BRITISH MADE

Food For Thought ロンドン初のモダンアメリカンレストラン⁈ 「TWO LIGHTS」

2018.12.11

世界中に点在するレストランを格付けするThe World’s Best 50 Restaurantで2018年度33位を獲得した話題の『The Clove Club』。以前紹介したブリタリアン(ブリテン+イタリアン=イタリア料理をブリティッシュの食材で)をコンセプトに安定的な人気を誇る『Luca』に続き、The Clove Clubで中核シェフとして活躍をしていたChase Lovecky氏をサポートし、最近オープンしたレストランが今回紹介する『Two Lights』。
モダンブリティッシュではないアメリカ出身のシェフが送り出すコンセプトはモダンアメリカン料理。レストランが併設するKingsland RoadはAce Hotel Londonに面しているShoreditch High Street を北上した道で、『Two Lights』を更に若干北上すると有名なベトナム料理街が広がる。この辺りは、コミュニティー感満載なレストランが多くて有名な場所である。そういったスピリッツを引き継ごうと、旧イタリアンピザ屋だった場所にあるピザ窯をそのまま 、お肉のロースティングやパン窯として再利用している所も今っぽい。
レストランの名前は、シェフの出身地であるアメリカ、ニューイングランドメイン州にあるトゥー・ライツ州立公園からきている。The Clove Clubのように重厚感があるサンプルメニューを長時間かけて楽しむスタイルとは真逆にカジュアルで軽いバイトサイズの料理を自由に楽しむスタイル。今は、カジュアルダイニング、Walk-Inスタイル(予約を取らないテーブルを常に準備する、自由席スタイル)がトレンドだ。モダンアメリカン料理もモダンブリティッシュ料理と同様に、多様な料理や文化から学んだ技術やアイデアを自由に使い融合し、新しいスタイルや料理を確立する事をテーマにしている。The Clove Clubも同様だが、色々な箇所で日本の味が垣間見れるのもどれだけ日本食が人気で、昔に比べ大衆により日本食が気に入られているのかを知る良いバロメーターだと思う。今回は、ウェイターのお勧めを聞いてオーダーしてみた。
旧イタリアンピザ屋を改築したレストラン。かなり小ぢんまりした外観と対照的で賑やかなキングズランドロード。
灯台をモチーフにしたロゴとブランディング。
40席強ぐらいの席数とシンプルであたたかい内装。Walk-inスタイルは予約を受けつけずに来た順に席を通す。当日はオープンした時間と共に駆け込みしたのでかなり空いている。
18品の厳選されたメニュー。カツや味噌、海藻、ボニート(鰹節)などが目に付く。
ポテトロールとボッタルガバター。ポテトロールは、アイルランドでもよく食べるジャガイモを使ったパン。でんぷんの甘さがありもっちりしている。ボッタルガは、日本でいうカラスミ。この甘みとカラスミの塩っ気と濃厚なバター。
鰯フライカツのサンドウィッチ。カツサンドは結構こちらでもカツカレーの人気に合わせて、カツという言葉にも皆馴染みがある。大皿で食べたくなる一品。その内、ロンドンのサンドウイッチ屋にもカツサンドは当たり前のように並べられる時代が来るだろう。
良心的な価格な地ビールのテーブルビール。テーブルビールは自宅で飲むぐらいのコップ分量で飲むビール。
鰹炙りと酢漬けした玉葱とマスタード。鰹の漬け的な一品。日本へのオマージュが続く。
レタスウェッジ、タラゴンドレッシング。大きなくさび型に切られたレタス。視覚的にも面白い一品で、この切り方をしているのもありレタスの中に冷えた水分を十分に含んでいるのでかなりリフレッシングな爽快感のある一品。
山菜塊に黄身卵とダルス(海藻)ソース。キノコの塊をそのままローストした一品。
ソーセージの詰め物をしたホロホロ鳥にブロッコリーと柚子。醸した味が特徴の素材に歯ごたえのある小さく切り刻んだブロッコリーと柚子の酸味。絶妙の一品。
キッチンに併設した小さなバーエリア。今回はワインを飲まなかったが、ウェイターによるとワインのセレクションは、ヨーロッパ産の小さなワイン畑でプロデュースされているという。当然、シェフの出身地アメリカンワインも数種類揃えているらしい。次回は、ワインを飲みながら食事をつまみながら楽しむのも悪くないだろう。
見かけはシンプルだが、そういった品の中にも見えない技術を駆使する。色々な文化背景や料理の影響を受け、一連の流れとしてユニークなスタイルが確立されているメニュー。カジュアルでありサプライズ感もあるのも嬉しい。個人的な見解になるが、おそらくここがロンドン初のモダンアメリアカンレストランなのでは?賛否両論があるだろうが。是非足を運んでみてください!

Two Lights
住所:28-30 Kingsland Rd, E2 8DA
最寄り駅:地下鉄OLD STREET駅から徒歩10分程/HOXTON駅から徒歩6-7分程
twolights.restaurant
Text&Photo by Tatsuo Hino

関連リンク
中心街の隠れ家的なレストラン、ネオブリティッシュビストロ!『NEO BISTRO』
ロンドンのリトルイタリー 『CAMPANIA & JONES』
話題のレストラン「THE CLOVE CLUB」が待望の2店舗目をロンドンにオープン


plofile
日野 達雄

日野達雄

英国在住歴19年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。

日野達雄さんの
記事一覧はこちら

同じカテゴリの最新記事