ファッションの世界を駆け抜けて、今惚れ込むのはジョセフ チーニーのプレーントゥ | BRITISH MADE

いつからかイギリスを身にまとう暮らし ファッションの世界を駆け抜けて、今惚れ込むのはジョセフ チーニーのプレーントゥ

2022.06.21

ファッションの世界を駆け抜けて、今惚れ込むのはジョセフ チーニーのプレーントゥ
ブリティッシュメイドのスタッフの中には、イギリスに何かしら縁のある人がたくさんいます。「不思議なきっかけでイギリスとつながった」「気づいたらイギリス製品が大好きになった」というブリティッシュメイド スタッフのライフスタイルや愛用品に迫る本シリーズ。第6回目は、ブリティッシュメイド 新宿店の川島孝雄さんに、イギリスファッションに夢中になった20代前半のこと、ロンドンで過ごした1年間のこと、最近、惚れ込んでいるジョセフ チーニーのプレーントゥについて話を聞きました。

川島 孝雄 Takao Kawashima
ブリティッシュメイド 新宿店スタッフ。休みの日には、次男とドッジボールをして遊んだり、温泉に行ったり、靴磨きをしたりと多趣味。子どもの頃からフットボールの大ファンで、近所にスタジアムがあることから、よく観戦に出かけるのだそう。

英国フットボールファンの間で発展したファッション「カジュアルズ」に夢中になった時代

英国フットボールファンの間で発展したファッション「カジュアルズ」に夢中になった時代イギリスのフットボール文化を描き出す映画『フーリガン』(2005)のワンシーンより
―イギリスに触れたきっかけは何ですか。

川島:大学1年生のとき、池袋サンシャインに入っていたカフェでアルバイトをしていたんですが、当時、おしゃれな先輩がいまして、すごく仲良くしていただきました。その方がイギリスのストリートファッションが好きだったので、私も憧れて同じようなものを買ってみたり、買い物に連れていってもらったり、バイクの免許まで取って一緒にツーリングに行ったりしました。それがイギリスに触れた最初だったかなと思います。

―おしゃれな方だったんですね。イギリスのストリートファッションというと、どういうスタイルですか。

川島:ブランド名でいうと「Maharishi」「GRIFFIN」などのUKストリートファッションですかね。あと、イギリスの熱狂的なフットボールファンのことを“フーリガン”と呼ぶんですが、彼らが好んでしていたスタイルを「カジュアルズ」と呼ぶんです。トラックスーツ(ジャージ)やナイロンジャケット、デニムにadidasのトレーナー(スニーカー)を履いたり。そういう文化やファッションにかなり影響を受けました。

―労働者階級から生まれたスタイルですね。

川島:はい。当時は、中目黒や代官山でイギリスのストリートファッションを取り扱っているお店を自分で見つけて着たりしていました。

―もちろん今もですけど、20年くらい前の中目黒や代官山は盛り上がっていて面白かった記憶があります。実は私、当時、代官山のカフェでアルバイトをしていました。ワッフルが人気のカフェで(笑)

川島:自分も代官山で働いていました。

―本当ですか!?

川島:24歳の頃、1年ちょっとですが「Ready Steady Go!」というお店です。

―伝説のお店じゃないですか!すごい!

川島:いえいえいえ。

―イギリスのどういうところが好きですか。

川島:イギリスは、個性がとにかく強いという印象があります。そして、一人一人の意見とかキャラクターに対し、お互い干渉しないところがいいです。そういうところに、若い頃は憧れがあり、ちょっと不良っぽい雰囲気もかっこいいなと思ってみたり。

レンガでできた街の雰囲気もいいと思います。あと、曇っている感じも好き。曇っていたのに、急に晴れてきた瞬間の周りの人たちの笑顔とか、すごく気持ちが上がって素敵だなと。

―私もイギリスの曇り空は好きです。変にテンションが上がりすぎず、ほっとするんです。

川島:うんうん。それから食べ物だと、ジャガイモの料理、グレイビーソースを使った料理がおいしかった印象があります。クッキーもすごくおいしくて、スーパーでいろんなクッキーを買って食べていました。


