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BM RECORDS TOKYOへようこそ 『BOND 25』クランクイン!!

2019.05.09

クレイグ版ボンド最終章を考察

4月25日(日本時間)、007シリーズ最新作『BOND 25』 についての公式会見プログラムが世界へ生中継されました。
会見の舞台となったジャマイカの『ゴールデン・アイ』は、原作者のイアン・フレミングが007シリーズを執筆していた別荘です(現在はホテル)。言うまでもなく映画15作目の『ゴールデン・アイ』というタイトルはこの別荘の名前を拝借したものでした。
さらにジャマイカは、映画1作目『ドクター・ノオ』と、8作目『死ぬのは奴らだ』のロケが行われた土地でもあります。
『カジノ・ロワイヤル』、『慰めの報酬』、『スカイフォール』、『スペクター』と続いてきたダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドも、いよいよ次作で見納めと言われています。これは本人も認めているので、どうやら確定の模様です。
この日はダニエル・クレイグ、監督のキャリー・フクナガ、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソンと、レア・セドゥを含む豪華女優陣が集合しました。
ダニエル・クレイグはトム・スウィーニーのセットアップと、足元はコンバースのfear of god限定モデル(日本未発売モデル。ニクイね)を着けて登場しました。

会見では、主要キャストとざっくりしたイントロダクションが発表になりました。まずジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグはもちろん、前作のボンドガールを務めたレア・セドゥに、マネーペニー役のナオミ・ハリス、武器開発係であるQ役のベン・ウィショー、M役のレイフ・ファインズ、ビル・タナー役のロリー・キニアというMI6チームの面々が続投します。
さらに『慰めの報酬』以降ご無沙汰だったボンドの『アメリカの友人』ことCIAのフィリックス・ライターが復活。ジェフリー・ライトが久々に登板します。(個人的にはこれがとてもうれしかった!)
そして新たなボンドガールとして、『ブレードランナー2049』で魅惑的なAIガールのジョイ(むっちゃかわいかった…)を演じたアナ・デ・アルマスが登場。さらに悪役には、大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを熱演したラミ・マレックの起用がアナウンスされました。
加えて、現時点では配役が不明ですが、ダリ・ベンサーラ、デヴィッド・デンシック、ラッシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセンの出演も決定しました。
物語のイントロダクションとしては……前作で現役を退いた(※ここ、休暇説もあり)ボンドが、ジャマイカで穏やかな日々を過ごしていると、フェリックス・ライターから、誘拐された科学者を救い出してほしいと依頼を受けて、想像を超える過酷なミッションから、危険な最新技術を操る正体不明の敵へと導かれていく……のだそうです。

脚本はこれまでも007シリーズを手掛けてきたニール・パーヴィス&ロバート・ウェイドにキャリー・フクナガらを含めたチームによる執筆です。

当初起用されていたダニー・ボイルから交代となったキャリー・フクナガは日系アメリカ人です。日系アメリカ人が007シリーズを監督するのは初めてのことで、しかも彼は映画よりもテレビドラマシリーズで知られた監督です。いずれも、シリーズとしては異例の大抜擢と言えるでしょう。

私は彼の監督作では、マシュー・マコノヒーが出演した激シブな『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』シーズン1が好きです(日本でも視聴できます)。
さらにポイントとなるのは、撮影監督がリヌス・サンドグレン。衣装はスティラット・ラーラーブとなった点です。

例えば『スカイフォール』の撮監は『ショーシャンクの空に』、『ノーカントリー』、『ブレードランナー2049』を手掛けた名将ロジャー・ディーキンス、『スペクター』は『裏切りのサーカス』『ダンケルグ』を手掛けたホイテ・ヴァン・ホイテマでした。
いずれも監督は同じサム・メンデスでしたが、画心は全く異なりました。私はどちらかといえばロジャー・ディーキンスが好みでした。(特にカーチェイス。正直、『スペクター』はあまりのれなかったんですよねえ…)。

次作で登板するリヌス・サンドグレンは、近年では『ファースト・マン』そして、やはり何と言ってもアカデミー撮影賞を受賞した『ラ・ラ・ランド』で知られています。
彼のセンスがシリーズにどう反映されるのか、とても楽しみです。

また衣装のスティラット・ラーラーブは、これまでに『スティーブ・ジョブス』や『スラムドッグ$ミリオネア』を手掛けています。
正直、過去2作の衣装を務めたジャイニー・テマイムからの交代は、私はかなり残念でした。スティラット・ラーラーブがどんなスタイリングのボンド像を構築するのか、まだイメージできていませんが、ともかく期待するばかりです。

さて、撮影はすでにジャマイカでクランクインしていますが、気になるのは多くのファンが待ち望んでいた正式タイトルは発表されなかった点です。

理由には、脚本がいまだ撮影中に変更されまくっていて着地を迎えていないからという説と、既出のタイトルをリブートするのでは?という説があがっています。ちなみに24作のなかで、同じタイトルが二度使われたことは未だありません。

1967年のパロディ映画『カジノ・ロワイヤル』は、007シリーズにおいては全くの別物扱いで公式にはシリーズとしてカウントされていません。
またショーン・コネリーが『サンダーボール作戦』をリブートした『ネバーセイ・ネバーアゲイン』も同様にシリーズとしてはカウントされていません。
撮影がジャマイカで行われている点や科学者絡みのシノプシスから、複数のメディアやファンの間では、『ドクター・ノオ』のリブート説も囁かれています。たしかに、ラミ・マレックがマッド・サイエンティストを演じて、クレイグ・ボンドと対決するのは見応えありそうです(笑)。

そうそう。それと、ボンドカーとして、アストン・マーティンが初の電気自動車を投入するそうです。いや、Qよ、そこはガソリン車でいいじゃん!?と個人的には思うのですが、ミーハーというか節操がないほど時代の流れに逆らわなかったことが、たしかにこのシリーズの長寿の秘訣であることも否定ができないので……でも、なんかちょっとさみしいな……(泣)。
そういえば、もしもクレイグ・ボンドがレンタカーを借りたら……ということで、『笑ってはいけないダニエル・クレイグ』とも言える面白動画があるので、ひとつ貼っておきます。この人、実は結構コメディもいけるクチなんですよね(笑)。
『BOND 25』は2020年公開予定です。今後のアナウンスやロケの続報が楽しみですが、まずは第一報のまとめでした。機会があれば、随時『BOND 25』について触れていきたいと思います。ではまた!

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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