初めて会う靴磨き職人ばかりで色々な磨き方を見ることができ、とても良い機会でした。」

佐藤 我久さん
「ライブだからこそ聞こえる音だったり、伝わる空気感や見える景色があったと思うので本当に今日この会場に集まったみんなの心に残る最高の大会になったのではないかなと思います。」

多くの人が集まり、大盛況の中、幕を閉じた“靴磨き日本選手権”。 靴磨きの文化の発展と発信が進む中、手入れをする靴として長く履き続けられるグッドイヤー製の英国靴が選ばれているのでは?と感じる部分も少なく無かったです。事実、出場者数名は英国靴を着用しており、お店で磨くことが多いブランドとして英国ブランドの名を上げる方がいたのも事実です。 また、会場の観客の中にはキルティングジャケットやオイルドジャケット等、ブリティッシュな装いの方も多くいらっしゃり、良い物を長く大切に使うことや普遍的なスタイルといった英国的マインドが浸透していることが実感できるイベントでもありました。

大会レポート前編はこちらから

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取材協力:銀座三越
http://mitsukoshi.mistore.jp/store/ginza/index.html

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