25歳でロンドンへ!本場モッズファッションを学んだ1年間

25歳でロンドンへ!本場モッズファッションを学んだ1年間当時、川島さんが働いていたお店「Sherrys」
―2007年に1年間ロンドンに留学したそうですが、どういう経緯ですか。

川島:イギリスに行くきっかけは、自分で洋服屋をやりたいと思ったからです。洋服屋をするには、仕入れのコネクションを作らないといけないと、当時働いていた代官山のお店の社長さんに教えていただきました。若いときに行って自分でパイプを作ったほうがいいと。それで渡英を決意しました。

―パイプを作るといっても、海外で一人で大変でしたよね?

川島:そうですね。渡英前は、昼間に販売の仕事をして、夜間にコンビニでアルバイトをして、一年間で200万円を貯めました。渡英してからは、カーナビ―ストリート界隈のお店に片っ端から飛び込んで、「私を使ってください!」みたいな感じで。

―でも、「NO, NO, NO!」って言われませんでしたか。

川島:もちろん言われました。いろんなお店に断られて、どうしても働きたかったお店には4回も断られた挙句、「もう来るな」と言われて出禁になりました。

―ガッツがありますね(笑)

川島:自分は1年のうちに働く経験をつけて、パイプを作らないと帰れないと思っていたので、もう必死でした。


25歳でロンドンへ!本場モッズファッションを学んだ1年間当時、川島さんが働いていたお店「Sherrys」
―そしてついに、1つのお店が雇ってくれるわけですね?

川島:そうですね。実は、例の代官山のお店とつながるんですが、そこのオーナーがよく買い付けに行っていた「Sherrys」というお店をたまたま発見したんです。日本で「Ready Steady Go!」で働いていたと話したら、オーナー同士が知り合いだったようで。そうした縁から、ワークエクスペリエンスという形で雇ってもらうことができました。

―「Sherrys」での心に残るエピソードはありますか。

川島:個性豊かで刺激的な仲間と働けたことです。「Sherrys」はモッズファッションのお店だったので、スタッフの一人はモッズの聖地ブライトンに住んでいて、本場モッズを体現していました。また、ファッションショーに出演する現役モデルや、インディーズバンドのボーカルもいました。

お客さまには、ミュージシャンがすごく多かったです。ある日、自分の好きなポール・ウェラーが来店したことがあったのですが、自分がちょうど昼休憩のときで会えなかったんですよ!あと、ベスパに乗ってモッズファッションを体現されたお客さまが多くいらっしゃいました。そういう個性あふれるお客さまに洋服をご案内させていただいておりました。


―刺激が絶えない日々を過ごしていたんですね。同僚とファッションの話をしたりしましたか。

川島:ブライトンに住んでいた同僚からは、よくコーディネートについて教えてもらいました。例えば、モッズファッションは60年代のファッションだから、それをそのままやってしまうとコスプレになってしまうよとか。当時のスタッフは「Martin Margiela」をよく着ていて、そういうモッズとは全然違ってみえるファッションでも、テイストをしっかり合わせてモダナイズして着ることが大切だと。

ーどれも宝物のような思い出ですね。……そういえば、川島さんは高井靴店の高井さんとロンドン時代にお知り合いになったとか。

川島:そうなんです。ちょうど同じ時期に、高井さんも師匠である靴職人のもとで勉強されていました。同級生ということもあり、とても仲良くしていただきました。ブリティッシュメイドに入社後、高井さんにブリティッシュメイド大阪店での靴磨きイベントにお越しいただいていることを知り、お電話で久しぶりにお話する機会もありました。


離れてみてやっぱりファッションが好きだと気づいた


ーブリティッシュメイドにはどのような経緯で入社しましたか。

川島:実は39歳のときに、一度ファッションの世界をやめようと思ったときがありました。

ーえ!こんなにファッション一筋だったのに、どうして?

