スタイリスト四方章敬さんが語る&着こなす。新作オリジナルシャツ徹底解剖 | BRITISH MADE

スタイリスト四方章敬さんが語る&着こなす。新作オリジナルシャツ徹底解剖

2022.08.10

ブリティッシュメイド オリジナルシャツ スタイリスト四方章敬さん 新作オリジナルシャツ徹底解剖
スタイリスト四方章敬さんがディレクションを行うブリティッシュメイド オリジナルシャツシリーズに、さらなる素材バリエーションが登場! 男女の垣根を越えてご好評をいただいているオフィサーシャツ「プリマス」には初の柄ものが、ドレスシャツ「ロンドン」には素材感の微差に着目した白無地が新たに加わりました。「どちらもベーシックに見えますが、メーカーにあった生地見本をくまなくチェックして、熟考を重ねたうえでたどり着いたチョイスです。ポイントはパターンと生地の相性でして……」と、今回のメイキングストーリーを語りはじめた四方さん。そのこだわりをたっぷりとお話しいただきます。

ヴィンテージにモチーフをとりつつ、独自のアレンジも加えたシャツ

ブリティッシュメイド オフィサーシャツ プリマス ドレスシャツ ロンドン
「英国の歴史的ルーツを感じさせる、説得力のあるシャツを作りたい」という指針のもと、さまざまなヴィンテージシャツをリサーチしながらデザインを起こしたオリジナルシャツ。左の「プリマス」はロイヤルネイビー(英国海軍)に採用されていた1960年代のオフィサーシャツにインスピレーションを得たモデル。当時のムードを保ちつつ、背中側の裾を長くとるなど四方さんならではのアレンジを加えています。

右の「ロンドン」は英国の正統派ドレスシャツを現代的にアップデートしているのが特徴。表前立てのフロントや3連ボタンのスクエアカフスなどにそのルーツを感じさせますが、襟には非常に薄い芯地を用いてリラックス感を高め、身頃はヴィンテージのアメリカンシャツをイメージしてゆったりと設定しています。

「共通していえるのは、シャツ一枚からスーツのインナーまで幅広くサマになる汎用性。そして“ありそうで、ない”バランス感です。スタイリストとして日々多くの服に接しているからこそ生まれてきた“こんなシャツがあったら……”という理想を現実化したアイテムですね」(四方さん)

上品さとリラックス感を兼備した、ピンオックス生地を採用

ブリティッシュメイド 上品さとリラックス感を兼備した、ピンオックス生地

今回、四方さんがピックアップしたのは、「プリマス」「ロンドン」ともに“ピンオックス”とよばれるファブリック。ボタンダウンシャツでお馴染みのオックスフォードクロスに近い組織ですが、より目が細かく柔らかな肌触りを備えているのが特徴。いわばドレスとカジュアルの中間的素材といえます。

左は厳選された綿花をゆっくりと紡績し、しっとりとしなやかさに仕上げた「フィルロワ」という糸を使用。実はウィメンズ用の生地として展開しているものをピックアップしています。

「今回『プリマス』の新作を企画するにあたって、まず思いあたったのがオックスフォードクロスでした。しかし一般的なオックスだとハリコシが強すぎて、『プリマス』ならではのドレープが綺麗に出ない。かといって、これまでと同じような素材ではつまらないし……と悩みながら生地サンプルを掘り起こしていたところ、偶然ウィメンズ生地のなかにこのピンオックスを発見したんです。メンズ用とはひと味違うしなやかさを備えていて、“これだ!”という感じでした。ちなみに『プリマス』の柄ものは初登場となりますが、この柄ゆきに関してもじっくり吟味しています。当初から英国定番の青白ベンガルストライプにしようとイメージしていましたが、あまりに太幅だと主張が強くなって着こなしが難しくなりそうでした。そこで、遠目には無地に見えるくらいの細幅をチョイスしたんです」と四方さん。

一方ドレスシャツ「ロンドン」に採用した右の白無地素材は、コットンの王様と名高いスーピマ綿を採用したクラス感のあるファブリック。原綿の繊維が長く繊細で、上品な光沢となめらかな肌触りを備えています。

「この生地を見て、“白無地の『ロンドン』って前にもなかったっけ?”と思った方もいらっしゃるかもしれません。写真で見ると非常に違いがわかりにくいのですが(苦笑)、前回の白無地シャツでは“タイプライタークロス”という比較的ドレッシーな生地を採用しているのに対し、今回はピンオックス生地を用いることで少しだけカジュアルな雰囲気に振っているのがポイントです。これによりコーディネートの守備範囲が変わっていて、今回の『ロンドン』はアウター的にバサッと羽織るのにも向いたバランスになりました。同じデザイン・同じ色でも、素材が変わるだけで違った着こなしが楽しめる。そんな微差の魅力を感じていただけると思います」

