Museumの楽しみ 第2回 巨大な宝箱 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 | BRITISH MADE

London Yarns Museumの楽しみ 第2回 巨大な宝箱 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

2015.02.24

私のお気に入りの美術館のひとつ、「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」で時間をつぶすことにしました。

友人との待ち合わせまで時間があったので、私のお気に入りの美術館のひとつ、「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」で時間をつぶすことにしました。
この博物館は大英博物館などと並んで有名なので、ロンドンにいらっしゃったことがある方の中には足を運ばれた方も多いと思います。
今回はこの博物館の展示物だけではない魅力を皆さんに少しご紹介したいと思います。
 
 
最寄り駅はサウス・ケンジントン。駅から博物館までは地下道で繋がっているので、迷うことなくたどり着けます。

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館という名前は、基礎を築いたヴィクトリア女王(1819-1901)とアルバート公(1819-1861)にちなんでいます。
1851年にロンドンで開催された万国博覧会の展示品と収益をもとに、イギリスの産業を支える労働階級の人たちや産業デザイナーに工芸品や芸術品に触れる機会を与え、さらなる産業の発展へつながるようにという目的で作られた博物館です。ですから当初は入場料が無料でした。今も常設の展示は無料で見ることができます。
 
   
正面入り口。すでに圧巻!です。

この博物館の特徴は、とにかくそのコレクションの量です。量と言っても、数だけではなく、時代、国、そして種類が本当に多岐に渡っています。
2000年前からの宝物がこの建物いっぱいに詰まっています。そしてその宝物は世界各地から集められたもので、絵画、焼き物、装飾物、建築、彫刻…とここに挙げきれないほどです。
具体的な展示物などはガイドブックや博物館のHPなどでもご覧いただけると思うので、私流のこの博物館の楽しみ方をご紹介しますね。
 
 
有名なミケランジェロのダビデ像。その大きさに圧倒されます。
巨大な建築物もたくさん展示されています。どうやって運んできたのでしょうね。
あちこちでスケッチする人たちを見かけます。私も写真学生の時にスケッチに来ていました。

とにかくどこを歩いてもアートの洪水です。私は「これを見るぞ」という目的は持たず、とにかくどんどん展示室を渡り歩いて、アンテナにひっかかる「今日のお気に入り」を探します。展示室をつなぐ廊下や階段の美しさもこの博物館の魅力です。
 
 
展示室をつなぐ廊下にも展示物が並んでいます。
数えきれないほどの銀食器!
階段の美しいモザイク。
今日の私のお気に入りのひとつ。ステンドグラス。
左写真と共に古いもの(1520~30年ごろ)なのに今にも通じるデザインのものと、とても緻密に描かれたもの。
 

彫刻の肩越しに見る彫刻。色々な楽しみ方ができる展示の仕方も魅力です。

歩き疲れたら、気持ちの良い中庭のベンチでひと休みします。建物にもたくさんの彫刻やレリーフが施されていて、この建物自体がひとつの芸術作品だと気付かされます。
 

大きな中庭。夏にはイベントなどが催されます。
ベンチから見上げた建物。美しい装飾が施されています。

今日発見したのが「ナショナル・アート・ライブラリー」という博物館内にあるアートに関する本がぎっしり詰まっている図書館です。あいにくこの日は閉館日でしたが、一般にも公開されているそうなので、次回はぜひ利用してみたいと思います。
 

美しい革表紙の本が並ぶ図書館の棚

ロンドンに来る友人に私が必ずお勧めするのが博物館内のカフェです。壁のタイル、ステンドグラス、大きな暖炉と、豪華な装飾品に囲まれているのですが、カンティーン形式のカフェなので、肩肘張らずに贅沢な空間の中でお茶や軽食を楽しめます。博物館を見る時間がなくても、ここでお茶を飲むだけでも価値があると思います。
 
 
カフェの様子。どこに座っても贅沢な装飾品が楽しめます。

ミュージアムショップとブックショップも見逃せません。今の展示にちなんだオリジナルグッズや、イギリスのデザイナーや作家さんが作ったユニークなジュエリーなどが並んでいて、一味違ったプレゼントが見つかるかも知れません。  
この博物館が建てられた当時とは違って、今では世界中のものをインターネットで見られる時代ですが、やはり本物の放つ魅力には到底かないません。ここにみなぎる本物の持つ力が私のこの場所が好きな理由のひとつかも知れません。


2015.2.25
Text&Photo by Amesbury Kae

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アムスベリー 加恵

アムスベリー加恵

ロンドン留学中にヴィンテージウエアを販売する「Old Hat」ロンドン店でアルバイトをしたことをきっかけに、紳士服に興味を持ち始める。職人の技を身近に見る機会にも恵まれ、英国のクラフツマンシップにも刺激を受ける。カレッジを卒業後、いったん帰国。結婚を機に2012年10月に再渡英、現在ロンドン在住。
夫に作ったニットタイが好評で、夫の友人たちから注文が相次ぎ、2013年11月にオーダーメイドの手編みニットタイを販売する「Bee’s Knees Ties」を立ち上げる。

Bee’s Knees Ties
ロンドンを拠点に、オーダーメイドの手編みのニットタイを制作、販売しています。
色はもちろん、ステッチや結び目の大きさ、長さや太さなど、お客様のお好みをおうかがいお伺いしてから、1本1本、手で編みあげます。素材にもこだわり、大量生産の糸にはない魅力を持つ糸を探し求め、何度も試作を繰り返した後に、品質が良く、ユニークで、長く愛用していただける糸だけを採用しています。手編みならではの親しみやすい風合いが、スーツだけではなく、ニットウエアやツイードにもよく合い、日常の色々なシーンでお使いいただけます。
ロンドンではサヴィル・ロウのテーラー「L G Wilkinson」にてお取り扱いいただいております。
facebook.com/bees.knees.ties

現在、BRITISH MADE青山本店にてオーダーを承っております。また実際にいくつかお手にとって店頭にてご覧頂けます。詳細はお気軽に店頭スタッフまでお訪ね下さい。

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