川島:イギリスから帰国して、あるセレクトショップを自分でディレクションする機会に恵まれました。10年の間、店長をし、バイヤーをし、店頭にも立ち、最終的には卸の営業も経験し、てんてこ舞いになりながらも充実した時間を過ごしました。若い頃に描いたことを全部できて達成感があり、また、コロナの影響で経営の岐路に立ったとき、ファッションはもうここで終わらせようという気持ちになりました。

ー寂しいけれど、どこか清々しいですね。

川島:その後、電化製品のお店で働き始めました。贅沢品をずっと扱ってきたので、今度は、生活必需品の販売のほうで自分の人生を活かしてみたいなと。また、人と人の触れ合いの中で気持ちよくお買い物をしていただくとか、お客さまの笑顔が見れるとか、そういう接客の仕事が好きでしたので。

ところが、離れてみたらやっぱり、ずっとファッションのことを見ていて、やっぱり自分はファッションが好きなんだなと気づいて。もう一度ファッションの世界に戻るなら、自分の原点であるイギリスファッションで何かできるお店があるんだったらと探し始めた矢先に、ブリティッシュメイドが出てきたんです。奇跡的な出会いにちょっと興奮しました。


ジョセフ チーニーのミリタリーシューズを履き比べて マルバーンとケンゴン 2R

ジョセフ チーニー プレーントゥ MALVERN C/マルバーン JOESEPH CHEANEY – MALVERN C/マルバーン
ーブリティッシュメイドに入社して最初に購入したのは何でしたか。

川島:最初に購入したのは、ジョセフ チーニーのセミブローグ「ウィルフレッド」だったのですが、実は入社前から購入しようと決めていたのは、外羽根プレーントゥの「マルバーン」でした。

ーマルバーンのどこに惹かれましたか。

川島:ブリティッシュメイドのオンラインショップを見ていて、マルバーンの静かな佇まいや、つま先が少し黒っぽくなっているところが刺さりました。

ーマルバーンには、ジョセフ チーニーで人気の「ケンゴン 2R」と同じミリタリーラストが使用されていますが、ケンゴン 2Rと比べるとミリタリー感はあまりなく、とても上品な印象ですよね。

川島:はい!マルバーンは絶妙なテイストなんです。そこが好きなところです。それこそデニムにも合えば、ウールのスラックスにも合います。

ーマルバーンの履き心地はいかがですか。

川島:最初の3カ月くらいは、夕方になると左足の小指が痛いこともありましたが、半年くらいかけてようやく馴染みました。ソールはコマンドソールなので滑りません。機能的な良さを感じます。

ジョセフ チーニー プレーントゥ MALVERN C/マルバーン川島さんはマルバーンのつま先が少し黒くなるようにグラデーションをつけている
ーマルバーンはプライベートでも履いていますか。

川島:いえ、このマルバーンは通勤で履くときはありますが、基本的には店頭用です。キレイなスタイリングで履いて、お客さまに良さを感じていただきたいですし、洋服屋なので、店頭が勝負ということで!

ー川島さんは革靴を本当にキレイに維持していますよね。お手入れはどうしていますか。

川島:マルバーンは茶色いベースを作りながら、つま先だけ黒くしています。そういうグラデーションをつけるなど、お手入れの仕方で自分らしく表情をつけられるのは魅力的だなと感じています。

ーそういえば、名古屋店の高野さんもジョセフ チーニーのローファーにクリームで濃淡をつけて楽しんでいると言っていました(詳細は前回の記事へ)。お手入れの時間がカスタマイズの時間にもなっていて楽しいですね!