意外と珍しい“カジュアル使いのピンオックスシャツ”

意外と珍しい“カジュアル使いのピンオックスシャツ”

今回の新作シャツ2モデルで四方さんがピンオックス生地に着目したのは、次のような理由もあるそう。

「一般的にピンオックスというと、ドレス系のシャツに採用されているイメージがあります。今回のようにカジュアル使いも想定したシャツで用いるのは珍しい。だからこそ、ほかのシャツブランドにはない独自性を打ち出せるのでは……と考えたんです。すでに世の中にあるものは、提案しても意味がないですからね。それから見方を変えれば、今回の新作シャツは“ミックステイスト”ということもできます。個人的にピンオックスといえば、2000年代のナポリシャツブランドが採用していたイメージ。それをブリティッシュな『プリマス』『ロンドン』と組み合わることによって、これまでにない表情を引き出せたと思いますね」

四方さんが実践! 新作シャツのコーディネート実例
ドレープ美を活かして、グレーパンツでサラリと着る

ブリティッシュメイド スタイリスト 四方章敬 新作シャツのコーディネート シャツ:BRITISH MADE - オフィサーシャツ「プリマス」
トラウザーズ:BRITISH MADE - オフィサーパンツ「ポーツマス」
シューズ:JOSEPH CHEANEY ― ローファー「HARRY」

「程よく厚みのあるこちらのピンオックス生地ですが、風合いがソフトなため着用時のドレープが大変綺麗。リラックス感とともに優雅で大人っぽいイメージも意識したため、グレースラックスなどドレスパンツに合わせてもサマになります。肩肘張りたくないけれど、品のよさはキープしたいという場合にピッタリなコーディネートだと思いますね。ちなみにパンツはBRITISH MADEのオフィサーパンツ『ポーツマス』。同じオフィサーモチーフだけあって相性のよさは抜群です」

ショートパンツスタイルにも洒脱さが漂う


「例年以上に猛烈な暑さが続く今年の夏。休日にはショートパンツが手放せないという方も多いと思います。ただ、ショーツスタイルのネックは着こなしがシンプルになりがちなこと。短パンにTシャツではいかにも手を抜いているような服装だし、かといって暑さに耐えながらトップスをレイヤードするのは本末転倒。そんなときに重宝するのが『プリマス』です。バンドカラー&プルオーバーというデザイン性に加え、ドロップテールの裾もアクセントに。加えてこのストライプ柄なら、色柄のメリハリも簡単につけられます」

上品な素材感がスーツとも好相性


「タイプライタークロス版『ロンドン』は端正かつリラックスした表情が特徴でしたが、こちらのピンオックス版はそこに“しなやかさ”をブレンドしたような雰囲気。スーツに合わせたときにも独特な抜け感を演出できます。襟芯を極力薄くしたレギュラーカラーゆえ、ノータイでも襟元が美しく決まるのは以前と同様。個人的には、コットンスーツなどカジュアル要素のあるスーツと合わせるのに絶好の使い勝手だと思います。」

シャツアウターとして羽織ってもバランスよし


「タイプライター版『ロンドン』はシャツ一枚で着るときにもタックインを想定していましたが、ピンオックス版は生地に織りの表情があるため、シャツアウター的に羽織ってもいいと思いますね。あえてアイロンをかけず洗いざらしで着ても味もある雰囲気が出ると思います。ここではグルカショーツに合わせてシンプルに。中ほどのボタンを2つだけ留めたり、袖を無造作にロールアップしたりしてニュアンスをつけました」

ブリティッシュメイド スタイリスト 四方章敬 新作シャツのコーディネート

冒頭でも触れたとおり、今回かなりの試行錯誤を経てピンオックス生地にたどり着いたという四方さん。

「今回『プリマス』『ロンドン』の新素材を作ろうと方向性は決まっていて、イメージもある程度固めてから生地セレクトに入ったのですが、そこからがかなり悩みました。2度3度とメーカーに足を運び、粘りに粘って吟味したので、先方も終盤は呆れ気味でしたが(笑)、やはり苦労しただけいいものができると再認識できましたね。今回ピンオックスという少しわかりにくい素材を選んでいますが、店頭で実際に触れていただければ確かな違いを感じられると思います。ぜひご注目ください」


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Styling by Akihiro Shikata / 四方章敬
Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光

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