ノースロンドンに登場した新オアシス 『SALUT! LONDON』 | BRITISH MADE

Food For Thought ノースロンドンに登場した新オアシス 『SALUT! LONDON』

2016.11.08

チェーン店が軒並み並ぶイスリントン地区中心街。その外れにデンマークの斬新的なレストラン『NOMA』で修行をしたシェフがレストランをオープンしたと聞いて、早速駆けつけてみた。『NOMA』の映画を見た人は結構いるだろう。
仕事柄、定期的に年に2回デンマークへ出張に行き出して早5年が経つが全般的にロンドンには、素材の味を大事に、香草や酢漬けの使い方、素材の食感と繊細で美的な料理を出すモダンスカンジナビアンスタイルのレストランがあまり存在しない。

20161108_IMG_5123
ドイツ産まれで10代から親のレストランを遊び場にしていた兄弟による新しいこのベンチャーは、フランス、デンマーク、イギリスと移り住んだ影響で、北欧とフレンチのフュージョンを表現したモダンヨーロピアン料理を売りにしている。オープンキッチン、木彫のテーブルに温かい照明で隠れ家的な雰囲気がある20席程度の小さな構えだから非常に手頃な価格でクオリティの高い料理を出せるのだろう。今ロンドンでは陶芸ブームが到来中。レストランで使われている皿などを見ると、ローカルのアーティストが手掛けた物か?何処か日本のテーストを感じる。
20161108_IMG_5127
素材にはこだわりがあり、オーガニックでサステイナブルな魚、ローカルプロデュースのお肉を使っている。季節感の溢れるブランチメニューは、スターター5品、メイン4品、デザート5品とかなりシンプル。
20161108_IMG_5128 2種類のビートルート、山羊のカードとヘーゼルナッツ、赤いスイバのムース
スイバの酸味も抑え気味でムースとの相性もよく、カードのピリッとする酸味とコッテリさが楽しめる一品。デコレーションも綺麗。
20161108_IMG_5129 イングリッシュブレックファースト ボックス
セップ茸をメインにしたキノコ、トマト、ホウレン草とポーチドエッグのホランデーソース
£8.90とスターター並みの手頃な値段
20161108_IMG_5130 45日間熟成させたランプステーキ。ケールとヒラタケ添え。クリーミーなトリュフオイルのポテトマッシュ。濃凝縮された肉汁との相性が抜群のお勧めの一品。
20161108_IMG_5132 ブルーベリーとクリームのパンケーキ
20161108_IMG_5131 食後のマキアート
今回はブランチサービスだったが、是非ディナーサービスに行ってみたいと思った。フレンドリーで温かいサービス。この値段とクオリティは嬉しい。料理はフレッシュでモダン。ロケーションは、イスリントン地区の中心から離れていて、ちょっと行きにくい所だがあえてそこで勝負をする所が逞しい。ディナーサービスでは、メインの鴨と鹿が今季節的にてお勧めらしい。今は未だ隠れ家的な存在だが、それも長くは続かないだろう。

SALUT!
住所: 412 Essex Road, London, N1 3PJ, UK
TEL:+44 (0)20 3441 8808
最寄り駅:地下鉄ANGEL/DALSTON/HIGHBURY & ISLINGTON駅から徒歩15分程
http://salut-london.co.uk/
Text&Photo by Tatsuo Hino

plofile
日野 達雄

日野達雄

英国在住歴19年のメディア/ファッションコンサルタント。
英スタイル雑誌の出身で英/日の雑誌にも寄稿をするライターでありながら、音楽、ファッション、フード、写真と様々なジャンルでのコンサルティング業務に携わる。

日野達雄さんの
記事一覧はこちら

同じカテゴリの最新記事