ジョセフ チーニー MALVERN C/マルバーン CAIRNGORM 2R/ケンゴン 左:JOSEPH CHEANEY - MALVERN C/マルバーン
右:JOSEPH CHEANEY - CAIRNGORM 2R/ケンゴン
ー「ケンゴン 2R」もお気に入りとか。バーガンディーが人気のカラーですが、ブラックを購入したんですね。

川島:バーガンディーもかっこいいなと思ったんですけれど、革靴は最初からいっぱい持つつもりはなくて、茶色のウィルフレッドと、茶色のマルバーンと、あと黒い靴は必ず必要になると思ったので、それでケンゴンは黒を購入しました。どうしてもお手入れが大変になるので、革靴は少なめで。

ーなるほど。では、しばらくはこの3足体制でいくんですね。

川島:自分は4人家族なんですけれど、ウィルフレッドを最初に購入したので、ちょっと恥ずかしいんですが、これは妻というイメージでお手入れしています。2足目のマルバーンは長男、3足目のケンゴンは次男という具合に、家族に被せてお手入れを丁寧にするようになったら、愛着が湧いてきまして。家族と一緒にいるような気持ちで履いています。

ーいい話ですね。

川島:ちょっとバカみたいな話なんですけど(笑)

ーいいじゃないですか(笑)ところで、ケンゴンを購入するきっかけは何ですか。

川島:原宿で働いていた頃、近くに「District」というUnited Arrows系列のセレクトショップがありまして、そこの看板スタッフでいらっしゃった森山真司さんという方がケンゴンのバーガンディーを履いていらっしゃいました。お見掛けする度にスタイリングがとても素敵だったので、ジョセフ チーニーなら絶対ケンゴンは買おうと思っていました。

ーケンゴンはどういうスタイルに合わせていますか。

川島:自分は古着のオフィサーパンツがすごく好きで、英国軍のオフィサーパンツとよく合わせます。ケンゴンやマルバーンで使われている「4436ラスト」も同じミリタリー由来なので、オフィサーパンツとつなげやすいですね。トップスはシャツジャケットか、ジャケットか、その時々で。

ーちゃんとミリタリールーツのアイテム同士を合わせるわけですね。

川島:そうですね。テイストを合わせることが大切だと思っています。


最後に、ブリティッシュメイド新宿店の魅力を教えてください!

ブリティッシュメイド 新宿店の魅力 スタッフ 川島
―ブリティッシュメイドの店舗は全国にありますが、“新宿店らしさ”を教えてください。

川島:まずスタッフに関していえば、穏やかなスタッフが多いです。例えば、スタッフの西田さんは、持ち前の愛嬌と丁寧な接客で、ご案内したお客さまがいつもニコニコ笑顔でお帰りになられます。フレンドリーな接客をするのが新宿店らしさかなと感じています。

ーお客さまが笑顔になってくださるのは嬉しいですね。また、気軽に質問しやすい雰囲気であることもいいですね。

川島:そうですね。雰囲気だけでなく、商品知識をしっかり持ったスタッフがそろっているのも新宿店の特徴です。店長の藤井さんは革靴に造詣が深く、ジョセフ チーニーやチャーチのご案内のスペシャリストです。女性スタッフの原田さんは、新宿伊勢丹の紳士靴売場でも勤務しているので、同じく革靴の知識が豊富で、特に女性のお客さまからの信頼が厚いようです。

さらに、新宿店では毎月、女性シューシャイナーの嶋香友那さんにお越しいただいて靴磨きイベントを開催していますので、革靴のお手入れについてお困りの女性のお客さまにはぜひご利用いただきたいです。

ー最後に、ひと言お願いします!

川島:ブリティッシュメイドのお客さまは、イギリス好きな方が多いように感じます。自分はイギリスにまつわる話をするのが好きなので、商品の話はもちろんなのですが、イギリスの体験談や、趣味やジョークなど交えながら、楽しくお買い物をしていただけるといいなと思います。オンラインショップもいいですが、店頭でのお買い物は“人と人”なので、会話を大切にしながら、気持ちよくお買い物をしていただけるような接客をしたいと思います。


ブリティッシュメイド新宿店
〒160-0022
東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan 新宿 4F
TEL:03-6457-8302
Email:newoman_shinjuku@british-made.jp
営業時間
平日 土:11:00〜21:00
日祝:11:00〜20:30
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